2015-01-20

icon_45_b.gif『どこの家にも怖いものはいる』読了。


実は去年読了した本の感想文その2。
んでもって図書館レンタ本。

三津田ホラーはほんとクセになりますね。

作家の元に偶然集まった五つの《幽霊屋敷》話。時代、内容、すべて違う五つに共通点を見つけた時、ソレは貴方の部屋にも現れる……?(アマゾン・レビューより引用)
三津田 信三(著)『どこの家にも怖いものはいる』

冒頭の「お願い」から読者を怖がらせる仕様となってるのが憎いです。
とりあえず、目次は以下のような感じ。

「向こうから来る 母親の日記」(2000年前後)
「異次元屋敷 少年の語り」(1935年頃・昭和10年頃)
幕間(一)
「幽霊物件 学生の体験」(1970年代末〜1980年代初め)
幕間(二)
「光子の家を訪れて 三女の原稿」(1991〜1992年頃)
「或る狂女のこと 老人の記憶」(1900年〜1940年頃・明治末〜昭和初期)
終章


特に2話目の「異次元屋敷」、これがいつもの三津田節炸裂。
わけわかんない化け物に追っかけられまくりです。

場所も年代も怪異も異なる5つの怪談。
しかし、それらに共通点があるような奇妙な感覚を持った新人編集者の三間坂が
主人公の作家・三津田信三に相談を持ちかけるところからスタート。
類似性を感じるのはなぜなのか、その検証を進めていく流れで物語が進みます。
様々な文献にあたり、徐々にその謎の真相に近づいていくのですが…。

怪異絡みで感じる共通点は、わりと早めに気づくんじゃないかと。
まぁ、無意識に読んでると気づきませんが、
注意しながら読むと気づくと思います。
わりと初期の段階で登場人物も言及していることですし。
ただ、気づいたところでその共通点は何を意味するのか、まではわからないのがもどかしい。

すべての始まりは5つめの話で、
それまでの話の怪異の正体が明かされます。
ネタバレしちゃうと、
「どこの家にも怖いものはいる」のはそれらの家が全て同じ場所にあったから。
つまり、怪異の正体はすべて同じモノであったわけです。
その後のまとめの推論がやや弱いような印象を受けますが
個々の怪談がステキ怖さなので良しとします。
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2013-10-11

icon_45_b.gif『赤いヤッケの男 山の霊異記』読了。


図書館レンタ本。
山系の怖い話が読みたくて、前から気になってた本を借りてみました。
雪山は怖いですね…。
霊的な意味よりも単純に生命の危機的な意味で怖い。

数々の顔を持つ日本の山にまつわる怪談奇談を集めた本である。作者自らが体験した話もあるし、山仲間や、あるいは一杯やりながら山小屋のオヤジから聞いた話もある。怪談というと、身の毛もよだつ話を想像しがちだが、不思議なことに山の怪談には、聞き終わって心が温かくなる話も意外と多い。この本にもそんなホロリとさせる話もいくつか載っている。この本を手に取り、そして数々の不思議な話を読んだ後に、みなさんが日本の山を、今よりもっと好きになってくれれば幸いである――(アマゾン・レビューより抜粋)
安曇 順平(著)『赤いヤッケの男 山の霊異記』

全25話収録で、1編が10ページ前後なのでさらさら読めます。
マヨヒガとか妖怪とか、そっち方面期待したんですがちょっと方向性が違いました。
遭難者や事故死した人の霊にまつわる話が多いです。
全部が全部怖い話というわけでもなく、なかにはイイ話もあります。
明らかに創作とわかるものもあるので、実話と実話系、どっちも混じってるかと思います。
全体的にはそれほど怖くないですが、
これから登山する人におすすめするのはおよしになった方がよくってよ。

文章は素朴な語り口ではあるもの、山の情景描写がうまいですね。
普段、登山なんてしない人間が読んでも景色が自然と頭に浮かんできます。
まぁ、北アルプスのM岳の中継基地であるTヒュッテへの登山道〜とか
B沢に下降してK尾根に登り返すルート〜とか具体的に言われると
想像補正するしかないわけですが。

以下、印象に残ったものの一言感想文。
「アタックザック」…だんだん近づいてくる系。確かに、自然のなかにぽつんと誰かのものが置かれていると距離取りたくなりますよね。
「赤いヤッケの男」…連れて(憑いて)来ちゃった系。霊じゃなくて身体までついてくるってのはどういう作用なのよ。
「究極の美食」…いやいや、これ喰って自殺っても普通に七転八倒の苦しみがあるだろうて。
「笑う登山者」…だんだん近づ(ry 想像するだけで怖い。
「追悼山行」…えぇ話や…(涙)。軍隊関係にもこういう話ありそう。
「カラビナ」…霊がなんだかカッコいいぞ。
「荒峰旅館」…たどり着いた先には古ぼけた1件の宿が…。夜中に目ェ覚ましたくないわー。

