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2008-12-12

icon_45_b.gif『鉄の首枷―小西行長伝』読了。


いや、ハンパねぇ。
ほんと、半端ないって、行長と清正の確執。
ドッロドロだ、この2人…!!
いや、確かに白石さんの『海将』にて、サワヤカ好青年こにたんを読んだ直後は、
「ドロドロな関係でも良いさ〜♪むしろ清行ドンとこい!」って思ってましたが、
いや、まさか、これほど、とは…(絶句)。


遠藤 周作(著)『鉄の首枷 ―小西行長伝』

絶版なので図書館から借りた、こにたん本。
小説ではなく、小西行長という謎の多い武将の足跡を文献から辿った、
一種の伝記のような形を取った本です。
完璧に行長に興味がある人向けの本なので、
そうじゃない人が読んだら、結構つらい思いをするかと。
読みやすくは、ないです。
が。
読めば読むほど面白い本です。
そして読んでるうちに、個人的に隆佐が気になってきました。
時勢の流れに敏感過ぎるほどのあの嗅覚。
商人強ぇ。

前回の記事で発言順序を間違えてしまったので、
今回はちゃんとしようと思います。
そして思いの外長くなってしまいましたので、畳みます。

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2008-12-10

icon_45_b.gif『城塞(上)』読了。


なんだか、戦国本の感想文久しぶり。
実は10月に読了してた本(って書かなきゃバレないのに…)。
自分、いい加減関ヶ原以降の作品にも手ェ出してみようと思い立ちまして。
いや、だって関ヶ原以降みったん出てこないし…。寂しいべさ。
でも、今年中に読みたい大坂の陣ネタ本があるので、
覚悟を決めて読んでみました。

「豊臣家をつぶす」―“関ヶ原”から十四年、徳川家康は多年の野望を実現すべく、大坂城の秀頼・淀殿に対して策謀をめぐらす。方広寺鐘銘事件など、つぎつぎと打ち出される家康の挑発にのった大坂方は、西欧の城塞をはるかに凌ぐといわれた巨城に籠城して開戦することを決意する。大坂冬の陣・夏の陣を最後に陥落していゆく巨城の運命に託して、豊臣家滅亡の人間悲劇を描く歴史長編(文庫より引用)。
司馬 遼太郎(著)『城塞(上)』

ということで、積読本のシバリョで。

本多父子はほんとに素敵だよね!!
良いなぁ、この謀略父子。
正信と比べると、正純は鮮やかに現出するタイプの嫌味だと思うんだ。
ん?意味分からん。
えぇと、「発言すること全て嫌味」みたいな。
そんなだから“東軍の三成”なんて呼ばれるんだぜ!(呼ばれてないから)
ちなみに、正信は自分のなかでは“ぬらりひょん”なイメージです。(人外…?)
父子っつっても、上巻では正信は出てきてません。
そして正純の陰険さがたまりませんよ!
チミッチミネチネチ片桐さんのHP削る場面がもう楽しくて楽しくて。
片桐さん、胃潰瘍のひとつやふたつ持ってたに違いない。

………
あ、すいません。なんだか発言の順番を間違えました。
気を取り直して、以下いってみましょう。

ストーリーは、今更自分が言うまでもないのでしょうが、一応紹介までに。
主人公は後に甲州流軍学の祖とされ、
『甲陽軍艦』の作成にも携わったとも言われる軍学家・小幡勘兵衛景憲。
少年の頃、小姓として秀忠に仕えていたが出奔して牢人となり、
諸国を放浪してどの大名にも仕えずに暮らすものの、
内心では政治的野望があり―
という人物です。

上巻は、
この勘兵衛が、豊臣を潰そうと動き出した家康の間者として大坂に入り
秀頼が住まう大坂城の内情を視察するところから、
豊臣と徳川が手切れとなる、大坂(冬)の陣の手前までです。

この作品の面白いところは、徳川の間者である勘兵衛が、
大坂の城で暮らすうちに豊臣のあまりのお粗末な体制を危ぶみ、
気づけば徳川でも豊臣でもない視点から情勢を見るようになるという点でしょう。

大筋では歴史の概観を辿る形で進んでいきます。
その大筋に、ちょろちょろと勘兵衛と秀頼の侍女・お夏との絡みが挿入されています。

豊臣の家老・大野治長は、関ヶ原でいえば、三成と同じ立場です。超官吏。
…まぁ、三成ほど度胸あるわけでも可愛いわけでもないのですがね。
そして大坂城の元・三成屋敷に居を構えておるのですが…
ちょ、大野さん!
殿の庭はちゃんと整えておいてくださいよ!
荒れ放題にしてないでさ!!
…と意見したくなるページがありました(笑)。

ちなみに、この巻での重要キャラはお夏ちゃん。
大蔵卿の孫娘で、はっきりものを言うしっかりした娘です。
勘兵衛とのかけあいが面白いです。

終盤にて、豊臣方が合戦の準備に浪人を募り出しました。
ということで、
中巻は幸村とか又兵衛とか盛親さんとか諸々登場します。
posted by まるひげ at 01:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-11-25

icon_45_b.gif『仁将―小説 大谷吉継』読了。


ここ数日風邪気味なので、今日風邪薬飲んでったら。
もうね、仕事中眠いのなんのって!
万年睡眠不足の人間にとって、ありゃ睡眠薬以外の何者でもな…ZZZ…。


DSみったんゲームやってる最中、読みたくなった刑部本。
わかりやすいな自分!
絶版なので図書館から借りました。

賎ケ岳から朝鮮の役、そして関ケ原へ。主への忠義、友への信義、人としての仁義を貫いて、鮮やかに戦国の世を駆け抜けた武将、大谷刑部吉継の生涯を描く感動の歴史巨編。まさに「男のなかの男」というべきその一生(「MARC」データベースより引用)。
野村 敏雄(著)『仁将―小説 大谷吉継』

なんつーか…。
すごーく無難な小説でした。
感想らしい感想がないくらい(←それはどうなの)。
なので今回は感想文短めです。
とりあえず、刑部とみったんはもちろん仲良しさんです。
そして刑部の方は、夫婦してみったんのこと心配しすぎだと思います。

ストーリーは、刑部の新婚ホヤホヤ時代(賎ケ岳の戦い)から関ヶ原の自刃まで。
ところどころ、章と章のつなぎ方がちょっと気になりましたね。
説明不足というか、やや唐突なところがあります。
まぁでもそれほど気にするもんでもないかと。

読んでて楽しかったのは、
「鯨捕りの漁師」のような風体のこにたんと、
「つねに真実を求めて止まないようなところ」(p.208)があるという、
やけにカコ良い人物設定の宇喜多の坊。
あと、出羽検地の際に景勝さまがちらっと出てきてました。
「検地に抗う輩は撫で斬り!」と息巻く姿に、刑部、一歩引いてます(苦笑)。

でも一番印象に残ったのは
関ヶ原前夜、貿易商人になる夢を語るこにたんの姿です。
「この戦終わったら貿易商人になるんや…」
あまりにあまりな死亡フラグに思わず噴いてしまいました。
ここ笑うとこじゃないのに!
posted by まるひげ at 01:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-10-20

icon_45_b.gif『上杉謙信・景勝・直江兼続 軍神の系譜』読了。


今日のお昼にTV番組表見てたうちの母親に、こう言われました。
「米沢の特集やってるよー。なおえけん…かねぞく…?の城下町だって」
…かねぞく…とな。
確かに、「つぐ」とは読まないよね普通…。
ということで、BS2でなおえけん…かねぞくさんの米沢特集をやってました。
あんまり密度が濃くなかったっぽいので15分くらいしか見ませんでしたが。

かねぞくさんのことはどうでも良いや。
とっとと読書感想文です。
確かこれ読み終わったの、9月の初め…。


景勝&景虎どっちも好きな人にはたまらん作品でしょう。
謙信スキーさんには、あまりおススメできないかな…。

その半生を戦いに費やし、「聖将」を演じ続けた孤高の武将、上杉謙信。宿敵である北条家から養子となり、家中での自分の存在意義に悩む上杉景虎。養父の偉大なる力を認めつつも、「義将」の姿を偽善とし否定する上杉景勝。そして、そのほとばしる才気を、景勝を後継に据えるためだけに注力する直江兼続―。手取川の戦いから御舘の乱まで、それぞれの思いと葛藤が交錯する、上杉家激動の二年間を描く!(文庫より引用)
坂上 天陽(著)『上杉謙信・景勝・直江兼続 軍神の系譜』

こんなに面白いとは思いませんでした。
ただ小説として読むだけでも面白いのに、
ところどころに萌えがドボンドボンと埋伏されているので要注意です。

タイトルこそ謙信、景勝、兼続となっておりますが、
実際の中身は、謙信、景勝、景虎の三者それぞれの葛藤をテーマとしています。
兼続はほんのオマケです。

2章構成になっていて、
第1章「手取川の戦い」は、謙信の思惑と、越後で身の置き所がない景虎の苦悩が、
第2章「御舘の乱」では、謙信の死後、それまでの上杉の体制を変えようとする
景勝と景虎の姿が描かれています。
御舘の乱の方がページ数が多く、手取川の戦いの2倍くらいでしょうか。

自分が斃れても、志を同じくする相手が越後をまとめあげてくれるという確信が
あったからこそ、景勝と景虎は戦い抜くことができたんでしょう。
両者は敵対する立場にありながらも、
本当の敵は国人衆であり、亡き謙信であり、
そして越後という国そのものだったように感じました。


以下、ネタバレ注意!の感想文です。
ちょっと妙なこと書いてますが…ま、お気になさらず。


posted by まるひげ at 00:03 | Comment(3) | TrackBack(1) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-10-03

icon_45_b.gif『島左近―義を貫いた闘将の生涯』読了。


この作品、「頬に傷のある左近像」というフレコミに誘われて読んでみたは良いのですが、
頬に傷なんてなかったですよ…?
・・・違う小説だったか(汗)。
どこで間違えたんだか自分!

筒井順慶の侍大将・島左近は、明智光秀を裏切った主君に仕えるのを潔しとせず、退去して浪人となる。しかし、戦国の世に生まれたからには、一度は天下を賭けた舞台で戦いたいと考え、彼の力量を買い家老として迎えてくれた石田三成の参謀として関ヶ原に駒を進めた。卓抜した実力をもちながら、義を貫き敗戦必至の戦いに挑んだ闘将・島左近の壮烈な生涯をつづる渾身の長編歴史小説(文庫より引用)。
佐竹 申伍(著)『島左近―義を貫いた闘将の生涯』

左近の視点から描いた本能寺の変〜関ヶ原という設定なんですが、
左近視点なのは、正確に言えば、三成に召抱えられるまででした。
中盤以降は時代背景の描写に多くのページを割いているので、
印象としては、歴史の概観を辿るようでやや退屈ごにょごにょ…。
そのため、記憶に残ってるのは中盤までで、あとはあんまり覚えてなかったり。
な、流し読みなんてしてませ…んよ。

登場人物の心理描写も結構あっさりしたモンでした。
ボリュームの割には読みやすいんですが、何かこう、物足りなかったです。
しょんぼり。

まぁ、よくわかっていない左近の前半生をいじるのは楽しいですよね。
筒井時代なら、右近との同僚会話とか
だんぢょー(松永)との戦ネタとか出してくれれば良かったのにー(無いものねだり)。

そして、筒井家を出奔して浪人になった左近に仕官の声がかかる度に
邪魔しにやってくる順慶さまの姿に、黒田ンとこの某ダミアンがダブりました。
やってることおんなじだし!
器小っけ…。
つーかちょっと待って。
左近が出奔したのって順慶じゃなく定次時代でしょ…。

あと、ちょっと引っかかったのが、徳川方の間者・小萩の描かれ方。
都合良い様に登場して、都合良い様に消されてます。
間者なんてそんなもんですがね…(寂)。

でもまぁ、何を置いても一番残念だったのは、
三成が左近を家臣に迎えてから関ヶ原までの
佐和山主従のやりとりを、ほとんど見られなかったことでしょう。

…しょんぼりぼり。

よし、気を取り直して他作品で左近リベンジであります。
posted by まるひげ at 01:19 | Comment(2) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-09-06

icon_45_b.gif『関ヶ原連判状(下)』読了。


ここの三成は凛々しくてほんと困りますな。
上巻でもチラッと出てきた、
みったんと刑部が一緒に居るときの雰囲気が良いのですよ。

刑部といえば、10月に発売されるDSのアレにおける刑部はなんですか。
えっれぇキャラデザなんですが!
けしからん!!
あー、でもこれだと直家さまでもいけんじゃないかな。晩年の。
そして直家さまといえば…坊が!
宇喜多の坊がぁ!!!
何がムカつくって、あのスネオ唇ですよ。
そしてよく見ると顔の隣にキラリマークが(笑)。
おのれ名家め、いけすかん。

・・・・・
すいません、情報古いうえに話が脱線しました。

ついに兵は動き始めた。石田三成方の軍勢に居城・田辺城を囲まれた細川幽斎は、籠城に耐えつつ朝廷からの使者を待つ。その秘策は「古今伝授」を楯に取り、朝廷から和議の勅命を引き出すこと…。さらに幽斎にはもう一つの切り札「連判状」があった。そこに名を連ねる大名とは、いったい誰なのか。果して幽斎の「天下三分の計」は可能なのか?前人未到の「関ケ原」を駈ける意欲作(文庫より引用)。
安部 龍太郎(著)『関ヶ原連判状(下)』

しっかし、安部さんの作品は読むのに時間かかります。面白いんですけど!

下巻は膠着状態に陥った田辺城の攻防戦に対して朝廷から和議の勅命が下り、
そして関ヶ原へ―という展開です。

読みどころは…火花散る朝廷工作ですかね。
そして上巻から、幾度も対峙した蒲生VS多門ですが、決着つかないままでした。
で、ラストあの後、多門はどうなったの。
もしかして死にオチですか?

