だーっと読み終えた一冊。
自分とは相性が悪い幽B●OKSで不安だったので、図書館から借りました。
![]() | もし、その櫛が落ちていても、拾ってはなりません。手にとって見てもいけません。赤い櫛だと気がついたら、近くに寄ってはなりません。一目散に逃げ出すのに限ります。できることなら吉原から出てしまうのが一番いい。大門を出たらできるだけ遠くに逃げてしまうんです。噂を聞いた怪談好きの若旦那が、妓夫に誘われるままに入った廓の中で、芸者やら太鼓持ちや遣手婆らの怪談を聞いてゆくうち……。第2回『幽』怪談文学賞・長編部門特別賞賞受賞作(アマゾン・レビューより抜粋)。 長島 槇子(著)『遊郭(さと)のはなし』 |
『旅芝居怪談双六』以来、久々に長島作品を読みましたが、
ほんとにこの方は場面づくりが上手いですね。
語り口調が好きな読者にはたまりませんよ。
この方の書かれるお話には、
怖さよりも切なく哀しい愛と逃れられない業に魅力を感じます。
おぉ、「愛と業」だなんて昼メロのキーワードじゃないか(一気に安っぽくなった!)
「長編」とありますが、短編連作集ですねこれは。
女中や妓夫、幇間、遣り手婆、そして芸妓たちによって、
遊郭「百燈楼」にまつわる十の怪談がひとつずつ語られます。
ひとつの話はそれで完結しているんですが、
それぞれの話が他の話のなかでリンクしているので、
読み進めていくうちに、徐々に「百燈楼」の怪談の裏が見えてくるのです。
前の話で触れたことが違う角度から再度出てきたり、
登場人物のその後が別の話で描かれてたり。
舞台となっている遊郭の、豪奢でけだるく、爛れた雰囲気が伝わってきます。
基本的には、怪談を聞きに吉原へやってきた若旦那の視点から話が展開していきます。
話は怖くないのでけっこうタラタラ読んでいくと
…終盤の『木魂太夫』で大変なことになりました。
おぉう…これは大変だ(汗)。
でも遊郭という「異界」が舞台のせいか、
はたまた登場人物の独特の語り口のせいか、
読んでいて、いまいち現実味が無いんです。
夢の中の情景を見ているような印象を受けました。
多分、著者の意図したものなんでしょうね。
姐御肌の木魂太夫の正体が哀しいです。
そう、この哀しさなのよ長島さんの特徴はぁ!!(じたばた)






朝松 健(著)『一休暗夜行』