どうでも良いことですが、
今まで「ヤッケ」って方言かと思ってた。
「アノラック」とも言うよね。最近聞かんけど。
多分どっちも雪国の人以外には通じなさそうな予感…(苦笑)。
posted by まるひげ at 21:17 | Comment(2) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2013-05-08

icon_45_b.gif『のぞきめ』読了。


図書館レンタ本。

正直、今回はあんまり怖くなかったなぁ。
冒頭読むと、ラストがどんな言葉でシメられるのか大体予想がつきます。
「呪い」によって一人また一人と人が死んでいくのですが、一番最後のはちょっとやっつけ仕事w

昭和も残り少なくなった、ある夏。辺鄙な貸別荘地にバイトに来た成留たちは、禁じられた廃村に紛れ込み、恐怖の体験をする…(『覗き屋敷の怪』)。昭和の初期。四十澤は、学友の鞘落から、自分の家には“のぞきめ”という化物が取り憑いていると打ち明けられる。やがて四十澤は、鞘落家を訪ねるのだが…(『終い屋敷の凶)(アマゾン・レビューより抜粋)。
三津田 信三(著)『のぞきめ』

ひとつの村で起きた怪異が時代と場所を越えて発生するという、伝染する呪いの話。
二部構成となっていて、簡単に言うと以下のようなあらすじです。

・第一部「覗き屋敷の怪」
片田舎のリゾート地で貸し別荘にバイトとしてやってきた大学生たちが体験する怪異。
・第二部「終い屋敷の凶」
第一部より数十年前の同地で起こった、村に伝わる呪いによる連続不審死事件。

第一部はひと昔前の大学生たちの恐怖体験というスタイルでさらりと読めます。
第二部こそが三津田さんらしい作風で、昭和初期、伝承に縛られた陰気な村が舞台。
この村を訪れた主人公が、怪異に対して合理的解釈を試みようと頑張っておられます。
ちなみに今作は「視線」の描写に力が入ってますね。
ふと気づくと視線を感じる、という感覚がキーワード。
その視線は友人からのものであったり、
誰のものかわからなかったり、
一人であったり大勢であったり…。
とりわけ「誰もいるはずのない隙間からの視線」というのがホラーですね。
作品のなかにあった怪異の多くは説明されていますが、
それでもちらほらと残る説明不可能な謎という構成はいつも通り。
いやそれにしても、山村の閉鎖感、息詰まるわー。

三津田作品は「〜如き」シリーズばっかり読んできましたが、
作家三部作シリーズにも挑戦してみたくなりました。
posted by まるひげ at 22:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2012-10-11

icon_45_b.gif『ついてくるもの』読了。


いやぁ、相変わらず「後ろから迫ってくる」描写が秀逸ですな。
正体不明のモノが日常をヒタヒタと侵していく感覚がたまりません。

高校二年生の私が、学校の帰り道に一瞬目にした、えも言われぬほど鮮やかな緋色。それは、廃屋の裏庭に置かれた雛飾りだった。どれも片目と片腕、片足が傷付けられていた人形たちの中で、一体だけ無傷だったお雛様を助けなければと思った私は…(「ついてくるもの」)。酸鼻を極める最新ホラー短篇集。表題作ほか6編を収録!(新書より引用)
三津田 信三(著)『ついてくるもの』

…とは言いつつも、作風に慣れたのかあまり怖くなくなってきたのがちょっと残念だったり。

『赫眼』に続く短編集第二弾。
7編収録で、どの短編も実話系怪談の形式をとっています。
怪異の正体が最後までわからないのが不合理で嫌、という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、わからないからこそ怖いという心理と
敢えて解決させてないところでイヤ感増すことを計算ずくですね三津田さん。

個人的には「八幡藪知らず」が好きです。
昔からの言い伝えとか禁忌とかそういうの絡められるとテンション上がるね。
じわじわクる展開が好きなので「夢の家」も構成としては好きなんですが、
都市伝説っぽい雰囲気がイマイチ…。
とりあえず、以下に一行あらすじとひとこと感想文です。

・パーティーで出会った女性が毎夜夢のなかに現れ家に招くという「夢の家」
夢を見るごとに危険度増してるのがなんとも不気味。
女が笑いながらティーポットから御守り取り出すシーンでもうね!
直後に黄泉戸喫の指摘があるのですが、ティーポットの時点ですでにオワタwて感じ。

・捨てても何度も戻ってくる雛人形「ついてくるもの」
一家全滅はつらいって。

・音はするのに姿を見せないルームメイトの正体は…「ルームシェアの怪」
怪異に巻き込まれるのが住人全員ってどういう作用なんだろうか。磁場?