以下、やっぱりどうでも良い感想文です。
ぼりぼりネタバレしてるのでお気をつけ下さいまし。




posted by まるひげ at 01:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-09-03

icon_45_b.gif『関ヶ原連判状(上)』読了。


「実は読み終わったの1ヶ月以上前だったり」感想文その3。
いや確かこれ読み終わったのって2ヶ月以
蒲生(郷舎)がこれほど出張ってるうえにカコ良い作品を他に知らない。

徳川家康か、それとも石田三成か。時代が天下分け目の戦いに向けて風雲急を告げつつあった頃、そのどちらにも与せず、第三の道を画策する巨人がいた。足利将軍家の血をひく細川幽斎―。徳川の脅威にさらされる加賀前田家と提携した幽斎は、和歌の正統を受け継ぐ「古今伝授」を利用し朝廷を巻き込む一大謀略戦を仕掛けた。未曾有のスケールで描き上げる、関ケ原合戦驚愕の真相!(文庫より引用)
安部 龍太郎(著)『関ヶ原連判状(上)』

秀吉が生前、三成に「生涯最大の過ち」と告げた、ある書状をめぐる攻防戦です。

秀吉の死後、東軍と西軍の2大勢力がにらみ合う中、
どちらにも与しない第3の勢力として
前田・細川が連合して天下の均衡を保とうと画策します。
独立した勢力として世に認められるには、
それ相応の強力な後ろ盾が必要となり、
幽斎は、その後ろ盾として朝廷に目をつけます。
唯一、幽斎だけが継いだ和歌の「古今伝授」の秘伝を切り札として―という展開です。

ということで、大筋は、利家亡き後の前田家を西軍に引き入れようとする三成と、
そうはさせじと独自の動きをする幽斎との水面下の戦いです。
ちなみに前田家は
長男・利長が西軍寄り、次男・利政は東軍寄りですが、
ここでは、ほとんど臣下同士の戦いとなっておりました。
…物語が進むと、そんな簡単な構造ではなっていきます。

前田家家臣らが、今後の情勢に関わる芳春院の密書を加賀まで届ける途中で
何者かによって襲われるところから物語がスタートです。


以下、むしろどうでも良い感想文です。


posted by まるひげ at 10:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-08-28

icon_45_b.gif『玄庵検死帖』読了。


「実は読み終わったの1ヶ月以上前だったり」感想文その2。
さらっと読んでしまいました。
現代語が時々飛び出す(苦笑)せいかどうかはわかりませんが、
なんとなく、雰囲気がハードボイルド調。

時は幕末。腑分けを生業とする蘭学医玄庵のところに、風流な文が届いた。約束の場所に出向くと、紅梅の下に血の花びらを散らした、若い女の無惨な死体が。次々起こる切り裂き魔の犯行に憤った玄庵は下手人を捜しに、不穏な空気漂う京の都にまで出向いていく。そして辿り着いた真相とは? 花のお江戸に玄庵の仕込杖が唸りを上げる!(文庫より引用)
加野 厚志(著)『玄庵検死帖』

必殺仕事人的ストーリーかと思ったら見事にハズれましたー。
これほど世情に絡んだ話になるとは思わんかったです。

時は幕末、幕府浪士組の結成に沸く江戸で、
女ばかりを狙った連続殺人が発生する。
第一発見者であった蘭学医の検死役・逆井玄庵は卑劣な殺人犯に怒りを覚えるが、
その後、幕府の陰謀に巻き込まれてしまい―という話。

物語の途中から江戸を離れ、
「幕府の密命を帯びて清河八郎暗殺の機会を窺う」という展開になるので、
連続殺人の下手人探しは一旦ストップです。
そして玄庵が京へ行っている間は、
江戸での殺人事件についてはほとんど触れられないので
読んでる側としては、危うく忘れそうになります(汗)。
で、舞台が江戸に戻った途端に、下手人のアタリがつくんです。
あの人しかいないよね、ということで。

舞台が舞台なので、清河八郎、山岡鉄太郎、佐々木只三郎、
そしてもちろん新選組の面々も豪華に登場してます。

登場人物のなかでは、逆井家の飯炊き女・加代婆が良い味出してます。
確実に還暦は過ぎているだろうお年頃なのに、
自らを「生娘」とのたまう乙女心に脱帽です。

玄庵の周辺をうろつき、
正体がイマイチ怪しかった三平太は、終盤ぱったり登場しなくなるので、
今後のシリーズでも登場するんでしょうか。

ということで、
続編は『玄庵検死帖 倒幕の連判状』が出てます。
そして来月には第3作『玄庵検死帖 蘇る廃帝』が発売になるみたいです。

・・・・・
あー、テンション低い感想文ですねー。
読み易いんですけど、まるひげ的にはどうにもハマり切れなかったです。
…次巻読むかどうかは…かなり微妙。
posted by まるひげ at 02:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-08-25

icon_45_b.gif『忍びの国』読了。


「実は読み終わったの1ヶ月以上前だったり」感想文その1。

群れず、欲のみに生きる、虎狼の族、伊賀忍び。
伊賀一の忍び、無門は西国からさらってきた侍大将の娘、お国の尻に敷かれ、忍び働きを怠けていた。主から示された百文の小銭欲しさに二年ぶりに敵の伊賀者を殺める。そこには「伊賀天正の乱」に導く謀略が張り巡らされていた(単行本帯より引用)。

和田 竜(著)『忍びの国』

引き込みの強さは前作『のぼうの城』と一緒です。
読みやすく情景が浮かびやすいので、やっぱり印象は少年漫画(笑)。
前作よりもザンコク描写が多いので、
そちら方面が苦手な方は、要注意です。
それにしても、ロクな奴がいないですね、伊賀忍者。
命より大事なものは金、出し抜き上等、裏切ってナンボの世界です。


織田信長による「天正伊賀の乱」の前日譚となっております。
伊賀攻めの先鋒は、信長の次男・信雄。
物語の冒頭において、伊勢の国主であり、舅でもある北畠具教を殺し、
織田による伊勢の取り込みを狙います。
北畠が滅んだ後、残る邪魔者は伊賀の忍び衆のみ。
同じ頃、伊賀の里では下忍同士の争いで命を落とした弟の仇として
伊賀の里すべてに復讐を誓った下忍・平兵衛が里を抜ける決意をします。
迫り来る織田軍に対し、伊賀の国の十二家評定衆はどう立ち向かうのか―という内容です。

スポットが当たってるのは、
伊賀十二家評定衆の百地三太夫が飼う忍びの中でも超一流の忍び・無門と、
のちの石川五右衛門である文吾、老いを怖れる木猿。
伊賀を攻略する信雄サイドでは、
ヘタレ信雄の臣下である日置大膳、長野左京亮、そして
かつては伊賀の十二衆であり、今は信雄に仕える柘植三郎左衛門あたりが活躍してます。

いざ、伊賀攻めとなった矢先に、
大膳が過去の出来事との不可解な一致に、
謀略の匂いを嗅ぎ取るとこあたり、カコよいですね。

一番の読みどころは、伊賀十二衆の謀略の全貌がわかる後半と、
それに続く無門 VS 大膳 ですかね。
無門、もはや人外じゃねぇか…(怖)。

以下、ちょっとしたネタバレと腐発言ありなので注意です。

posted by まるひげ at 22:50 | Comment(2) | TrackBack(2) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-08-12

icon_45_b.gif『忍びの女(下)』読了。


下巻の感想文忘れるとこだった。
うーん、上下巻合わせて見てみると、今作はあんまり勢いがなかったような…?

伴忍びの万蔵が、裏切りを働いているらしい。女忍者・小たまは、危険を省みず万蔵の元へ飛び込み、敵の正体を見極めようとする。老獪な家康は、真意を隠しながらも天下統一へ一歩ずつ近づいていく。豊臣の臣下として全力を尽くす福島正則だったが…。戦乱の世を駆ける美貌の女忍者の活躍を描く傑作長編(文庫より引用)。
池波 正太郎(著)『忍びの女(下)』

一言でいうなら、
関ヶ原が終わって大坂の陣も終わって正則老けて終わり、でした。
いやいや、細かい見所は色々あるんですよ。
関ヶ原と大坂の陣の裏での忍び働き、
小たまさんの師匠であり、配下でもある才兵衛との遣り取り、
小たまさんが元凶とも言える万蔵の裏切りとその始末などは
忍者同士の戦いで面白かったんですけど…。

杉谷忍びの生き残り、岩根さんの登場シーンがあるかと思ったんですが、
上巻で出たっきりでしたー。

『真田太平記』でも出てきた家康襲撃シーンなんかも、
端から見ると危機一髪っぽいのですが、
読んでみたらそれほど緊迫した印象を受けないのは、
自分が結果を知っているからでしょうか…。

下巻の小たまさんは、
正則と福島の御家を思うあまりに
組織に属している一介の女忍びとしてあるまじき行いをしてしまったり、
師匠がビビるくらい大胆な働きをしてみたりと、
相変わらず奔放です。
一方、正則。
関ヶ原後、天下人として振る舞う家康を心中穏やかでなく見ている正則は、
理不尽な命令を受けても、難癖つけられて改易されてもひたすら忍従です。
家康の専横を詰り、豊臣支持を声高に叫ぶ養嗣子・伯耆守守正之の死と
清正の死を受け、もう真っ白に燃え尽きた正則が哀れです。

そういえば、解説を読んで気づかされたのが、
この作品が一連の忍びモノのなかで唯一、
家康側についた女忍びの視点から描かれているということですね。
なるほど、確かに!

つぅことで、適当に『忍者丹波大介』行ってみようと思います。
posted by まるひげ at 18:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-08-10

icon_45_b.gif『疾風怒涛!上杉戦記』読了。


一日で感想文書けたの、これだけでした…。
感想文書きながら、ネトサしたり本読んだりニコ動見たりしてたら、
あっという間に一日が終わってしまいまいた。
まぁいいや。だらだら休日バンザイ。

「義」を掲げて乱世を疾走した越後の龍・上杉謙信と後継者・景勝、天下に強さを謳われた上杉軍団――。本書は戦国大名・上杉家の人々に光をあてた傑作短篇小説集(文庫より抜粋)。
細谷 正充(編)/海音寺 潮五郎ほか(著)『疾風怒涛!上杉戦記』

以前、カタリーナさんのお宅でアップされてたこの本の記事で、
「謙信がサニー千葉」という指摘が的確すぎて、表紙の謙信がもうサニーにしか見えませんよ!!
このお顔のテカリ具合といい、肉厚ほっぺといい…ねぇ?
う〜ん、似てる…。カタリーナさん、ご慧眼ですw

ちなみにこの本、短編が8本収録されてます。
以下、ネタバレかすり気味の感想文です。

posted by まるひげ at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-07-31

icon_45_b.gif『忍びの女(上)』読了。


やばい。
最近読み捨てしてる読了本、早く感想文書かないと本気で忘れる…!
ということで、覚えてるモノからちょくちょくアップしていこうと思います。


豊臣家の猛将・福島正則の前に現れた徳川方の女忍者・小たまは、正則を籠絡し、巧みに城内に入り込んだ。探索を始めた小たまは、武辺一辺の正則を次第に愛しく思うようになる。豊臣秀吉亡き後、諸大名は自らの野望を抱き覇権をめぐる戦いは必至。ついには関ヶ原での天下を分ける決戦へと向かうのだった(文庫より引用)。
池波 正太郎(著)『忍びの女(上)』

正則…!
なんてお馬鹿な子なの…!!
嫌味をイヤミと理解できない可哀想っぷりがそこかしこで炸裂してます。
もー、かわいいなぁ。
その分、清正が出来た人間に描かれております。
なんだかお兄ちゃん体質になってますよキヨ…。

つーことで、池波センセの忍びモノ連作、後半戦スタートです。

あ゛ー…。
前シリーズにて、やっと於蝶さんのターンが終わったと思ったら、
第2の於蝶さんが出てきおったー!!
女忍びの理想は…お江さん(@『真田太平記』)なんだがなぁ…。

そんな今作の主人公は、於蝶さんの二番煎…もとい伴忍びの小たまさんです。
伴忍びといえば、『忍びの風』での井笠半四郎と同じですね。
『忍びの風』ラストにて、
本能寺で信長とともに散った頭領・太郎左衛門の弟である長信が
その後、一族を束ねているようです。
あ、ちなみに小たまさんは太郎左衛門の実娘です。

その伴忍びは徳川につき、伊那忍びは豊臣についてます。
途中、真田忍びの弥五兵衛やら権左やら、
元・杉谷忍びの岩根小五郎が左近の下で働いてるようです。
…弥五兵衛はともかく、
小五郎は『真田太平記』でも登場してたようなんですが、さっぱり覚えてねぇ…(汗)。

上巻は、太閤の死後〜関ヶ原前夜。
ストーリーですが、
基本的には小たまが頭領の命により、清洲城に忍びこんで城内を探索、
さらに正則たらしこんで巧みに心情聞き取ることが
徳川方による豊臣恩顧の取り込みの助けになっている、という状況です。

でも小たまさんてば奔放なお人ですので、
必要以上に正則に入れ込んでみたり、
ヒマ潰しに後輩もてあそんでみたり、
勢い余って敵地に乗り込んだは良いものの、
発見されて危うく手篭めにされそうになったり。
まぁ、そんな苦笑いとハラハラの連続です。
この小たまさんの冒険が読みどころなんでしょうね。

下巻はいよいよ関ヶ原突入です。
posted by まるひげ at 01:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-07-03

icon_45_b.gif『忍びの風(三)』読了。


池波センセの忍びモノ連作、
前半戦(『夜の戦士』『蝶の戦記』『忍びの風』)がこれにて終了です。
…でも実はこれから読む
後半戦(『忍者丹波大介』『忍びの女』『火の国の城』)の方が読むの楽しみだったりして…。