・叔母から一枚の古びた絵をもらってから、自分の「婚約者」を名乗る女が現れる「祝儀絵」
正直言って、謎の「婚約者」よりも叔母さんの方が怖い。

・好奇心旺盛な少年たちが禁忌の森からの不気味な警告を無視して森へ入り込み…「八幡藪知らず」
良いですね、昔からの言い伝え系。
ノスタルジックな少年時代だけで終わらないのがまた不穏です。
怪異の気配が濃厚で、耳元に「いる」感じがリアル。

・引っ越し先で夜中に聞こえる不気味な音と裏の一家との繋がりは…「裏の家の子供」
怖い怖いと思っていながらその本拠地に突撃する勇気は凄い。
まぁ、「呼ばれていた」って考える方が妥当なんだけど。

・刀城言耶シリーズ番外編「椅人の如き座るもの」
こんな家具いらない。
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2012-03-21

icon_45_b.gif『闇より深い闇 ひとり百物語 怪談実話集』読了。


図書館レンタ本。

何も知らずに借りてしもうた。どうやらシリーズ三作目だったみたいです。
こういうの読むと、つくづく霊感無くてよかったわーって思う。
じわじわ近づいてくる系は厭ね。

人間には見てはならないものもあるのです…“視える”人、立原透耶が体験し、蒐集した『ひとり百物語』第3集(アマゾン・レビューより引用)。
立原 透耶(著)『闇より深い闇 ひとり百物語 怪談実話集』

著者が実体験した、あるいは親族や知人が体験した話を百話収めたものです。
一話分が2〜3ページ(時には1ページ)なので、あっという間に読み終えられます。
人外の存在から著者を守ってくれているような飼い猫の姿がほほえましい♪
それにしても、よくもまぁこんなに心霊体験出てくるものだ…。

ちなみに、レビューを読む限りでは
シリーズを追う毎に話が怖くなくなっているようです。
うーん、確かに。
若者たちがカフェとかファミレスで喋ってそうな内容のものがちらほら。
「ふ〜ん…で?」っていう感じ。
どっかで聞いたような都市伝説とかね(「霊感のある/なしを調べる方法」)。

「怖い」と感じる程度には個人差があると思いますが
自分としてはそれほど怖くなかったです。
「じゃあお前が体験してみろよ!」って言われたら話は別だよ!!
posted by まるひげ at 23:52 | Comment(2) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2011-04-22

icon_45_b.gif『赫眼』読了。


久しぶりに「ホラー?」カテゴリに追加できる作品を読みました。
いいねぇいいねぇ、怖い話楽しいなぁ。ゾクッとしちゃう。
いや実際、もう部屋の暖房消してるのでいつもゾクッとしてるんですけどね!

目を奪う美貌と、小学生とは思えぬ色香。転校生の目童たかりは、謎めいた美少女だった。学校を休んだ彼女に届け物をしに、少年が訪れた家の奥―そこには、あまりにも禍々しい何かが横たわっていた…(表題作)。合わせ鏡が作り出す無限に続く映像世界。その魔力に取り憑かれた男を襲う怪異とは(「合わせ鏡の地獄」)。書下ろし掌編を含む、悪夢のような傑作十二編(文庫より引用)。
三津田 信三(著)『赫眼(あかまなこ)』

三津田作品は、何気ない日常のなかにふと非日常が混じりこんでる恐怖が良いのです。
怪異そのものの禍々しさはもちろんですが、
怖いモノの気配の描写がステキ。
あとどれも、昭和っぽい雰囲気なのがまた魅力。
個人的には「灰蛾男の恐怖」「後ろ小路の町家」が好きですな。

1つの話が約30ページほどの短編が8本、
4ページの実話系掌編が4本収録されてます。
詳しく内容を書くと面白くなくなるので一行あらすじを以下に。

・謎の美少女転校生の家にあった正体不明の忌まわしいもの「赫眼」
・不気味な写真を題材に怪談話を創作する作家の正体は…「怪奇写真作家」
・崖の上に立つ一軒の家に忍び込んだ少年たちの身に起こる不幸「見下ろす家」
・奥深い山奥の小屋を訪れた男たちにかかってくる謎の電話「よなかのでんわ」
・子供が被害者となった殺人事件の鍵を握る怪人の正体は…「灰蛾男の恐怖」
・京都のとある小路は、夕方になると別の世界へ繋がるという「後ろ小路の町家」
・合わせ鏡の世界からやってくる化物「合わせ鏡の地獄」
・死の影を背負った男が探偵のもとを訪れる「死を以って貴しと為す」


どの作品も、
憑かれたり
追っかけられたり
迷い込んじゃったり
するお話です。

「灰蛾男の恐怖」はミステリ要素が強く、一番馴染み深い感覚でした。
主人公の話相手のジィさまが、徐々に「ほうっ」しか言わなくなる極終盤がクるね。

「後ろ小路の町家」は、本編が少女の恐怖の体験談となってますが、
その後に書かれた彼女の所在の不確定さにより、
いっそうの不安感を引き立たせております。

「怪奇写真作家」「見下ろす家」はちょっと怪異登場までが長いような気がしました。

ちなみに、最初と最後の短編はちょっとリンクしてます。
さらにその他の短編も、三津田さんの長編シリーズとの関連が言及されているので
よく読まれる方には「あぁ、あの作品のことね…」とピンとくるんでしょう。
一方、三津田作品をこれから読もうという方にも良い短編集ですね。
都市伝説系、伝染系、語り部系、各種揃っておりますので
お好みの作品に出会えるのではないかと。
posted by まるひげ at 22:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2008-12-08

icon_45_b.gif『地獄番 鬼蜘蛛日誌』読了。


結構、グロいね!
なんたって、舞台は地獄ですもん。
血の池地獄、針山、賽の河原、釜茹でという感じでなんでもあり。
まぁ自分はグロいのには無神経なほうなのですが、
そんな自分でも、
小春日和に朝ご飯食べながら読む類の本ではないことはわかります。