信長の対抗勢力は次第に駆逐されつつある。於蝶の胸に密かな決心が湧きあがった。高遠攻めの本陣で、信長の長男、信忠はふとめざめた。(女忍びか…おれの寝首を掻きに来た)一瞬、於蝶の呼吸はおもわずゆるんだ。織田信忠は類い稀な美貌であった。信忠の手が於蝶の下着にふれる…。天下動乱をよそに女忍びの血はせつなく騒いだ(文庫より引用)。
池波 正太郎(著)『忍びの風(三)』

>「天下動乱をよそに女忍びの血はせつなく騒いだ」
血というよりも下半し…(やめれ)。
於蝶さん、あなたというひとは…orz

なんとなく3巻は駆け足だったような。
この巻は織田の高遠攻めから始まり、そして本能寺のその後までです。

武田方に付いて織田勢に対抗する於蝶さんは
武田攻めで甲斐まで出張ってきた信忠殺りに、陣中忍び込んだは良いものの、
そこでウッカリ信忠に惚れてまうし。
そんな於蝶さんに愛想尽かした杉谷忍びの道半とその息子・十蔵は
杉谷の里に帰っちゃうし。
於蝶さんと離れ、光秀の下で大人しく仕えてる半四郎は、
伴忍びの太郎左衛門に諭されて、
結局は於蝶さんを裏切り、再び太郎左衛門の下につくことを決心するし。

・・・・・

もう端から見るとなかなかにgdgdな展開でありますな(汗)。

クライマックスはもちろん本能寺なんですが、
それほど盛り上がりもせず(え)、さっさと終わった印象がありました。
本能寺までのカウントダウンが、
「その●歴史が動いた」っぽい展開で、否が応にも緊張感を高めます。
そしてラストは「忍びって…ツライね…」としんみりするような読了感でした。
結果的に半四郎は幸せになったんだよな。
うん、あれで良いはず。


ということで、

やっと。

やっと。

やっと忍び界の魔性の女、於蝶さんのターンが終わりました。

えっと…
次は『忍者丹波大介』を読めば良いのか
『忍びの女』を読めば良いのか、ちょっと迷ってます。
時系列的にはほとんど差が無いらしいので、
どちらから読んでも良いとは思うのですがね。
忍びモノ最終章の『火の国の城』に繋げるなら、
『忍びの女』→『忍者丹波大介』の順かなぁ…。
posted by まるひげ at 01:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-07-01

icon_45_b.gif『忍びの風(二)』読了。


ギャー!
もう7月ー!!
6月はあっという間に過ぎてしまいましたね…。
今更「オロチ(1の方)のラストの外伝ステージ出ねぇー!」
とかジダバタしてる自分はもうなんつーか…
フォローすべき言葉もないですな。うん。
とりあえず左近だけはレベル99になりました。
いやぁ、オロチ版の「綺麗な顔して(溜)やるじゃないですか」
が聞きたくなったんですけど喋ってくれないもので…。
あれって、殿でプレイした方が良いんでしたっけ。
そしてデータ見てみたら、
蜀が5ステージしか進んでなくてべっくらこいたー★

ここまでダラダラ話してナンですが、
以下、活字の感想文です。


於蝶とともに信長の本陣を襲ったあの夜、半四郎は織田軍の中を必死に逃げのびた。五年余、かつて自分を弟のように扱ってくれた鳥居強右衛門にめぐりあい、織田・徳川の前衛として孤立した長篠城に立て篭る。信長を討つことに執念を燃やす於蝶はどこかで生きているのだろうか。於蝶の悲願も空しく、天正六年、安土城は完成した(文庫より引用)。
池波 正太郎(著)『忍びの風(二)』

鳥居強右衛門、良い旦那疑惑発覚。
いや、疑惑じゃなくて実際出来た夫だよ!

ということで、
1巻ラストで信長暗殺に失敗し、
逃げる最中散り散りになった於蝶&半四郎。
その時の傷もまだ癒えぬ半四郎が、
かつて知り合いだった鳥居強右衛門のいる長篠城へやってくるところから2巻がスタートです。
途中まで、於蝶さんはパッタリと出てきません。

武田軍に囲まれ孤立した長篠城では、
援軍要請のため、家康のいる岡崎へ走れメロスと化します強右衛門。
そしてその後ろを密かに守る半四郎。
強右衛門ネタがこの巻の半分くらいを占めてます。

一方、武田側についていた於蝶さん。
強右衛門の背後を守るため、武田の忍びを殺っちまった半四郎を
於蝶さんが発見します。
久しぶりの再会だというのに、
「オメー、何やってんだよ、あぁん?」
のシーン(注・あくまでイメージ)は…怖いですねぇ。
緊迫感があって…というよりは半四郎、この時もう蛇に睨まれた蛙状態ですよ。
その後、一も二もなく於蝶さんに従います。
…この力関係…(苦笑)。

読みどころは、やはり強右衛門の不可能任務遂行のあたりですね。
ですが自分としては、
前巻で山中俊房と手を組み、
信長の身辺を守ることとなった伴太郎左衛門と半四郎とのまさかのニアミスが、
わずか数行だけのシーンなのに非常にハラッとドキッと致しました。
やっぱ忍びはこうでなくては!

あ、武田といえばこのシリーズの第1作目『夜の戦士』で登場した
伊那忍びの十五郎がチラッと出てきてます。
ほんのチミッとですけど。

そして2巻のラストは
半四郎が明智光秀の坂本城に忍び込み、内情を伺うところまでです。
みっちゃん付近も、義昭公絡みでなんだかキナくさくなり始めてきましたよ。
posted by まるひげ at 00:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-06-15

icon_45_b.gif『忍びの風(一)』読了。


あー…いい加減感想文書かないと。
内容忘れる…。


「半どのに、会いとうて、ここへ来た…」はじめて女の体を教えてくれた於蝶と再会した半四郎。二人の忍びの交わりは戦場に熱く燃える。が、ただ独り信長の首を付け狙う於蝶との愛撫は、立場の違う半四郎の運命を変えてゆく。信長の小谷城攻めのさなか、決死の忍び働きに出た二人はかつての味方に包囲され散り散りになるが…(文庫より引用)。
池波 正太郎(著)『忍びの風(一)』

前作『蝶の戦記』の完全な続編です。
『蝶の〜』ラストからこの作品の最初までのラグはほとんどないので
時間空けずにとりかかれば、すらすら読み進められます。時間空けなければ。
姉川の戦いで於蝶を残して全滅したと思われていた杉谷忍びですが、
甲賀の杉谷の里では、
姉川の戦いに参加しなかった忍び・島の道半が於蝶の力となります。
さらに今作ではもう一人の主人公として、甲賀の里の「伴忍び」の井笠半四郎。
彼と於蝶さんとの関係は…
えぇ、まあ、あらすじにある通りの関係です。

この巻は、姉川の戦い直後から、小谷城の陥落まで。
於蝶が三方ヶ原から敗走中の家康を急襲するところや、
なんといってもこの巻ラストの
小谷城攻めのドサクサに紛れて、信長を暗殺しようとする場面が読みどころでしょう。


それにしても。

於蝶さん、暴走。

「だめだ、この人野放しにしておいたら何しでかすかわからん!」
…というのが、甲賀忍びの共通認識かと思われ。

於蝶さん、一族の仇として信長の命を狙うのは良いのですが、
さらに、半四郎をたらし込んで巻き込んで組織の掟にとらわれない
自由な忍び働きができるとうきうき。
楽しいのは彼女だけです。

半四郎のいた伴忍びは、
それまで疎遠だった山中忍びとの関係を回復し、
一番天下を取る可能性の高い信長につきます。
半四郎の立場はもうどこにもありません。
女に惑ったただの抜け忍扱いです。

つーか、山中忍びて甲賀の中で筆頭株だったんですね。
…えぇ、おそらく『真田太平記』でもそんな記述あったはずなんですけどねぇ…(忘)。

成り行き上、於蝶を助たことで
伴忍びを抜ける形になってしまった半四郎の苦労人生が、
これからどう転がっていくのか非常に気がかりでありますよ。
posted by まるひげ at 01:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-06-01

icon_45_b.gif『秀家』読了。


もう6月になってしまったことよ。
いつもならとっくに来てるはずの上杉熱が来ず、
いつの間にか宇喜多にすり替わってる気がしないでもない。

で、その宇喜多。
結局、PHPの直家本は挫折しちまったので、
そそくさと前から気になってた坊(秀家)の方へ行ってみました。

秀吉の養女、豪姫を妻に、戦国の梟雄・宇喜多直家を父とする秀家は、関ケ原合戦でかっての重臣と東軍・西軍に分かれ敵対して敗走。そして椿の咲き乱れる絶海の孤島・八丈島に流刑となった…。秀吉の愛を受け、巨大な影におびえた宇喜多秀家、その流転の生涯と家臣団の悲劇を描いた注目の野心作(アマゾン・レビューより引用)。
赤木 駿介(著)『秀家』

なんかなぁ、意外なことに、関ヶ原以前の坊がかなーり不明でありましたよ。
そしてこの作品、主役は秀家じゃなくて、家臣団(武断派)だな。

宇喜多の坊がこにたんと全登にちやほやされてるのを期待したんですが、
坊をちやほやしてるのは公家と京童というその他大勢モブでした。ちぇっ。
それにしても、どんだけ美男子だったんだ、坊…。
肖像画見る限りだと、なんつーか、雛人形のモデルっぽいような。
そして顔の造作よりもお召し物の色目具合に坊の特徴を感じる(笑)。

以下、ネタバレはしてませんが、なんとなく畳んでおきます。



posted by まるひげ at 01:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-05-29

icon_45_b.gif『群雄戦国志(四)最終決戦、山王山!』読了。


積読本、消化。
シリーズ最終巻。GOODエンド万歳。
こにたんとキヨが可哀想な目に遭ってます。
宿敵揃って貧乏くじ(笑)。

友の仇を討つために、幼き豊臣家の主は出馬を決意する!
敵は西軍大将・徳川家康。決戦の地は備前・山王山!!
百戦錬磨の老将か、清廉潔白な幼君か、天下の行方がここに決まる(新書帯より引用)。

尾山 晴紀(著)『群雄戦国志(四)最終決戦、山王山!』

決戦が丁寧に描かれていて、読み応えありました。
局地戦の連続なので、息をつく暇もない…程ではありませんが、
なにせ優劣入り乱れてるので
「全体としてはどうなの、勝ってるのは東軍なの西軍なの!?」
てちょっとだけやきもきしました。
まぁ、なんつったって最終決戦ですから、
規模がデカく、戦いも派手になるのは当たり前なんですがねー。


以下、見所抜き出し感想文です。


初っ端から秀頼さまが切ないですよぅ。
三成は出番少なかったですね。
や、このシリーズは3巻が神だから別に良いんだけど。
この巻で良かったのは…秀康かなぁ…。
どうしようもないのが土井利勝。つーか、秀忠方全般。
前巻で大変なことをしてくれた広家は、意外なことに大人しく退場でした。
長政(黒田の)と広家の応酬が地味に見所でしょうか。

そして戦闘終了間近にちょろっと出てきてた、上杉主従。
あ、参戦してたんだっけか…忘れてたよ。
忘れてたといえば、幸村?
この作品では、昌幸おとんばっかり出張ってるので
息子の活躍の場はハッキリ言って皆無でした。

この作品の政宗が非常におちゃめさんで良いですね。
「あーあ」て何ですか、可愛いぞ。
なんとなく『異戦関ヶ原』のムネたんと似てるような。
戦闘前に交わされた約束を堂々と破って、無理矢理戦功立てようとします。
でも好き勝手しておきながら、
引き際の時宜は決して間違わないのが、流石。
戦闘終了後、キヨ&利長に怒鳴られても笑っていなしそう。

こんな感じです。
ラストは、みったん隠居で終わります。
なんとなく切なさが残るものの、清々しい印象でした。
三成スキーなら、読んでおいて損は無いのではないかと!
posted by まるひげ at 00:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-05-15

icon_45_b.gif『蝶の戦記(下)』読了。


さっき突然「こにたんは泣き黒子なんかあったらいいな」とかフッと思った。
どうもこんばんは。
今日もすごく眠いです。眠いと何考えるかわかりませんね。
そして以下の内容は、こにたん全然関係ないです。すいません。


織田信長、浅井長政らの屋敷に侍して、機をうかがう於蝶の、六年前、どことなく少女めいた硬いふくらみに引きしまっていた肉体は、どこも成熟しつくしている。(大好きな上杉謙信公のために…) 常人ばなれした女忍者の秘めた女心と香りたつ生命が、戦場に魅惑的な光をなげかける。人気を博した忍者小説三部作、第一弾(文庫より引用)。
池波 正太郎(著)『蝶の戦記(下)』

…なんでこの作品の紹介文は、
上巻も下巻もそこはかとなく官能小説テイストなんだろう。
さて、首尾良く城仕えをしている武士をたらし込み、
稲葉山城で濃姫お付きの下女として奉公することになった於蝶。
信長暗殺の機会を窺い、城中深く忍び込むのですが―。

読み始めてわりとすぐに予期せぬ仲間の裏切りがあり、
初っ端からハラハラさせられました。

上巻は川中島の戦いが見所でしたが、
下巻では姉川の戦いがクライマックスです。

以下、ネタバレなので畳みます。

posted by まるひげ at 00:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-05-11

icon_45_b.gif『蝶の戦記(上)』読了。


忍びモノ第2弾。
なんでこんなに女忍びってカコ良いんだろう。

尾張、清洲城下のはずれで、二十の於蝶は五月晴れのもとにのびやかな肢体をなげだしていた。夏草のにおいと果肉のような体臭に木立を進む武士は惑乱した。一瞬の後に…。川中島から姉川合戦に到る年月を甲賀忍びの技と道に賭してゆく於蝶。おのが生理と心をあやつり、死闘を繰り広げる女忍びの活躍は、ここからはじまる(文庫より引用)。
池波 正太郎(著)『蝶の戦記(上)』

忍びモノ第1弾の『夜の戦士』と同じく、甲賀忍びのお話です。時代的にも一緒。
ですが、同じ甲賀でも、山中俊房の配下ではなく、杉谷信正を頭領とする杉谷忍びです。
その杉谷の女忍び、於蝶が主人公となってます。
上杉家軍師・宇佐美定行の依頼により、
密かに謙信の天下取りの手助けをするようにと頭領から命を受けた於蝶、
同じく杉谷忍びの叔父・小兵衛とともに、春日山城にて城仕えをすることが決まります。
於蝶は男装した姿で、謙信の小姓として謙信の身辺を守る役目につくのです。
やがて川中島の戦いにおいて、忍び働きに出た於蝶はうんちゃらかんちゃら―
という内容。

あらすじを「歴史的な戦いの裏で繰り広げられる影の戦い」
と言ってしまえばそれまでなんですが、
そうとわかってても、やっぱり面白いものは面白いのですよ。
同じ甲賀の出でありながら、
信長の元についた山中忍びとの戦い、
師匠との交流、忍び同士の恋など、読みどころ満載です。

いやぁ、それにしても。
於蝶さん…たくましいおなごじゃ…!!