地獄に堕ちた女郎の願いは、蜘蛛になること。代わりに閻魔が命じたのは、鬼の御用聞きと地獄の見回り、そして日誌を書くこと―。鬼蜘蛛と変化した女郎が見つめる、怨むこと怨まれること、許すこと許されることの意味。第三回小説現代長編新人賞作品(アマゾン・レビューより引用)。
斎樹 真琴(著)『地獄番 鬼蜘蛛日誌』

ストーリーとしては、
地獄に堕ちた女郎が閻魔大王に蜘蛛に姿を変えられ、
「地獄番」として、鬼の使い走りとなり、地獄を観察し、日誌を書くという役割を与えられます。
ラストを除いては、全編が女郎の語り口調でお話が進んでいきます。
そして、よく愚痴が出てきます。
その呟きを読むのもまた面白いわけですよ。
ツッコミ上手な方です。

それにしても、苦界の女は強い人が多いもんですが、
この主人公は、そのなかでも特別です。
口悪いし暴力的だし。
気に入らなかったら、初対面の閻魔様だって跳び蹴りしちゃう(笑)。
作中、ちらほらとちょっと現代的な表現がありますが、まぁそこは目を瞑りましょう。

基本的には、地獄で起こった出来事が、まるっとひとつの章で語られ、
その出来事を通して、主人公の女郎のエピソードがちょこちょこ挿入されてます。
地獄においても消えることのない人間の欲と業、
生前に犯した罪を償い続ける者たちを見つめ、関わりながら
無限とも思われる時間を地獄で過ごすうちに、
彼女の心にも変化が訪れるわけですが―。

いやぁ、終盤はあの『蜘蛛の糸』を思い出してしまいますね。
特に、ラスト2ページが効いてます。
怨むこと怨まれること、
許すこと許されること、
それらの意味が、静かに心の中に染みこんできます。じんわり。
posted by まるひげ at 18:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2008-08-05

icon_45_b.gif『遊郭(さと)のはなし』読了。


だーっと読み終えた一冊。
自分とは相性が悪い幽B●OKSで不安だったので、図書館から借りました。

もし、その櫛が落ちていても、拾ってはなりません。手にとって見てもいけません。赤い櫛だと気がついたら、近くに寄ってはなりません。一目散に逃げ出すのに限ります。できることなら吉原から出てしまうのが一番いい。大門を出たらできるだけ遠くに逃げてしまうんです。噂を聞いた怪談好きの若旦那が、妓夫に誘われるままに入った廓の中で、芸者やら太鼓持ちや遣手婆らの怪談を聞いてゆくうち……。第2回『幽』怪談文学賞・長編部門特別賞賞受賞作(アマゾン・レビューより抜粋)。
長島 槇子(著)『遊郭(さと)のはなし』


『旅芝居怪談双六』以来、久々に長島作品を読みましたが、
ほんとにこの方は場面づくりが上手いですね。
語り口調が好きな読者にはたまりませんよ。
この方の書かれるお話には、
怖さよりも切なく哀しい愛と逃れられない業に魅力を感じます。
おぉ、「愛と業」だなんて昼メロのキーワードじゃないか(一気に安っぽくなった!)

「長編」とありますが、短編連作集ですねこれは。
女中や妓夫、幇間、遣り手婆、そして芸妓たちによって、
遊郭「百燈楼」にまつわる十の怪談がひとつずつ語られます。
ひとつの話はそれで完結しているんですが、
それぞれの話が他の話のなかでリンクしているので、
読み進めていくうちに、徐々に「百燈楼」の怪談の裏が見えてくるのです。
前の話で触れたことが違う角度から再度出てきたり、
登場人物のその後が別の話で描かれてたり。
舞台となっている遊郭の、豪奢でけだるく、爛れた雰囲気が伝わってきます。

基本的には、怪談を聞きに吉原へやってきた若旦那の視点から話が展開していきます。
話は怖くないのでけっこうタラタラ読んでいくと
…終盤の『木魂太夫』で大変なことになりました。

おぉう…これは大変だ(汗)。

でも遊郭という「異界」が舞台のせいか、
はたまた登場人物の独特の語り口のせいか、
読んでいて、いまいち現実味が無いんです。
夢の中の情景を見ているような印象を受けました。
多分、著者の意図したものなんでしょうね。

姐御肌の木魂太夫の正体が哀しいです。
そう、この哀しさなのよ長島さんの特徴はぁ!!(じたばた)
posted by まるひげ at 22:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2008-03-13

icon_45_b.gif『深泥丘奇談』読了。


実はこれ、買ったその日に読み終えてたんですが、
今のいままで感想文書く気にならず放置してました。
怖い話が読みたかったのに、怖いのひとつもありゃしねぇ。

「この世にはね、不思議なことがあるものなのです。」
奇才綾辻行人の新境地!作者が住まう”奇妙な京都”を舞台に―せめぎあう日常と超常、くりかえす怪異と忘却…読む者にも奇妙な眩暈感をもたらさずにはおかない、たぐい稀なる怪談絵巻(単行本帯より引用)。

綾辻 行人(著)『深泥丘奇談』

綾辻作品は『どんどん橋、落ちた』(文庫版)以来。
氏の短編集とはちょっと相性が悪いというか、
むしろ『十角館〜』以外はストーリー覚えていないというかむにゃむにゃ…(濁)。
読んでる最中に確実に背後に「いる」感を味わいたかったんです。
けど。
いざ読んでみましたら、ホラー(怪談)<幻想な塩梅でした。
正確には「幻想」というより「幻惑」。
精神不安定な作家が主人公の幻惑小説って言った方が良いかな。
さらに幻惑をバッドトリップと言い換えても可。

怖ろしいモノそのものをあえて描写せずに表現するところが
なんとも落ち着かない不安感を煽ります。
なにより主人公が地に足ついてないのでそこが一番気持ち悪い。
読んでいくと随所に綾辻さんの遊び心が見え隠れして面白いことは面白いのですがねぇ。
でもやっぱりダメだ…。

具体的にどこがダメかといいますと、
胃カメラ飲んだら胃壁に人面瘡が!とか
虫歯の治療に寄生虫インプラントを!とか。
生理的嫌悪感を催す話は好んで読みたくないのですよ。

でもまぁ自分の独断だけでダメダメイヤイヤ言っても仕方無い。
9編あるうち、一番読み応えがあったのは「悪霊憑き」でした。
ミステリ的要素もあるのでやっぱりそこがポイントでしょう。

そしてこの作品をレビューしてらっしゃるサイトさんの例に漏れず、
自分も装丁について一言。

凝ってるなぁ!!

カバー外してみてビックリです。
この本の製作現場が、2月放送の「情熱大陸」で特集されていたそうですね。
見ればよかった…。
posted by まるひげ at 00:45 | Comment(2) | TrackBack(1) | ホラー? | edit | web拍手

2007-11-21

icon_45_b.gif『秋の牢獄』読了。


なんだか久しぶりに戦国以外の活字を読みましたよ。
しかも珍しいことに新刊ですよ!!


十一月七日、水曜日。女子大生の藍(あい)は、秋のその一日を、何度も繰り返している。毎日同じ講義、毎日同じ会話をする友人。朝になれば全てがリセットされ、再び十一月七日が始まる。彼女は何のために十一月七日を繰り返しているのか。この繰り返しの日々に終わりは訪れるのだろうか――。 まるで童話のようなモチーフと、透明感あふれる精緻な文体。心地良さに導かれて読み進んでいくと、思いもかけない物語の激流に巻き込まれ、気付いた時には一人取り残されている――(単行本帯より引用)。
恒川 光太郎(著)『秋の牢獄』

『夜市』の感動よもう一度!」とか思いながら読んでみましたが。
…あれっ?
確かに、構成という点から見たら第1作より格段に整ってますが、
あの透明感が無くなったような…。
朱川湊人さんの『都市伝説セピア』とか森尾登美彦さんの『きつねのはなし』の読後感に近かったです。
そういえば『夜市』、映画化だそうですね。

えぇと、本題。
3編収録の短編集です。
すべてに共通するのは「牢獄」というキーワードです。

・「秋の牢獄」
11月7日を何度も繰り返す女子大学生・藍。
どんなことをしても(たとえ死んだとしても)翌朝には11月7日にまた戻ってしまう、
そんな世界に閉じこめられてしまいます。
藍よりも前からこの日を繰り返している人たち「リプレイヤー」との交流が始まり、
気の合う仲間たちと11月7日を満喫するようになります。
ところが、そうして知り合った仲間が、
一人またひとりと「北風伯爵」によって消されていき―。

「同じ日を繰り返す」というタイムループの小説は結構ありますが、
ここで面白いのは繰り返しているのが主人公1人だけではなく、
何十人といるということでしょうか。

「北風伯爵」は時間に閉じこめられた者を救ってくれる存在なのか否か、
それが最後までわからないところが逆に魅力なのかもしれません。
3作のなかで一番読みやすい話だと思います。


・「神家没落」
ある春の夜、主人公の青年が迷い込んでしまったのは古めかしい茅葺きの家、
そしてそこにいた仮面をつけた老人に、強制的に家守をまかされてしまいます。
なんでもその家は、日本全国を一定の時間で巡回する異空間の神の家だそうで。
家から出るには、新たな家守が必要で。
主人公はこの不思議な家から出るために自分の身代わりを捜しますが―。

そしてついに彼は身代わりを見つけ、出るんですが…。
その後が意外な展開でしたね。
それまでのちょっと幻想的で郷愁を誘う雰囲気のなかに、
一気にどす黒いもやが流れてきたような印象を受けました。


・「幻は夜に成長する」
特殊能力をもつ老婆とともに一時期生活していた少女・リオが
自らも老婆と同じその特異な能力(幻視能力?)を目覚めさせていくうちに
老婆がかつて関わっていた宗教団体に捕らわれてしまい―。