この人に限らず、池波先生の作品の女性はみんな強いですよね。
この於蝶さん、手が早い(笑)。
青年誌…もっと厳密に言えばエロ本に出てきそうな
むっちりぼんな豊満なお体を武器に忍び働きです。
とりあえず、自分の役に立つような男に目ェつけて誘惑。
相手に抱かれる状況でも、心情としては常に抱いて「あげてる」という感覚です。
上目線で攻め姿勢です。
何度か逢瀬を重ねているうちに、
相手はいつの間にか於蝶さんの虜になっているという…魔性だ。

上巻は於蝶が信長暗殺のため、
稲葉山城で奉公する下準備を整えたところまで。
さ、下巻にとりかかろうか…。
posted by まるひげ at 00:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-05-01

icon_45_b.gif『夜の戦士(下)』読了。


さくさくと読み終えました。
あんまり早く読み終えると、数ヶ月経ったら内容忘れてしまいがちなのが怖い。


暗殺に失敗して武田信玄の器量と人格に心服した丸子笹之助は、忍者の掟に背き、信玄のために身命を賭して働くことを心に誓った。今川義元を桶狭間に討ち取り、京都の将軍・足利義昭の後見となった織田信長と信玄の、忍びの者を使った虚々実々の駆け引き。元亀三年十二月、ついに信玄は起った。襲いかかる甲賀随一の遣い手、孫兵衛と丸子笹之助の意外な運命の絆を描いて圧倒的な感動巨編(文庫より引用)。
池波 正太郎(著)『夜の戦士(下)』

…今文庫の裏表紙のあらすじ読んで思ったんですけど、
「(中略)、孫兵衛と丸子笹之助の意外な運命の絆を描いて圧倒的な感動巨編」
この部分。
「描い」?
「描い圧倒的な感動巨編」じゃなくて?誤字??

…まぁいいや。
上巻でもそうでしたが、忍び合戦がハラハラです。
特にぽっと出の下っ端忍びなんかは、
大体が主人公助けるために犠牲になってるので、登場後数行で退場です。

上巻で信玄追放計画を立てていた義信くんは謹慎、そして部下共々粛清。
この義信くんや三条夫人の死はなかなか…うん、気が滅入る感じで。

以下、大したこと書いてませんが、ネタバレのため畳みます。


posted by まるひげ at 16:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-04-29

icon_45_b.gif『黒い風雲児』読了。


もひとつ直家本。
この作品も予想以上に面白かったというか
直家さまが可愛ゆかったというかにゃんというか。
冷たい瞳で寂しげに笑う直家さまにもってかれます。
そしてまだ能家存命の頃、八郎時代の可愛さは反則だ。

敗亡した宇喜多家の再興と父祖の復仇を幼い胸に誓った八郎―。「居眠り狸」といわれた一人の少年が、いかにして弱肉強食の乱世をのし上がっていったか。権謀術数の限りを尽し、備前・美作を斬り従えた宇喜多直家の若き日を鮮烈に描く傑作歴史長篇(アマゾン・レビューより引用)。
高橋 直樹(著)『黒い風雲児』

氏の『闇の松明』とか『戦国繚乱』あたりと同様、切なさ乱れ撃ってるのかと思いきや…。

どうした高橋さん。

このノリはいっそラノベではないのかね。

いえ、切なさがないわけでもないのですが、
短編集に比べたらやっぱり濃度は薄いですな。

乙子城を得るまでは、過酷な幼少時代を挿入しながらも順調に展開し、
さらに所領を増やして仇敵・島村貫阿弥入道を倒し、
主家の浦上宗景を追い詰め、手切れとなるその直前までのおはなしです。
具体的に言えば、明善寺合戦のちょっと後くらい。
宗景と直家の主従の振る舞いも、もはや上辺だけのものとなってます。

直家が貫阿弥を祖父の仇として、
そして貫阿弥の息子とその取巻きに殺された、という設定の
弟・四郎の復讐をすることを悲願とし、
それが果たされるのが物語の大体中頃です。
ですが、印象としてはその後のストーリーの方が印象に残りました。

『悪いやつら』での直家像と比較すると、
この作品の直家の方が人間らしいですね。
舅の中山備中守謀殺の際や三村家を攻める決意をした時など、
緊張と不安に揺れるところなんか特にそうです。
まぁ、『悪い〜』では、直家の内面描写があまりないので、
安易に比較はできないのですがね…。

直家と家臣団との会話が、所々笑えて面白いです。
基本的に家臣同士も仲が良いのでなおさら会話がおかしい。
家臣の岡、長船、富川の三人衆に加え、異母弟の七郎忠家くんあたりも出張ってます。
特に、富川の母という設定の妙さんの直家の理解力はハンパじゃないです。
この人、結構壮絶な過去を背負っている人なんですが、
心が強いです。ついでに酒も腕力も強いです。

そしてみんな直家想いです。
ここの主従は一蓮托生の思いが強いのでなおさら。
直家さまも直家さまで

「(中略)戻る所のある者を信ずる気にはなれぬ」(p.97)

と家臣3人衆に仰います。
そして空腹を堪えている3人衆に、
自分がそれまで節約して取って置いた雑穀でこさえたおにぎりをあげるのですよ。
自分も満足にご飯食べれてないというのに!
深イイ話じゃありませんか(涙)。

忠家は…ある意味必死です。
「兄上のばかやろー!」て叫びながら敵陣突っ込んでいきそうな。
てーか実際いってるし(笑)。


…とまぁ、続けて2冊直家本を読んでしまったわけですが。
残ってるのがコレ。

黒部 亨(著)『宇喜多直家 秀吉が恐れた希代の謀将』

一番ボリゥムあるんだよなぁ。
ちょっと読みづらいんだよなぁ。
posted by まるひげ at 01:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-04-28

icon_45_b.gif『悪いやつら 謀将 宇喜多直家』読了。


…ダメだなぁ。
つい気を抜くとサボリ癖がついてしまいますなぁ。
読了した本が溜まってきてるというのに、感想文が追いついてなかったり。
感想文って言っても、大した文章じゃないんだから、
さくさく書けば良いのにー。

ということで、まずは1冊。
積読の直家おとん本に取りかかってはみたものの、
どうにもハマりこめないもので、違う本に手ェつけてみました。

戦国時代備前、宇喜多直家は少年時、阿呆と蔑まれていたが、それは怨敵・島村入道を欺くための擬態であった。そして、それぞれの思惑を抱いた男たちが集い、物語は複雑な様相を見せていく。武将直家の前半生を描く歴史小説(アマゾン・レビューより引用)。
東郷 隆(著)『悪いやつら 謀将 宇喜多直家』

備前の梟雄・宇喜多直家の幼少期(「八郎」時代)から、
仇敵・島村貫阿弥入道を倒すところまでのおはなしです。
直家の前半生ということで、苦労に苦労を重ねた時代の描写なので
読んでるこっちまでハラハラしたり悔しがったりの連続です。
英傑の祖父・能家時代に仕えていたという設定の家臣1人の他は、
福岡の町のはずれに住む百姓数名だけがお供です。
ということで、メジャー家臣の岡さんとか長船さんとか出てきてません。
その代わりに、官兵衛のお爺上とお父上が出てきてますよ。

この作品、期待以上に面白かったです。
そしてタイトルに偽り無し。
ワルいです、直家おとんとその関係者たちみんな(苦笑)。
武士のとるべき仁義、理想とされる姿からはほど遠いのですが、
そんな道を歩まざるを得なかった一武将の苦労が忍ばれます。

それにしても…。


posted by まるひげ at 01:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-04-23

icon_45_b.gif『夜の戦士(上)』読了。


久々の池波作品。
忍びモノ。やっぱり忍びってツライわ。
どうでも良いですが、ここの信玄はイメージがB●SARA版信玄に近い。

甲賀忍者、丸子笹之助は“信玄暗殺”の密命を帯びて甲斐に赴く。途中、常陸の鹿島に剣名の高い塚原卜伝を訪ね、その推挙を得て武田家に仕えることに成功する。だが、笹之助は信玄の侍女・久仁に熱い血潮をたぎらせ、密命と恋の板ばさみに陥る。上杉謙信との川中島大会戦前夜、笹之助に課せられた任務を知りつつ、それを許す信玄。その包容力と偉大さに感動した笹之助の背後に強力な甲賀忍者の群れが忍び寄った(文庫より引用)。
池波 正太郎(著)『夜の戦士(上)』

舞台は川中島前後。
主人公は甲賀忍び。
甲賀の頭領・山中俊房より、信玄暗殺の命を帯びて甲斐の国に忍び込むも、
そこで出会った女と信玄の懐の大きさに圧倒され…
しまった、これだと文庫に書いてるあらすじと同じだ!

ということで以下、呟き感想文です。

主人公、いつも女で失敗してるので、
「今度こそは!(つーかもう後が無い)」な意気込みで任務を全うしようとするのですが…
この度の任務もやっぱり失敗。
ついには嫁さんもらって子どもまでこさえちゃって幸せな家庭を築きます。
結局、甲賀を抜け、信玄の天下取りのために働く決意をします。
信玄の信頼を受けて、武田忍びを束ねるまでの地位を得るようになった頃、
家中では、嫡男義信が駿河の今川家と通じて密かに信玄を放逐しようとする動きがあり―
というところまでが上巻の内容です。

しっかしこの笹之助、結構モテるんですよね。
先輩忍びの於万津さんにも迫られるし、
謙信方の女忍び、たよさんにも好意持たれてます。
笹っちの真っ直ぐさが熟女のツボにはまるんでしょうか。

そして笹之助の育て親であり、また師匠でもある孫兵衛との対決も下巻にもちこしです。
孫兵衛の執拗さは…アレだ。
『真田太平記』における猫田さんだな。
posted by まるひげ at 00:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-04-18

icon_45_b.gif『裏切り涼山』読了。


ふらりとネットを漂っていたときに
どこかのサイトでこの本のなにかが面白いという記事を読んだので
とりあえず読んでみました。
じわじわと変化していく登場人物の心理描写の巧みさと
戦闘シーンの鮮やかさが読みどころですな。

裏切り涼山―それは、信念に従い、裏切ることで義を貫く男。
一年を越す兵糧攻めでも落ちない、難攻不落の三木城。
業を煮やした秀吉が送り込んだ、最後の使者―(単行本より抜粋)。

中路 啓太(著)『裏切り涼山』

主人公は浅井家の家臣で
浅井家滅亡の際、織田方に内通した武士という設定。
夫の裏切りを知った妻子は自刃し、
本人は武士の身分を捨て、「涼山」という名の僧となって静かに暮らしていたのですが、
そんな折、播磨攻略中の秀吉から仕官の声がかかります。
そこで、死んだと思っていた涼山の娘・紫野が生きていて
敵方の三木城にいるという話を聞かされます。
涼山に課せられた使命は、三木城を調略によって開城させること―。

ということで、秀吉の「三木城の干殺し」として有名な三木城攻防戦を舞台とした、
ボーズのミッションインポッシボゥです。

結局、涼山は娘会いたさに秀吉の頼みを受け入れるのですが、
首尾よく入り込んだ三木城には、涼山のかつての同輩で今もなお織田を憎み、
浅井を裏切った涼山を憎む異形の風体の「降魔丸」がおり、
さらにその降魔丸の下にはワケありの従者がいて…
というように、人間関係もなかなか入り乱れてます。
でも基本、悪者はハッキリ描かれているのでそこんとこは混乱しませんね。

ちなみに、涼山の三木城入りには秀吉に仕えていた尼子十勇士のひとり、
寺本生死之介が監視役として同行します。
「開城させてみせる」と言ったかと思えば
「秀吉にこの城は落とさせない」とか言う涼山の言葉に翻弄される生死之介は、
涼山がまた裏切るんじゃないか、と警戒しきりの態度で接するのです。
ところが三木城で調略の機会を窺いながら暮らしていくうちに、
生死之介の心境にも変化が現れてきます。

まぁ概観してみますと(え、もう?)、
開城を是とする城主別所長治、
否とする城主弟・山城守との戦いにヤキモキしつつ、
涼山たちの正体を知らない三木城の足軽たちとの交流や、
生死之介が徐々に涼山を信頼していく様子は、読んでいて微笑ましいものがあります。
ラストなんてこの2人、もう戦友以外の何者でもない。

そしてこの本読んで自分のなかの毛利ポイントがひとつ下がりました。
煮えきらねぇ奴らだなぁ。
読めば読むほど毛利が嫌いになってゆく…。
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2008-03-09

icon_45_b.gif『桃山ビート・トライブ』読了。


正月最初の書店パトであやうく買っちまいそうになった本が
ふらっと寄ってみた図書館にあったのでつい借りてしまいましたのだ。

秀吉が権勢を振るい、三成が野心を抱いた安土桃山時代。三味線弾き・藤次郎、笛役者・小平太、太鼓叩き・弥介、舞姫・ちほの4人が一座を結成。型破りな音楽と踊りを武器に権力に立ち向かう…。躍動感あふれる進化系時代小説(アマゾン・レビューより抜粋)。
天野 純希(著)『桃山ビート・トライブ』