この作品がちょっと異質です。
主人公が「囚われている」という状況から積極的に逃げようとしていないが
他の2作とは異なる点です。

「自分のなかで怪物を育てている」というリオの独白、
そしてラストの暗転がもう救いようがないです。

それにしても、
リオの親友だった、くまのぬいぐるみのクーピーが段々やさぐれていくのが寂しかったです。
「あぁ、くまが汚れていく…」とちょっとブルーになりましたね。
posted by まるひげ at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2007-05-21

icon_45_b.gif『下町の迷宮 昭和の幻』読了。


最近どうもサボり癖がついてしまいました。
それほど忙しくもないのに時間の使い方下手だし。
大河も2週間分溜まってます。
…気を引き締めてかからねば。

とか何とか言ってますが、本はちまちま読めています。
最近ホラーっぽいもの読んでないのでふと読みたくなりました。
短編集でいろんな怖いモノに触れたかったのでこんなん読んでみました。

遠いあの頃が呼ぶ、そこにはほら…。田端の銭湯、神田の棋士、浅草の漫談師、谷中の紙芝居、錦糸町のチンドン屋など、東京・下町を舞台に郷愁と恐怖が横溢する昭和レトロホラー(単行本帯より引用)。
倉阪 鬼一郎(著) 『下町の迷宮 昭和の幻』

ホラーはホラーでも、幻想ホラーっぽいような。
以前倉阪さんの本は読んだことがあるのですが、イマイチ合わなかったんですよ。
で。
今回もやっぱり合わなかった…です。
なんだろう、読んでも「ふ〜ん」で終わってしまうんですよねぇ。
自分の読みが浅かったのか、倉阪さんの雰囲気が合わないのか…残念です。

まぁでも一応感想文をば。
10編収録の短編集でございました。

・「昭和湯の幻」…廃れた銭湯で番台が体験したのは夢か現か…。
・「飛鳥山心中」…子供を養うために風俗で働く女が出会ったある客の正体は…。
・「無窮の花」…韓国人留学生が天井の角に見たものとどこからか聞こえる声の正体とは…。
・「絵蝋燭」…落ちぶれた棋士が見た蛍のような光と、くりかえし見る夢との関係は…。
・「廃屋」…鬱病にかかり、死んだように生きる男は、昔知人が話していた幽霊屋敷へと何気なく足を向けるが…。
・「奥座敷」…昔、死んだ相方と飲みに行った店を訪れた漫才師が見たものは…。
・「まどおり」…ある地下鉄の出口に店を構えても繁盛しないわけとは…。
・「紙人形の春」…かつて紙芝居で生計を立てていた男が誘われた土地は…。
・「クラリネット遁走曲」…楽団からちんどん屋へと転向した男がかかえる未練と死への願望。
・「跨線橋から」 …東京を離れる老夫婦の回顧。



冴えない中年男が何気ない日常からフラリと異界に迷い込み、
ほとんどは帰って来れないという話がほとんどです。
特徴的なのは、危ない状況だと知っていて身を委ねる登場人物たちですね。
生きることに疲れ、諦めている人たちが、
この世とは本質的に異なっているにもかかわらず
どこか懐かしく、妖しくも甘美なアチラ側の世界へ魅了される描写がホラァです。

ま、なかにはちょっと心温まるストーリーもないことはないのですが
イメージ的にはうっそりくらーい昭和の裏通りって感じです。

10編のなかだと、「廃屋」が良かったなぁ。
次々に頭のなかに浮かぶ俳句と、それに引き寄せられるように
男が向かった先の廃屋の光景が目に浮かびます。
「奥座敷」はなんとなく雰囲気が『サーカス市場』みたいでしたよ。
posted by まるひげ at 01:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2006-12-11

icon_45_b.gif『きつねのはなし』読了。



細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。さらに次々起こる怪異の結末は―。端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。(アマゾン・レビューより抜粋)
森見 登美彦 (著)『きつねのはなし』

10月の新刊、やっぱり気になったんで読んでみた。
4つの話が収められてる短編集でした。
どの話にも共通してるのが、「きつね、芳蓮堂、龍、水」というキーワード。
これらの単語にまつわる謎が謎のまま、
別の話にゆるりと繋がってるんですよ。
そんなところも微妙に気になって読み込んでしまいます。

が。

自分、正直に言いますと期待してたほど楽しめなかったような…(-ω-)
でもこれは好みの問題でしょう。

読んでいて、物語の情景がすごく目に浮かびやすいです。
例えば
鬱蒼とした竹林のある屋敷に住む陰気な男、
旅行鞄ひとつでトルコを旅する男、
雷雨のなか、木刀を手に佇む少女…。

幻想的でどこか郷愁を誘われる印象を受けますが、
それと同時に何か得体の知れないモノが息を潜めて
こちらをじっと窺っている気配というものも確実に感じられます。

表紙のきつねの面も、本編読む前は可愛くさえ思えたのに、
読了後はちと不気味な気がしてきますよ。

posted by まるひげ at 00:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2006-10-13

icon_45_b.gif『バイオハザード1 アンブレラの陰謀』読了。


最近、バイオ4遊びながら気づいたこと。
バイオの設定、ほとんど忘れてるという事実にちょっと焦ってみた。
正直な話、アンブレラとウェスカーが悪役なのしか覚えてなかったり。
ミラジョヴォ主演の映画版はゲームとシナリオ違うしなぁ。
かといって今更PSの1とか2とか再プレイというのもメンドくさい。
手っ取り早く活字で再確認!
ということで読んでみました。