勢いがあってすらすら〜っと読めてしまうのは『のぼうの城』と一緒ですね。
地の文でもカタカナ飛び交う、時代劇らしからぬ小説でした。
もし映像化なんてことになったら、クドカンとか堤(幸彦)監督でお願いしたくなるような。
ということで、基本ドタバタギャグな内容でした。
でもまぁ、さすがは文学賞受賞作品(第20回小説すばる新人賞)だけあって、
それだけでは終わらないのです。
治外法権が適用されてきた河原の芸人たちを取り締まろうとるする体制側に反発し、
魂をゆさぶる音と踊りで立ち向かう主人公たちの姿がこの作品の見所です。
「抑圧された者たちが合同して権力に対抗する」という筋書きは珍しいものではありませんが、
その設定をこの時代に持ってきたのが上手いですね。
秀吉や三成、秀次、出雲の阿国なども登場してます。

三味線弾きの藤次郎、笛吹きの小平太、太鼓叩きの弥介、踊り子のちほ、
の4人が主人公です。
この4人の素性は色々あってそれなりに苦労してきてるわけなのですが、
みなさん非常にポジティブというか刹那主義というか後先考えないというか…
(あ、でも小平太は優柔不断っぽい心配性かな)
なので、悲壮感は全くないのですよ。
藤次郎が弥介をメンバーに引き入れるところなんて笑いどころ以外の何者でもない。
ちなみに、弥介はあの人ですよ。
信長に仕えたアフリカ奴隷身分の黒人さん。
お風呂エピソードまでちゃんと載ってます。
この人、史実では本能寺の変の後の消息はわかっていないそうですが、
ここでバンドマンになってたんですね(笑)。パーカッション担当の。

で。
気になる三成は悪役サイド。
定職に就かず、税も納めずに暮らす芸人は三成の美意識に反しているので
取り締まろうと強引な手を使ってきます。
さらに芸人に対する嫌悪には、三成の幼少時代の苦い思い出があり…。
さきっちゃんてば…もう(苦笑)。

意外なところでは、関白・秀次が味方という点ですかね。
主人公たち芸人を三成から庇ってくれます。
ちょうどこの頃は、秀頼誕生により不安定となった関白の座をめぐり、
秀吉との不和が修復不可能になった時期です。
物語の終盤には、史実通り高野山に追われ、切腹させられるわけですが、
終始穏やかな、出来た人物でございましたよ。

落ち着いた貫禄のある作家さんの作品読むのも良いけど、
上手いとは言えないけどとにかく勢いのある作品読むのもすごく楽しいモンですね。
posted by まるひげ at 19:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-03-05

icon_45_b.gif『異戦関ヶ原(七)戦国挽歌』読了。


シリーズこれにて終了。
2月中に読み終えるつもりだったんですがねぇ。
前巻の感想文からちょうど1ヶ月経っちまいました。

表紙イラは家康でシメですか。
兜の中央の悪魔っぽいのが奴の本体ってことだな(え、なんの話)。

石田三成と徳川家康の対決は、いよいよ山場を迎えようとしていた。伊達政宗を家康から引き離し、着々と最終決戦への準備を整える三成。一方、家康も己が設定した戦場へ三成を引きずり込み、得意の野戦を仕掛けて、徳川方に有利な合戦へ持ち込もうとしていた。しかし、家康のあざとい戦略は、少しずつほころびを生じ、徳川勢をじわじわと蝕んでゆく(アマゾン・レビューより抜粋)。
中里 融司(著)『異戦関ヶ原(七)戦国挽歌』

んー、なんだか最終巻は…困ったな。
最終決戦、戦場概観しすぎて、戦況説明だけで終わってます。
この巻までの人死にの少なさを挽回するかのように最終戦でぼんぼん人死んでますよ。
今振り返ってみると、なんで義弘戦にあんなに時間かけたんだろう…。
それにしても正純の扱いがあんまりだ。
「あっ、正則に殴られた!」とか思ったら次の行でR指定のモザイク死体だし。

ということで、以下にネタバレ注意の感想文です。


posted by まるひげ at 23:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-02-12

icon_45_b.gif『茶道太閤記』読了。


先日の3連休は結局1連休でしたが(それ連休じゃない)、
何故か今日がお休みです。
ということで、もうお昼も過ぎましたが今日一日は文化活動に勤しみたいと思います。

本題。
図書館で海音寺氏の他の作品探してた時にウッカリ手にとってパラッと見てみたら
(三成と小西が出てて)面白そうだったので。
しかしすでに絶版の様子。もったいない。

権勢並びない太閤秀吉に対しても「拙者は芸道に生きる者、いつの世までも名の残る者でござる」と高い誇りを持ち続けた男千利休。天正期の大坂城を舞台に、秀吉と利休の確執を初めとして、淀殿と北政所、秀吉の側室たち、利休の娘のお吟、石田三成や小西行長ら武将たちの繰り広げる苛烈な人間模様を描く(文庫より引用)。
海音寺 潮五郎(著)『茶道太閤記』

最近感想文がムダに長いので今回は短めに。

太閤秀吉と千宗易(利休)との確執を中心に、
佐々成政の黒百合事件に代表される、ねね派と淀君派の女の戦いや
キリシタン信仰問題をちょろっと絡めたお話です。
後半部分が駆け足かなと感じたのですが、それは解説で判明しました。
文化統制でしたのね。

テーマは「権力者 VS 文化人」。
こう書いてしまうと、どうしても権力者が悪役になってしまいがちですが、
この作品ですとそうとも言えません。
(まぁ確かに秀吉が権力に物言わせるところは多々あるのですがね…)
あくまでも両者の「対立関係」を描いた図式になってます。
秀吉の視点と宗易の視点の両方から語られるので、
それぞれが考え、行動していった結果がこう、という感じですね。

秀吉も宗易も、己が立場に縛られているという見方ができて面白いです。
それは言葉を変えれば「意地」とか「誇り」とかいうものなんでしょうけど。

そしてこの作品、解説を読むとより深みが増します。
海音寺氏は…烈士ですね。

以下に、読みどころチェックな感想文(結局は長くなるのね…)。


posted by まるひげ at 13:39 | Comment(0) | TrackBack(2) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-02-09

icon_45_b.gif『われ、謙信なりせば』読了。


この作品、上杉主従スキーにはハズせない1本ではないかと。

「あの二人が欲しい」慶長三年(一五九八)、太閣秀吉が没し、天下取りに王手をかけた徳川家康が呟いた。あの二人とは、故上杉謙信の跡を継ぐ上杉景勝と軍師直江兼続。家康が最も恐れた男たちである。が、家康が老獪に足場を固めつつあるとき、真っ向から対立してきたのがこの二人だった!“義”を重んずる謙信たらんとする景勝と兼続の超然たる生きざまを描く(文庫より引用)。
風野 真知雄(著)『われ、謙信なりせば』

「兼続なくして景勝なし、景勝なくして兼続なし」という雰囲気の2人ですが、
この作品では確実に後者ですね。
ここの上杉主従はなんとなく『密謀』の雰囲気と近いです。
景勝の意に反して、東軍を追撃することを強固に主張する兼続。
ここの兼続はハッキリと天下を意識し、景勝に「天下人になれ」と言います。
景勝の怒りを買い、それによって死ぬことになったとしても、
主君に天下を取ってほしいと願う兼続の必死の姿は胸に迫るものがあります。

景勝が義にこだわるところは、
やっぱり兼続同様、はがゆい気分を味わってしまいます。
ギーギー言ってる場合じゃないよ、景勝さま!
天下人にならなくても良いから、とりあえず家康だけはやっつけとけ、て言いたくなる。
会津討伐前夜から突如反転し、西へ向かう東軍を追撃するか否かの状況が
この作品のクライマックスですね。
景勝と兼続との義問答は緊迫感があって読みどころです。
兼続の思考とその結果導き出された結論は、なかなか説得力あるのではないかと。
自分にとってはすごく納得のいくものでしたね。

どんなに義を掲げても、戦さの実相は、
ほかのすべての戦さとなにひとつとしてちがわない(p..327〜328)


という見解は、まさにその通りだと思います。


以下、ちらっとネタバレな感想文です。
posted by まるひげ at 22:23 | Comment(2) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-02-07

icon_45_b.gif『戦国繚乱』読了。


この作品も…どれも気が滅入るお話ばっかりだ!
でも前回読んだ『闇の松明』よりは切なさが多めに配分されてますね。

策謀蠢く戦国の世に、それでも自らの矜持を貫いた男たちを描く傑作小説集!黒田官兵衛の陰謀に散った九州の名門、城井一族の最期、キリシタン大名として知られる大友宗麟、知られざる父親との確執。生涯不犯を通して子を生さなかった上杉謙信の壮絶な跡目争い。もはや信じられるのは、おのれ一人なのか…(文庫より引用)。
高橋 直樹(著)『戦国繚乱』

逆らえない時代の流れに翻弄される人々の悲劇が鮮やかに描かれております。
それにしても、
高橋さんの作品は簡潔で力強く、的確な表現で明暗がはっきりとした
非常に男性的な文章だなぁという印象をいつも受けます。
今回の内容はお家断絶ネタが1つと家督争いネタが2つの計3本です。


以下、結構長くなったので畳みます。
そして読みづらいです。
お時間がある方のみご覧くださいませ(笑)。



posted by まるひげ at 02:37 | Comment(2) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-02-05

icon_45_b.gif『異戦関ヶ原(六)天下燃ゆ』読了。




かっかっかっかっ…景勝さまがッ!!


加藤清正を味方につけ、西海道の兵を連れて佐和山城に帰還した石田三成であるが、徳川家康に水口城を落され、東海道との回廊を確保されてしまった。その家康は、三成を近江に封殺すべく、後背の脅威である上杉軍を除こうと、四天王の井伊直政、榊原康政らを北上させた。上杉景勝は、最上義光の抵抗と、向背定かならぬ伊達政宗の動きに苦戦を強いられていた(アマゾン・レビューより抜粋)。
中里 融司(著)『異戦関ヶ原(六)天下燃ゆ』

それにしてもこの表紙の兼続はそこはかとなく美川●一似ですね。
たぶん、口元?
「おだまり」てフキダシつけたくなります。

今まで出番なかった上杉主従。
お、やっと出番か!
とか楽しみにしてたんですが…。

思えば西方の関ヶ原周辺がバタバタしてる間、
北方ではにらみ合ったまんま膠着状態だったんですよね。
ここの景勝さまは傍に喋る人(兼続)がいないせいか、結構多めにお話してくれます。
しかし、兼続がムネたん引き入れに長谷堂行ってる間に景勝さまが大変なことに…。
愉快に忍法合戦なんかしてる場合じゃなかったよ兼続。

この巻はクライマックス直前ということで
家康&正信ペアの謀略を始め、
東軍に詰められつつある近江周辺やら
板挟み信幸兄の葛藤やら
九鬼父子の水軍対決やら、
見所はちょこらちょこらとあるのですが、
いかんせん、後半の奥羽戦に心持ってかれてしまうのでほとんど覚えてなかったり。
読んでから結構時間が経っているというのもありますけど…(小声)。

さて、次巻で最終巻となります。
いよいよ第二次関ヶ原。
2月中には読み終えるぞ。
posted by まるひげ at 01:49 | Comment(2) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-01-20

icon_45_b.gif『闇の松明』読了。


はい、調子に乗って次の短編集。
『戦国繚乱』が注文中なので、先にコチラに着手。

崩れゆく名門武家におこる小さな波乱を、側近の城士の目から語る「尼子悲話」。石田三成の軍勢に包囲され落城間際の伏見城で、四人の百姓足軽がみる一夜の夢と城抜け「闇の松明」。戦国の将卒の生と矜持を、さわやかな哀感をこめてみずみずしく描き出し、鮮烈なデビューをはたした著者の初期傑作短編集(文庫より引用)。
高橋 直樹(著)『闇の松明』

どれも気が滅入る話ばっかり(笑)。
表題作よりオール讀物新人賞受賞作の「尼子悲話」が良かったです。
そして巻末の解説を先に読まなくて本当に良かった。もろネタバレ。
作者のあとがき、なんかちょっとテンション可笑しい。
きっと高橋さんは面白い人に違いない。

以下、ネタバレ注意な感想文です。
最近ネタバレばっかですいません…。



posted by まるひげ at 00:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-01-18

icon_45_b.gif『秀吉 夢のまた夢』読了。


前から読んでみたかった鈴木氏の作品に挑戦。
ホラァ仕立ての短編が3本収録。

朝鮮出兵で加藤清正の兵糧方・後藤与三郎達は講和の後、最前線に取り残された。尼寺を占拠し、略奪と淫虐の限りをつくす日本兵。だが、仲間は次々と殺され、消えていく。朝鮮の美しい尼僧と日本軍の落ち武者の酸鼻極まる意外な結末を描く『雲雀』他、秀吉の夢・朝鮮出兵にまつわるオカルティックな時代小説、『あとひとつ』『背にふれてはなりませぬ』二篇を収録(文庫より抜粋)。
鈴木 輝一郎(著)『秀吉 夢のまた夢』

すごく読みやすいですね鈴木作品。
情景が自然に浮かび上がるような表現が素晴らしい。
以下、ネタバレは無しですが一部テンションおかしい感想文です。


posted by まるひげ at 01:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-01-14

icon_45_b.gif『異戦関ヶ原(五)上方大返し』読了。


ということで、続きモノを読了。
実はコレ読み終わったの、もう3週間くらい前なんだがな…。
もはや、「覚えてるとこだけ」感想文だ。最低だ。
それにしても、「主計頭」って響きカコ良いですよね。
かずえのかみ
ほら、ひらがな表記でも十分カコ良い。
目の前に丸腰の三成がいるのに、どうしても殺せない清正の葛藤が興味深かった。