獣による襲撃と喰人鬼による咬殺―ラクーンシティで続く猟奇殺人。調査に赴いたブラボーチームが突然消息を絶った。アルファチームは救出に向かうが、殺人犬に襲われ、ジルとクリスは森の奥に佇む屋敷に逃げ込む。しかしそこは秘密実験の失敗により、研究員がゾンビとなり徘徊する死者たちの巣窟だった!大ヒットゲーム『バイオハザード』の完全ノベライズ版、ついに登場!(新書より引用)
S.D.ペリー(著)/風間 賢二(訳)『バイオハザード1 アンブレラの陰謀』

おぉ、イラストがウルフィーナさんですのかv
硬質でクールなイラストでございます。

結局、1時間ちょいで読了。
読中は「そうそう、このシーンあったよね!」の連続でした。
アタマのどっかに沈んでいた記憶がじわりじわりと浮き上がってきましたよ。

そのま○ま東に似たゾンビとか
すげぇ勢いで走ってくるハンターのムービーとか
ぼたぼた落ちてくる毒蛇とかかゆうま日記とか。
ジルプレイ時、バリーのおっさんに会う度、どれほどホッとしたことでしょう。

自分、結構ウェスカー好きなんで、
どんな風に書かれてるか気になってたんですが…。

なんだこの小者。
金の亡者ァー!

こんなの隊長じゃないやい!!
隊長はもっと冷酷で尊大で余裕ブッこいてなきゃダメだよ!!
他力本願は良いとしても、
「俺の掌のうえでさぁ踊れ」ぐらいの気概がなきゃ。
自分の思うように物事が進まない状況にオロオロしてる
小心者の隊長は見たくなかったよ。
ま、ゲームにはなかった、出動前のブリーフィング場面は
結構良かったんだけどなぁ。

最後にひとつ。
この作品、翻訳モノということで、なんだか読みにくいぞ?
と思ったら、訳者が風間さん…。
あぁ、自分がスティーヴン・キングの『ダーク・タワーT ガンスリンガー』挫折したあの訳者さんですよ。
駄目だ、やっぱり読んでて違和感が。
自分だけでしょうかねぇ。
このシリーズ、今現在6巻まで刊行されてるようですが。
ゲームに忠実な巻が多いようですが。
アマ○ンのレビューでも評判良いようですが。


バイオの情報サイト行った方が早いかもね!!
posted by まるひげ at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2006-10-01

icon_45_b.gif『一休暗夜行』読了。


最近どうも日記サボり気味になってきました。
ゲームで一杯いっぱいだから、というよりも単にめんどくさかったり。
もともとがドゥーしようもないくらいものぐさなもんで
一旦サボり癖がついちまうと気をつけなければなりませんよ。

と、自分を戒めたところで読書感想文。

一休暗夜行朝松 健(著)『一休暗夜行』


以前から読みたい読みたいと申しておりました、
まゆだま一休、じゃなくてまゆつば一休…じゃなくて
えぇと…
「ぬばたま一休」シリーズ、第1作目をやっと読めました。
絶版だったので図書館にお願いして約2ヵ月。
藤原ヨウコウさんのイラスト、雰囲気ピッタリ。
短編集かと思ったら長編でした。

今回、ラスボスが一休さんと同時代のひとなのは良いんですが、
その片棒担がされたのが200年以上昔の、源平時代のあのひとだったとはねぇ。
無茶してるなぁ。
うん、これぞ伝奇小説。

「ほしみる」を焼きつくさないとこの世が終わる―
という不吉な言葉を遺し死去した三代将軍・義満。
その「ほしみる」なるものがどんなモノなのかもわからない状態。
とりあえずはその「ほしみる」を探し出せ、という四代将軍・義持の命のもと、一休さん奔走してます。

「ほしみる」の在処を探す途中、
関所を越えるときに知り合った曲舞女・吉野、
二枚目へっぽこ侍・蜷川とともに目的地の伊豆へ向かいます。
この同行者、どちらかが義持直属の隠密ではないか、ちゅー疑いがあるのですよ。
えぇ、どっちもすごく怪しいんですよね。
義持さまてば、一休さん信用してないからなぁ。
同行人2人とも、人柄良くて好感持てる分、疑いたくはないんですよねぇ。
ま、結局どちらが隠密だったかというのは比較的早めにわかるので良いんですけど。
「ほしみる」を狙う敵側の妨害もありながらも、
やっとのことでその正体を知るのですが…。
「ほしみる」の真相は一言でいえば

そうきたか!!