薩摩の強豪・島津氏を降した石田三成は、真田信繁の献策を得て、加藤清正が包囲する、立花宗茂の居城・柳川城に向けて進軍し、壮大な罠を仕掛ける。果たして三成は清正を取り込んで鎮西を成し遂げ、打倒家康、上方にとって返すことができるのか?(アマゾン・レビューより引用)
中里 融司(著)『異戦関ヶ原(五)上方大返し』

前々巻にて九州の島津と激突し、前巻にて辛くも勝利した三成。
で、残る反西軍勢力である清正を説得して一気に巻き返そうとします。
しかし相手はあの清正ですよ。
軍事面で苦戦するのは目に見えてますが、
それ以上に三成に対する反感が根深いのですよ。
でもまぁ、そんな状況も最後には鶴の一声で解決するわけです。
一方、大坂城にいる狸は狸で、三成の九州平定を聞いて早速対処。
東軍、地味にちょこちょこ動きがあるんですけど、
やっぱり陰気な水面下での謀シーンが多いですね。

三成と清正が和解した後の、左近と清正の世間話の雰囲気が良いです。
左近、ほんとに口がうまい器量良しだなぁ。

ちなみに、この作品のみったんは嘘みたいにものわかりが良いですから、
和解した後、敢えて三成は清正に会おうとはしてません。
この調子でもし2人が面会したら、
きっとおそろしくハズカシイ会話が展開されたことでしょう。
(if小説でさらにifるな)

時折、五右衛門の娘・弓葉の忍び働きシーンで
清正の様子を伺う記述が出てくるので、
「もしや清正暗殺?!」とか思いましたが、
暗殺するわけはないんですよね。
清正生け捕りがこの戦いのミッションなんですから。
では、「何故弓葉が清正監視していたのか」ということについては
後半で明らかになるのです。
うん、なるほど。そういるわけね。
どんどん味方いなくなる狸さん…。

そしてここまできてやっと東方に動きがありました。
ということで、次巻は伊達とか最上とか上杉が出張るみたいです。

以下、見所ネタバレな感想文です。


posted by まるひげ at 00:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-01-06

icon_45_b.gif『妖異の棲む城 大和筒井党異聞』 読了。


伝奇小説でした。
読んでまず思ったのは今は無き休止してる「ムー伝奇ノベル大賞」っぽいなぁ…と(苦笑)。
あら、そういえばこの賞も学研産だったなぁ。
帯に「美しく清らかな若妻の魔性が闇の底から目覚めるとき…」とかいう
文句があったのでなんとなく不穏なにほひがしてはいたのですが…。

戦国武将・筒井順昭は大和一国をほぼ手中に収めると同時に気鬱に陥ってしまう。それを愁いた貞淑な正室の大方殿は、外敵の目をくらまし夫を回復に導くために、幻術師の力を借りて順昭に影武者を立てることを謀る。
期待の新人による、第13回歴史群像大賞最終賞受賞作(新書帯より引用)。

深水 聡之(著)『妖異の棲む城 大和筒井党異聞』

では、あらすじを簡単に。
筒井順慶の父上と母上のお話です。
メインテーマは「女は怖い」。
だんぢょー(久秀)が筒井家にいいように振り回されてます。
爺ぃと婆ぁが乳繰り合うシーンが印象的です。

・・・


以上。

ごめん、それしか印象に残ってない…!
序章と終章が一番面白かった、て言ったら怒られますかね。
文章は非常に読みやすいのですが、
危惧していた通り、濡れ場が多いです。
大して濃ゆい記述はしていないのですが、確かに多いです。

あ、左近は15歳の純情少年(!)でした。
近々、城内の侍女に食われるなありゃ…。
そして筒井家の「右の方」、松倉右近と仲良しです。

以下、堂々とネタバレな感想文です。


posted by まるひげ at 02:19 | Comment(0) | TrackBack(1) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2008-01-02

icon_45_b.gif『のぼうの城』読了。


さて、年末から読んでたこの作品を読了しました。
先日読んだ『水の城〜』の方も笑いどころが多くて面白かったのですが、
こちらもなかなかのものです。

時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。武州・忍城。周囲を湖で囲まれ、「浮城」と呼ばれていた。城主・成田長親は、領民から「のぼう様」と呼ばれ、泰然としている男。智も仁も勇もないが、しかし、誰も及ばぬ「人気」があった―(カバーより引用)。
和田 竜(著)『のぼうの城』

>誰も及ばぬ「人気」があった―。
…正直、「人気」ですらないんですが…。
強いて言うなら、「情けなさ」です。

地の文が時代小説らしくないです。
作者のコメント(ツッコミ?)がさらっと入ってるので
そこんとこはちょっと童門作品に似てるかもしれません。
自分はあまり気になりませんでしたが。

読んだ印象は、なんつーか少年漫画っぽいんですよ。
展開とか描写が。
情景が想像しやすいうえ、キャラも立ってます。
そして見せ場が分かりやすいですね。
丹波が単騎で城外暴れまわるところとか、
長親が舟上で田楽踊ってるところを狙撃されるところとか。

で、当然のように『水の城〜』との比較です。
全体的に見ると、
『水の城〜』は縦の関係(長親と百姓)の記述が多かったのに対し、
『のぼう〜』の方は横の関係(長親と家臣たち)の記述が多いのでそこが大きく違うところでしょうか。
主人公の成田長親、
『水の城〜』の長親よりもとらえどころがない人物でした。
ほんと、見ててハラハライライラため息つかせてくれる主人公です。
で、それを補佐する(と言うより「お守り」する)のが成田家の3家老丹波・和泉・酒巻。
そして忍城攻防戦で欠かせない、百姓の方々が全力で長親を助けようとするのです。
甲斐姫は大人しかったですね。
個人的に好きなのは生臭坊主の明嶺と最強おこちゃまのちどりです。

…あれ?
なんだかテンション低いですかね。
ちゃんと面白かったですよ?
映画化、楽しみにしてます。

まぁでも一番ハマったところはどこか、と申しますと。
よろしいか、以下にちょっとしたネタバレですよ?



posted by まるひげ at 23:56 | Comment(6) | TrackBack(4) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2007-12-30

icon_45_b.gif『異戦関ヶ原(四)鎮西の闘神』読了。


4巻の表紙イラが清正なんですが、コレは5巻の表紙にした方が内容合ってるんじゃ?
前巻表紙の義弘もどっちかってーと4巻の方が良いよなぁ…。

西海道を斬り従えて上方にのぼるべく、兵を九州に返した石田三成は、薩摩の強豪・島津勢に攻められている西軍側の諸大名を救出するため、延岡城下で合戦に及ぶ。釣り野伏せりを警戒し、伏兵をひとつひとつ潰していく三成勢だが、「鬼島津」の巧妙さは、三成側の予想を遙かに上回っていた。一方、徳川家康は大坂城に蟠踞し、佐和山城を中心に近江を要塞化している大谷吉継を攻略しようと企む。また、肥後の虎・加藤清正が三成の博多城に襲いかかるべく、破竹の勢いで進撃を続ける(新書より抜粋)。
中里 融司(著)『異戦関ヶ原(四)鎮西の闘神』

前巻にて家康本体を危ういところでかわし、秀頼を伴って九州に向かった三成。
その九州で待ち受けるのは戦意満タンの島津勢。
三成にそれなりに恩義は感じているものの、
秀吉亡き後の九州の仕置きについては自らが仕切るつもりでいる島津です。
いや、義弘カコ良いです。
戦に負けたら潔く三成の軍門に降るとサッパリしてるのも良し。

それにしても、長い
何が長いって、石田勢と島津勢がドンパチする「五ヶ瀬川の戦い」がですよ。
3巻終盤から始まって、4巻真ん中でやっと終わります。
近江にいる刑部や家康については、近況報告程度でちょろっと描かれるのみ。

戦場では、真田の忍びが大活躍です。
立花夫婦も大活躍。奥方のァ千代はまんま巴御前ですね。
ちなみに左近は大苦労してます。
そしてこの激戦で舞兵庫が退場。
う〜ん、あんまり見せ場が無かったな…(寂)。

どうでも良いことをひとつ。
3巻と4巻読んでる最中は文中にとにかく
「釣り野伏せりに気をつけろ」という言葉が何度も出てくるので
夢の中にまでお告げのように「釣り野伏せりに気をつけろ」て言われました。
どんな夢見たのかは覚えてないくせに、
とにかく「釣り野伏せりに気をつけねば…」て脅迫観念植えつけられて目が覚める、という
なんとも中途半端な感覚を味わいましたよ。たはー。

とりあえず、あとは清正片づけるだけだな!
頑張れみったん!!
5巻の表紙は…幸村ですよ。
大河の馬場さん(高橋和也氏)似の。
posted by まるひげ at 01:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2007-12-28

icon_45_b.gif『水の城 いまだ落城せず』読了。


何の因果か、先に買った『幻の城』よりコッチを先に読んでしまいました。
いや、『のぼうの城』と比較したかったんです。
とりあえず、忍城攻防戦の黒幕はお菊さま…
城代の遺言も、主君からの命令も堂々と無視です。

「なぜ、こんな城が!」五万余の軍勢を率いる石田三成は、蓮沼に浮かぶ小城を前に歯がみした。天正十八年(1590)、太閤秀吉が関東の雄・小田原北条家に怒濤のごとく襲いかかった。百を超す支城が次々と陥落する中、なぜか三成が攻略する武蔵・忍城だけが落ちないのだ。足軽・百姓合わせてたった三千人弱の兵力にもかかわらず…。戦国史上類を見ない大攻防戦!書下ろし長編時代小説(文庫より引用)。
風野 真知雄(著)『水の城 いまだ落城せず』

期待した以上に面白かったです。
成田長親の人柄が良いのですよ。
こんなトップだったら、うん、ついていきたいね。
正確には、ついていきたいというよりも、
ああいう状況下になった時に、トップがこんなんだったら良いなぁ、という感じ。
長親は、基本「やれるだけやってみよう」「無理はしない」がモットー。
ゆるキャラです(笑)。
ですが、三成の水攻めの失敗を知った時にポツリと呟いた
「水を玩ぶから、こんなことになったんだ」というのは結構シリアスでした。

忍城の前に攻めた館林城は3日で落ちたのに、
それより規模の小さいこの城が何故、落ちない、と焦る三成。
小田原城の支城を落として援軍にやってきた他の武将たちの力を持ってしても、落ちない。
そして小田原城が落ちても、まだまだ落ちない。
世が世なら受験生相手にイイ商売が出来そうなお城です。

以下、ちょびっとネタバレ注意!です。


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2007-12-20

icon_45_b.gif『異戦関ヶ原(三)上方脱出』読了。


左近と殿のご馳走様な会話に頬をユルめつつ、読み進みます。
左近、殿の人間的成長を微笑ましく見守っていながら、
一方で一抹の寂しさ感じてれば良いよ。
いやきっと感じてるよ。感じるべきだ!!
子の成長を見守る親の心境って多分こんなん。
なんだ、このシリーズはみったんすくすく生育記なのか。

調略上手の家康に大坂城を奪われた石田三成は、佐和山城に退く。家康による近江諸城への反攻が開始されると、三成は丹波・亀山城の確保を狙った。しかし、自ら出陣したものの、城を陥落させる前に、大坂から後詰めの軍勢がやってきてしまう。家康の軍勢接近の報を得るに及んで、挟撃を恐れた三成は、己の本領である筑前に戻り鎮西を成し遂げ、西海道から大兵を催して上方へ上る策に切り替えた。そのためには、日の本最強の兵を擁する島津を倒さねばならない。ここに、三成畢生の大勝負の幕が切って落とされた(新書より抜粋)。
中里 融司(著)『異戦関ヶ原(三)上方脱出』

かくかくしかじかで、丹波の亀山城を攻略することにより、
大坂城の家康に対抗しようとするのですが、
亀山城を落とすより前に家康本体がやってきて逆に危機的状況に。
ここまでくると、第1巻の関ヶ原勝利なんてもうなかったことにしても良いと思う。

三成は近江の西軍は刑部に任せて、自身は足利尊氏に倣い、
所領である筑前へ走り、九州まるっと平定して再復帰しようとします。
もちろん九州には名だたる強敵が待ち受けており―という流れです。
そしてその九州。
「もす」とか「ごわす」とか薩摩弁飛び交ってて楽しいです。
「〜でござりもす」とか言われるときゅんとなるね。

小大名を西軍に繋ぎ止めておくために
利で釣ることを覚えた三成、
「己が次第に汚れていくように思えて、嘆息を禁じえな」かった(p.183)そうですよ。

どこまで純粋なんですか殿ー!!

老犬斎と有楽斎の胡散臭さは笑ってしまいますね。
扇子で口元隠してぼしょぼしょ相談。
作中では、幇間のような雰囲気、とありましたがどっちかってーと宦官っぽいよ。
ちょっとこの2人気になってきました。
そして秀吉が死に際に遺した切り札の2人の正体も判明です。
う〜ん、敵も敵だからなぁ。
同じこと考えるってなもんです。
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2007-12-16

icon_45_b.gif『海将 (下)』読了。


う〜ん、比較すると上巻の方が勢いあって面白かったです。
結局、自分が読みたかったのは小西の宇喜多時代と
肥後に所領を得てからの、清正とのドロドロな関係を読みたかったんだなぁと。
本当に読みたいのはこれ以降の話なんですよ。

海を知り船を自在に操る小西行長は、豊臣秀吉の西国征服で重要な役割を果たす。だがその心のうちは、宇喜多家に仕えながら小西家の繁栄を願い、悩みに揺れていた。才智の男として歴史に名を残した行長の表と裏を丹念に描いた感動の歴史大作。吉川英治文学賞に輝いた海洋歴史小説の第一人者の筆が冴える(文庫より引用)。
白石 一郎(著)『海将 (下)』

船奉行として瀬戸内一帯を預かる身になった小西、
秀吉の家臣である一方で、宇喜多家臣でもある境遇のためどっちつかずの立場で悩みます。
さらに、武士の身分を得たにもかかわらず、秀吉から任せられる仕事は
以前と変わらず兵站処理という商人が担当するような後方支援ばかり。
華々しい戦に参加することも無いので、自身の立身に対する不満も出てきてます。

まぁ、そんなちょっと愚痴っぽい状況が続きますが、
ちょっと待てばトントン拍子に活路が切り開かれていくので
それほど深刻に困ってる感が無いんですよね。
「本当に悩むのはこれからだぞこにたんw」と囁きたくなってしまいます。

ラストは1万石から24万石へと大昇進したところで終わり。
ということで、人生の最盛期で物語が終わってるんです。
といっても、万事全てがうまくいった状態ではなく、
人生の頂点でありながら暗雲垂れ込めるその先が見えている状況だというのが
かえって不安です。
頂点過ぎればあとは下るだけですから。
ここの小西は自分の将来の険しさを痛感してるのでなおさら不穏。
秀吉もおかしくなり始めてる頃ですし。
このあと、こにたんは面従腹背の道をひた走ることになるんですね。

読んでる側としては、この後の小西の動向や最期まで知っているもんですので、
こんなまっすぐな人物がどんな経緯で秀吉を欺き、
最後には関ヶ原後みったんと首を並べてしまうのか、そこンとこが読みたいのです。
といっても、白石さんはあとがきにて
小西が史上に姿を見せない朝鮮の役の前まで、
すなわち小西の前半生に想像の枠を広げたかった、
と書かれているのでそこは仕方ないですね。

小西行長を主人公に据えた白石作品と遠藤作品、
ひとつの小説として読むなら、
『海将』の方が『宿敵』よりも引き込まれるのは確かですが、
個人的にどっちが好き?て聞かれたら自分は多分『宿敵』を選ぶと思います。
『海将』の宇喜多時代とか楽しいので捨て難いんですけどね!
直家さまカコ良いし八郎たま可愛いし。
そーなんですが、遠藤作品の方が好きなのは
何より白石版小西が、自分の小西像とは終始一致しなかったのが原因かな。
気配りが細やかな人ってのは頷けるんですがねぇ…。
こにたんに思い入れがない状態で読んだら「ふ〜ん、で?」で終わってたかもしれない。

そうそう、どーでも良いことですが、
高山右近がムキっちょでちょっとビビりました。
ロザリオの留め金に胸毛挟んでそうなイメージ。
posted by まるひげ at 19:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2007-12-15

icon_45_b.gif『海将 (上)』読了。


最近、コニカミ○ルタに電話したり電話もらうだけでもなんつーか、
こうポワンと幸せ気分になる自分はかなりアレだってわかってます。
在りし日の小西一族の勢力を仕事中にフト思ったりするわけですよ。
夢みがちなお年頃です。
それにしてもこの会社の機材は故障が少なくて助かります。
いい仕事してるね!

前置きが長くなりました。
『宿敵』と対を成す小西本、『海将』にトライです。
面白いです。
鬱っぽい『宿敵』版こにたんとは違い、この『海将』版こにたんはまるでべつじ…

誰だーーーーーーッ!!


堺の薬問屋・小西隆佐は、まだ信長の家臣の1人にすぎない羽柴秀吉に己と一族の将来を賭ける。時は天正、西国の毛利家に対抗するための要となる備前・宇喜多家へ、隆佐は手塩にかけて育て跡継ぎと考えていた18歳の弥九郎を送り込む。わずか10数年後に24万石大名となる小西行長の若かりし日を描いた傑作長編(文庫より引用)。
白石 一郎(著)『海将 (上)』

いやいやいや、違う違う!!
これ小西じゃないよ誰だ!!

海では櫓持ち舵持ち自在に船を操り、
陸では武士顔負けの度胸と剣の腕を持つサワヤカな好青年として描かれてます。
好青年て時点で 違 う よ な !!(お前は小西を何だと…)


えぇと、とりあえずは落ち着こう?自分。

前巻は養父である隆佐が秀吉に取り入れられる手段のひとつとして
行長を備前宇喜多家御用達の商家・魚屋の養子にすることから始まります。
そしてあれよあれよという間に宇喜多家の武士に取り立てられ、
秀吉(上方)に対する宇喜多家の外交官としての立場を確立するところまで。
宇喜多家にとっては、毛利につくか秀吉につくか難しい時代です。
行長も、秀吉の家臣であると同時に宇喜多の家臣でもあるという
なんともどっちつかずな立ち位置です。
まぁ、隆佐には「秀吉の家臣であることを忘れるな」って言われるわけですけど。

上巻ではまだ信長さまがご活躍なされています。
秀吉はそれこそコマ鼠のように働いてます。
その秀吉の下で結構目立ってるのが、官兵衛。
といっても官兵衛が小寺姓を名乗っている時期なので、まだ腹黒くないです。
秀吉が官兵衛をゲットし、官兵衛が信長から圧切頂戴してる、そんな頃。初期!

宇喜多パートは読んでて非常に楽しかったです。
直家さまカッコ良し。
過去の謀略腹黒キャラとしての経歴がちょろっと描かれてます。
直家さまのモットーは
「一人を殺めて千人の命を救うことが、なぜわるい」(p.146)
これですね。
所領が国境にある大名はこうでなければ生きていけませんよって。

そして直家さま、カコ良いのですが子煩悩です。
八郎たまがこらまた可愛いんだ〜。
小西に懐いて懐いてなぁ…デレ。

それにしても、作中、海の描写がピカイチですね。
なにも海戦に限ったことではなく、
荒波乗り越えて航海するシーンでも臨場感が凄い。
荒波や船内の喧騒、船の揺れまで体感できるような感じでした。
…酔いそう(え)。
posted by まるひげ at 12:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2007-12-09

icon_45_b.gif『戦国闘武伝』読了。


なんか軽めの短編集ないかなぁとか思いながら
図書館にお邪魔しに行ったら丁度良さそうなの発見。

決断の時、迫る。天下を分ける徳川、石田の大激突は必至。真田幸村の命を受けた十勇士が各地に散り、戦国武将真意を探る。はたして、誰が味方で、誰が敵か。生き残りを賭けた真田の大戦略が、今、始まる。真田昌幸、幸村父子と、個性あふれる十勇士たちの奇想天外の活躍を描く、戦国スーパー・ノベル、ここに登場!
(単行本より引用)

橋本 純(著)『戦国闘武伝』

橋本氏は『河鍋暁斎妖怪日誌』という作品を以前から読んでみたかったんですが
とりあえず作風知らないのでちゃっちゃと読めそうなコチラからトライ。

本の薄さ、イラストつき、真田十勇士、そして何より光栄出版ってのが
この本がどんな傾向なのかを如実に表してますね(笑)。
ちなみにまだこの時代(95年発行)は「光栄」表記ですね。
つーか、この会社のカタカナ表記にまだまだ慣れない自分です。いい加減古いなぁ。

関ヶ原を目前にして、有力大名が西軍東軍どちらにつくのかを
昌幸おとんが十勇士を使って密かに各大名の思惑を探る、というものです。
探られる大名は加藤清正→大谷吉継→上杉景勝→島津義弘→小早川秀秋の5人。

基本的に「十勇士が幻術を用いて大名の本音を暴く」というパターンの繰り返しです。
一人探るごとに佐助やら小助やら才蔵やらがおとんの元に報告しに戻り、
その結果を各章の間にある「軍議」にて相談する、という段取りになってます。
簡単なストーリーは以下の通りです。

・清正
三成への憎悪を再確認。

・刑部
幸村出張ります。
この術のせいで徳川寄りであった刑部の心に、
家康に対する疑惑をうけつけてしまう結果に。

・景勝さま
反徳川を立場をとりながら篭城を仄めかす。

・義弘
秀頼に関する淀君との謎の関係が暴露され。

・金吾
あ、なんだかもうメンドくさくなってきた…。
この人は自身の臆病な本性を突きつけられて狼狽。

簡単すぎるがな!
でもほんとに薄いんだ内容ページが…。

改めて読んでみると、ロクなことしてないです、十勇士。
忍法で散々他人の心かき回して心中暴いてトンズラです。
まぁそれが仕事なんですけどね…。
気軽にさらっと読めるフィクション活劇でした。
posted by まるひげ at 16:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2007-11-25

icon_45_b.gif『異戦関ヶ原(二)義将奮迅』読了。


着々とファン(というかシンパ)を増やしていく三成。
それにしてもみったんの可愛さはいっそひどい。
if小説てほんとキャラ小説だな怖ぇな。

関ヶ原で東軍を打ち破った石田三成であったが、あらかじめ調略の手を伸ばしていた徳川家康に、大坂城を乗っ取られてしまう。家康は、大坂城の混乱を七手口衆の謀叛と強弁し、真田信繁らもその一味と断じた。豊臣秀吉の遺児・秀頼を連れ、三成の陣営を目指して逃避行を続ける信繁。関ヶ原での勝利が無に帰そうとしている危機に直面し、石田三成は近江を拠点とした徳川包囲網を築こうとする。それを阻止すべく、丹波の亀山城へ向けて兵を催す家康。奥州では伊達政宗が蠢動を始め、大八洲の情勢は混乱の坩堝へと叩き込まれる(新書より引用)。
中里 融司(著)『異戦関ヶ原(二)義将奮迅』

副題が「義将奮迅」なので表紙イラは刑部かと思ったらこれ左近ですね。

関ヶ原で勝利を得た西軍ですが、逃れた東軍に大坂城を奪取されてしまいます。
難攻不落の大坂城を得た家康に、三成は佐和山・水口へ兵を集中させこれに対抗。
にらみ合いの続く両軍の間へ、割って入ったのは…という内容です。

この巻のラストも気になる終わり方してます。
引きがうまいんだから中里さんてば。

以下、ネタバレ注意ならびにナニかがオカシイ感想文。
posted by まるひげ at 13:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2007-11-17

icon_45_b.gif『異戦関ヶ原(一)大坂動乱』読了。


if小説熱が下がりません。
今更〜?て言われそうですがコレ読んでみました。

足軽から天下人まで昇りつめた太閤・豊臣秀吉は、嫡子・秀頼の治世を安泰にさせるべく、石田三成に大領を与え、徳川家康を牽制させる布石を打った。家康の野望と秀吉の深謀を覚った三成は謹んで拝領し、100万石の大大名となる。慶長3年8月、秀吉は家康を抑える「切り札」を三成に託し、永眠する。秀吉の死を契機に、大名たちと姻戚関係を結び専横を始める家康。三成は、家康打倒を掲げ、兵を挙げる。100万石の威力が、家康を予想外の布陣に追い込み、未曽有の合戦絵図を関ヶ原の地に出現させた(アマゾン・レビューより引用)。
中里 融司(著)『異戦関ヶ原(一)大坂動乱』

開始1ページからいきなりifってのも珍しいですよ。
そして面白いうえ読みやすいのに、何故か読むのに時間がかかってしまいました。
文中、そこかしこに
「もし三成が19万石のままであったらこのような行動はとれなかったであろう」
という言葉が何度も出てくるので、
「あぁわかってるよ、これはifだってー!」てなりましたね。

ということで、秀吉が自らの死後の秀頼の安泰、そして対家康として
三成に100万石を与えた、という設定です。
100万石の出所は朝鮮の役で軍法違反のあった金吾からむしりとった筑前の所領。
思い切りましたね、中里さん。

あと、この作品で特徴的なのは忍びが活躍するところでしょうか。
石川五右衛門とその娘をはじめ、伊賀やら甲賀やら風魔やら…。
あっ、やべぇピンチ!な場面を忍法で解決できちゃったりしてます。
いや、自分はこういうの結構好きなので面白く読めますが
「何でもありー★」な展開が嫌いな人はちょっと辛いかも。
いろいろブッ飛んでますから(笑)。

かくかくしかじかで関ヶ原で破れた家康は大坂に逃れ、
秀頼を人質に取り、体勢を整えようとします。
1巻のラストは気になる終わり方です。
秀頼の坂城脱出の際、撃たれたのは扱いが難しいあのにょしょうですか。
う〜ん、確かにこの方が秀頼の傍にいたらいろいろ動きづらいですよね。
思い切りましたね中里さん…!
邪魔者をバッタバッタと消してゆくその姿勢がいっそ爽快です。

読みどころ。
やっぱりこれでしょうね。
利家の死後、例の七将襲撃事件。
この作品では、三成が家康のもとへ駆け込むのではなく、
正々堂々、門前にて七将と立ち会います。
啖呵切るみったんが非常にカコ良いです。

そして佐和山主従が良い感じなのです。
今まで読んだif小説のなかだと一番好きかもしれない。
殿と左近の会話が微笑ましいやらおかしいやらでニヤけまくってます。
あ、もちろん殿は可愛くて左近はカコ良いですぞ。
そこは勿論お約束ですから!

秀吉が死の直前、三成の協力者として紹介した謎の2人の正体も気になりますが
まだ1巻だと登場したのみ。
今後の展開に期待です。

そして如水が黒いのはもともとですが、
それに加えてねねも黒いです。
ねねが黒いのやだなぁ…なんとなく。
続きが気になるので先を急ぎます。
posted by まるひげ at 23:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2007-10-27

icon_45_b.gif『密謀 (下)』読了。


やっぱり見やすいなぁ、改訂版…。

秀吉の遺制を次々と破って我が物顔の家康に対抗するため、兼続は肝胆相照らす石田三成と、徳川方を東西挟撃の罠に引きこむ密約をかわした。けれども、実際に三成が挙兵し、世を挙げて関ヶ原決戦へと突入していく過程で、上杉勢は遂に参戦しなかった。なぜなのか―。著者年来の歴史上の謎に解明を与えながら、綿密な構想と壮大なスケールで描く渾身の戦国ドラマ(文庫より引用)。
藤沢 周平(著)『密謀 (下)』

下巻の内容は、
秀吉の死後、兼続が三成と天下の状況を苦慮するところから、
関ヶ原後、上杉領が減封されるところまで。

下巻では関ヶ原の折、大坂での三成挙兵を受け反転した東軍を、
「何故上杉は追撃しなかったのか」がテーマになってます。
まぁ、確かに不思議ですよね。
いくら周囲の伊達やら最上やらが不穏であったとはいえ、
謙信時代からの強力な軍とそれを率いる景勝さま&兼続が備わってるんですから、
かなり良い仕事ができたんじゃないかと。

堂々と家康に喧嘩売ったからには、とことん戦って欲しかったなぁ…と思ってしまいますのだ。
とか言ったら景勝さまに怒られそうです。
兼続も怒られてたしね!
反転した東軍の追撃を進言した兼続に対し、
「敵の弱みにつけ込むのは上杉の作法ではない」と景勝さま仰いますけど、
それって宋襄の仁っぽいんですが。
戦時ですよ景勝さまー!!

創作パートでは、
草の者の記述がちょっと半端だと思うのですよ。
静四郎と本多正信の関係もアッサリ片づいたし。
もうちょっと関係するかと思ってたのになぁ。
ラスト、静四郎とうねが結局は結ばれる、というのも自分的にはなんか嫌。
紆余曲折あって苦労した男女がついに結ばれる、というのだと良いんですが、
これだとあんまり苦労してないので…。
目の前で草の掟破られてんだから、なんとかしろよ喜六!
とか思ってしまうのは、
藤沢さんの他の作品読んでないからだって自覚はあります。

以下、無駄に長いです。ほんとに。

posted by まるひげ at 23:58 | Comment(2) | TrackBack(1) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2007-10-23

icon_45_b.gif『密謀 (上)』読了。


2〜3ヶ月に一度、無性に上杉が読みたくなるんです。
上杉発作です。
どっちかってーと景勝さまメインで読みたいんですけど、
もれなく兼続も憑いてくるので、
結局は主従セットで読むことになります。
いや、別に良いんですけど…。
どの作品でもそうですが、
この2人が時折見せる、共犯者めいた雰囲気が大好きです。

織田から豊臣へと急旋回し、やがて天下分け目の“関ヶ原”へと向かう戦国末期は、いたるところに策略と陥穽が口をあけて待ちかまえていた。謙信以来の精強を誇る東国の雄・上杉で主君景勝を支えるのは、二十代の若さだが、知謀の将として聞える直江兼続。本書は、兼続の慧眼と彼が擁する草(忍びの者)の活躍を軸に、戦国の世の盛衰を活写した、興趣尽きない歴史・時代小説である(文庫より引用)。
藤沢 周平(著)『密謀 (上)』

上巻の内容は、
与板の草が上方の探索を終えて国へ帰る途中、行き倒れの幼い兄妹を拾うところから
(史実でいうと小牧・長久手直後?)、
秀吉の死により、三成と家康の対立が激化するところまで。

基本は上杉視点です。
謙信の時代からの軍法を頑なに守り、
天下人とは一定の距離を置こうとした上杉の姿勢を描いた史実パートの間に、
創作パートである草の者たちの活躍が織り込まれてます。
より泥くさい(←褒め言葉)生の人間味が強いです。
流石、人情モノを手がける藤沢さんです。
池波センセの忍びモノとはまた違った味わいがありますね。

三点リーダで語る男・景勝さま。
この作品読むと、以前読んだ『北の王国』の景勝さまが
いかに饒舌だったかを思い知らされます。

兼続は中央から遠く離れたところにいながら
鋭く冷静に時勢を読む、まさに智将です。
そしてまた、
釣った魚に餌はやらない秀吉の特質を始め、
三成の危うさ、家康の狡猾さなど、人間観察が的を得てます。

例によって兼続と三成の仲が良いです。
が。
それ以上に景勝さまと兼続の絆が尋常じゃないのです。
兼続、心は上杉のことばっかり。
三成→兼続に寄せる信頼のわりに、
兼続→三成への態度が結構冷めてるので、
その温度差がなんとなく可笑しいです。

ちょこっとだけ出てきた刑部ですが、美男子設定だったのに驚きました。
河田誅殺の一件であからさまな皮肉を兼続に投げつける刑部…
うん、怖い。
まぁこの事件は皮肉のひとつも言いたくなりますな。

どうでも良いことですが、
この上巻を買った2〜3日後に書店行ったら、
字が大きくて見やすい改訂版が発行されてて、ちょっと切なくなりましたことよ。
posted by まるひげ at 22:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2007-10-22

icon_45_b.gif『名将 佐竹義宣』読了。


この本読んでまず思ったこと。
「名将」なのは義宣じゃなくて義重。

家名存続か、武士の意地か? 家康も恐れた男の関ヶ原!
豊臣秀吉の小田原攻めに馳せ参じた佐竹義宣は、石田三成の引きで大大名に名を連ねた。挟撃を警戒する隣国・江戸の徳川家康は、しきりに誼を通じようと接近を図る。秀吉没後、義宣が選んだ道は?歴史長篇小説(アマゾン・レビューより引用)。
南原 幹雄(著)『名将 佐竹義宣』

冒頭、いささか唐突に始まるんですよ。
佐竹が秀吉の小田原征伐に参陣するところからスタートです。
ここで三成という強力な後ろ盾を得てお家が栄えていくのですが…。
この展開、終始パッとしないというか盛り上がらないというか…何というかごにょごにょ…。
そういえば、自分南原さん得意じゃなかった(汗)。
全体的に見ると、とにかく義宣ベタ褒めされてるので
…こそばゆいです。

それにしても、もうちょっと逸話盛り込んでもよかったのになー、と思います。
常に黒衣で頬あて装備とか、襖は長刀で開けるとか、ハタハタ大漁(笑)とか。
その代わりとして(?)、
トイレ中に刺客に狙われる三成や
七将による三成襲撃事件で、「近所迷惑」主張する蒲生などはなんとなく笑えます。

話は佐竹が秋田へ移封になったところで終わってるので、
その後の義宣もちょっと読みたかったですね。
三成・上杉・佐竹3家の密約で練りあがった家康挟撃作戦、
小山評定がなかったら実現されてたでしょうか。
上杉・佐竹による連携攻撃、そんなifも面白そうだなぁ。

秀吉亡き後、三成につくか家康につくかで父・義重と対立するんですが、
畢竟、佐竹の家風はこの一言に尽きるんじゃないかと。

「国をほろぼし家をつぶしてまで義にこだわる気持はない」(p.341)

なんかちょっと淋しいですが、これが現実。

posted by まるひげ at 01:37 | Comment(2) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2007-10-19

icon_45_b.gif『反関ヶ原 (1)』読了。


左近がカコ良い作品だと聞いたのでトライしてみました。
はい、カコ良かったです。
う〜ん、でもこの作品が面白いのは2巻以降なんでしょうね。
続き読もうかどうしようか悩み中です。
続巻近所の本屋に無いし…ぬぅ。

石田三成は打倒家康のために、ついに立ち上がった。天下分け目の関ヶ原合戦の始まりである。優位を伝えられた家康になぜ三成は挑んだのか。実は、その裏では三成の家臣島左近の必勝の深謀が巡らされていた。島津が、毛利が、そして小早川が次々と東軍の家康陣に襲い掛かる。なぜだ!歯噛みする家康だが、時すでに遅し。関ヶ原の戦いに東軍が敗れ、家康は敗走する。三成は天下を手中に出来るのか、また家康の運命はいかに(文庫より引用)。
工藤 章興(著)『反関ヶ原 (1)』

キモはifの王道、「小早川が裏切らなかったら…」です。
ということで、小早川が西軍裏切らず、その結果家康が負けてしまうという設定。
西軍が勝った暁には関白に、と約束され有頂天になる金吾。
あちゃー…こら松野さん大変だぁ。

以下、いい加減な感想文です。

posted by まるひげ at 23:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2007-10-14

icon_45_b.gif『群雄戦国志 (三)秀忠、大返し』読了。


三巻は…危険です。
特に三成周りが。読みながら何度か叫びました(黙って読め)。
色んな意味で悶えさせられる展開でした。

あと一歩で家康を討ち取るところで、秀忠の中国大返しで窮地に陥った石田三成。島左近ら主要な将たちが討ち死にし、東軍は岡山城へ敗走。東軍に残された最後の策は、大坂城にいる秀頼の出馬しかなかった…(日販MARCより引用)。
尾山 晴紀(著)『群雄戦国志 (三)秀忠、大返し』

冒頭は前巻の続きで
家康を追い詰めた東軍が勝利を目前にしたところで
背後から西軍に寝返った吉川広家が秀忠軍率いて東軍を急襲するところから始まります。
なので、最初ッから飛ばしてくれます。見所いっぱい。

結局、東軍は敗走。
三成&秀家は岡山城にて建て直しを図ります。
前巻でガラシャ殺された恨みで
石田勢に当たる細川勢の攻撃がねちっこいですよ。

そしてラストはついに秀頼の出馬。
もちろん淀君は反対するのですが、
「豊臣家の臣下である重家を、主である自分の許可無く
むごたらしく殺した、その罪により家康を倒す」と
堂々と家康打倒の宣言をするわけです。
ということで次巻で家康と対決ですかね。
しっかし、大丈夫なのか頑張れ10歳…!

以下、堂々とネタバレな見所(=三成)ポイントです。長いです。

posted by まるひげ at 18:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2007-10-10

icon_45_b.gif『宿敵 (下)』読了。


ラストが良いです。
もともと、この作品のタイトルは「宿敵の死んだ午後」だったそうですが
まさにそのシーンの描写ですね。
兵が引き上げられて静かになった宇土城で清正がひとり佇み、
行長を思うところですよ。


「太閤さまには、狐がついた」太閤は気がふれたのか。大陸侵攻の戦は、すべてが徒労であった。怨みと不満は日本中に満ち、朝鮮は焦土と化して、飢えと寒さが民と兵を襲った。「何としてもこんな戦は止めさせなければならん。清正に先を越されてはならぬ」小西行長は才の限りをつくして、加藤清正を翻弄した。戦は終った、ついに太閤が死んだ。しかし1人の野望家が消えれば、新しい野心家があらわれ、また血みどろの戦いがくり展げられる。小西行長と加藤清正の宿命の対決はまだ終っていない(文庫より引用)。
遠藤 周作(著) 『宿敵 (下)』

秀吉の命をただひたすらに遂行した清正、
表向きには秀吉に臣従しつつ、本心では自らの意思を貫いた行長、
両者は正反対の性質でありながら、
「すべてのものはうつろいゆく、儚く虚しいもの」という境地に到るところが
なんだか切ないですね。
しかもお互いがそう感じていたことを知らないんです。
あぁもう、せつない。
悲恋(違)!!
上巻は行長→清正でしたが、下巻は清正→行長です。

以下、なんとなくネタバレっぽいので畳みます。

posted by まるひげ at 23:58 | Comment(2) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手

2007-10-07

icon_45_b.gif『宿敵 (上)』読了。


白石さんの『海将』にしようか迷いましたが、
大人しめの小西が読みたかったのでこっちにしました。
遠藤さんの本は戦闘シーンがアッサリですね。静かに進みます。

どーでも良いんですが、こにたんのビジュアルが色白で小太りですよ。
これでリュックしょってメガネで汗かきだったらどうしよう。
なんつーか。
こにたんは「ちょっと嫌味な廻船問屋の若旦那」ってイメージなんですけど。
(どこで仕入れたその歪んだ小西像…)


秀吉麾下の加藤清正と小西行長は好対照をなす武将であった。行長は海外貿易で繁栄を極めた堺の貿易商小西隆佐の息子であり「水の人」である。清正は尾張中村の鍛治屋の子、あくまで「土の人」である。堺の会合衆の富と政治手腕をうしろ楯に持つ行長と、徒手空拳、自分しか頼れなかった清正、両者は出発から違っていた。秀吉はみごとな近習操縦術で2人をきそわせる。しかし、武人と商人とは根底において手を握れない。やがてライバルは死闘を演じる宿敵となった(文庫より引用)。
遠藤 周作(著) 『宿敵 (上)』

上巻の内容は
本能寺の変から始まり、朝鮮・京城で行長の和平交渉が
清正によって台無しにされるところまで。
意外にさらさらと読めました。

それにしても。
なんだろ、作中に漂うこのというかというか…。
読む前は、「宿敵同士の愛憎物語?」って予想だったんですよ。
まぁ、愛は冗談としても、ここまでじっとりとした憎しみ物語とは思いませんでした。
いっそ憎憎物語。
鬱々としたマイナス感情を常に抱いてる感じですね。
行長→→→→←←清正なベクトルで。
行長はキリシタンとしての自身の立場に対する焦燥、
清正は行長に対する侮蔑の感情が多いです。
行長はこの巻ではあんまり良いとこないなぁ(苦笑)。
忌憚無く申し上げれば、清正の方がカコ良く目立ってます。

宿敵の2人、戦さ働きの如何はもちろん、
ちょっとしたことでもお互いの動向を気にかけてます。
なかでも、秀吉によるキリスト教禁止の命を受け、
それをキリシタン大名たちに告げに来たのが清正っていう設定とか憎いですね。
居並ぶ大名たちが太閤の権威を恐れて次々と棄教するなか、
高山右近のみが信仰を守る姿勢を取り、知行地を返上するのですが、
この出来事以降、行長の姿勢がじわじわと変わってきます。
一度は信仰を捨てたと言いながら、
密かに南蛮人宣教師を匿ったり右近を頼りに相談してみたり。
面従腹背の道をまっしぐらです。
で、そんな行長の態度を怪しむ清正…という状況です。

下巻は泥沼になった朝鮮出兵の終結から始まります。
今読んでる最中ですが、下巻の方が引き込まれますね。
posted by まるひげ at 01:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手
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