という感想です。
う〜ん、やられた。
どんだけ物騒なシロモノかと思いきやあんなモンだったとはなぁ。

それにしても。
ほんとに
三代様、
貴方というひとは…(脱力)

冒頭いきなり死んでますが、一番タチ悪いのは確実にこの御方。


『東山殿御庭』も結構な伝奇っぷりでしたがこちらもなかなかなモノです。
全体的に見ましたら
『東山〜』はエロ<グロ、
『〜暗夜行』はエロ>グロな匙加減でございましたよ。
だって立川流(笑)
posted by まるひげ at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2006-08-16

icon_45_b.gif『東山殿御庭』読了。



闇に寄り添う思念。 「ぬばたま一休」連作集。
普請現場に妖かしが出る―呼び出された一休と森は絵図面の謎を解いたのだが、ある日、一休が住む草庵を訪れた管領が見たのは…。(アマゾン・レビューより抜粋)

朝松  健(著)『東山殿御庭』

ここいらでラノベ以外のものをおひとつ。
こうまでラノベ祭りが続くと我ながらちょっと食傷気味。

先日、日記にあげたラノベ『暗黒は我を蔽う』とおんなじ著者様です。
文体の雰囲気が違うんですが、自分としてはこちらの方が読みやすかったなぁ。
タイトルと装丁に惹かれ、読んでみることにしました。
表紙、金なのに渋いんですよ。

なになに、室町時代とな?
…日本史弱い人間に室町時代は酷ですよ。
室町なんて「勘合貿易義満義政金閣銀閣書院造り」しか(羅列すな)知らねぇよ。
中学生の定期テストレベルの知識を携え、いざ挑戦。

一休さん危機一髪!な状況の連作集で以下の5編が収録されてます。

・尊氏膏…
「尊氏膏」なる秘薬を求め、一休が赴いたのは関東・西武蔵。その地は奇妙な空気に包まれていた。
・邪笑う闇…
旅の途中、一休は森の神“じゃが様”に人身御供にされる娘と出会う。“じゃが様”とは何者なのか、話を聞こうとした矢先、人とも獣ともつかないものが2人に襲いかかり―。
・ズイ…
若狭を訪れた一休。そこで彼は助けを求めて港を歩き回る明人の姿を見かける。聞けば、彼の妻にかけられた呪いを解いてくれる人を捜し求めているとか。気になった一休はその妻の様子を見に行くことに。
・應仁黄泉圖…
盲目の森とともに渦中の都から逃げる一休。そこに、助けの手を差し伸べた若い男。彼は逃げ道を記した地図を持っているというが、その地図が示す先とは―。
・東山殿御庭…
8代将軍義政により造営中の東山殿。そこでは夜な夜な怪奇な出来事が続き、作業が滞っていた。困った管領は一休に変事を解決してもらおうとする。

posted by まるひげ at 03:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2006-05-26

icon_45_b.gif『都市伝説セピア』読了。



都市伝説に憑かれ、自らその主人公になろうとする男の狂気を描く、オール読物推理小説新人賞受賞作「フクロウ男」ほか、病む心の妖しさ哀しさを描くホラー短篇全5篇を収録。 (アマゾン・レビューより引用)

朱川湊人(著)『都市伝説セピア』

「未読作家さんを攻めよう」祭り本。
あ、そろそろこの祭りもウザくなってきましたね。
ここいらでシめときますか。
「祭り」とか言いながら4〜5冊くらいしか読んでないし。
相変わらずダメダメです。

はい、本題。
第133回直木賞受賞作家さんのデビュー作。
全5編が収録された短編集です。
読むきっかけは以前の『サーカス市場』同様、
『夜市』
とストーリーが似てるから、という動機からでした。
…どうも最近、不思議切な系の話を読みたがる傾向にあるようです。
やっぱりこれらのなかでは『夜市』が特に美味でございました。

以下、大雑把にそれぞれのあらすじ紹介

・「アイスマン」・・・ある夏の夜、不思議な少女に誘われて入ったいかがわしい見世物小屋。そこで少年が見たのは「河童の氷漬け」。次の日、それを再び見たくなった彼はもう一度見世物小屋へと訪れるが…。

・「昨日公園」・・・死ぬ運命にある親友を救うため、小学生の遠藤は過去に遡って親友の運命を変えようとするが、何度やり直そうとしても失敗してしまい、ついには…。

・「フクロウ男」・・・ネットの掲示板に都市伝説をでっち上げた男。噂が徐々にエスカレートしていくなか、噂をより確かなモノにするため、自らを伝説の姿に変え街に徘徊するようになる―。

・「死者恋」・・・一風変わった画家として活躍する鼎。彼女が少女時代、夢中になったのは夭折した画学生・朔田公彦。やがて彼を巡ってある女性との奇妙な付き合いが始まる。

・「月の石」・・・通勤途中の電車の窓から見えるマンションのベランダからは以前自分がリストラした木村がじっと自分を見ていた。ところがある日、ベランダからこちらを見ていたのは死んだはずの母の姿だった。


読了後、感想を簡潔に述べるなら

みんな、病んでるなぁ…

この一言に尽きます。
「歪んでる」というよりは、「病んでる」といった方がしっくりきます。

それぞれが持つ狂気が不気味でございました。
ってーか最初、ホラーだとわかんなくて読み始めてから気づきましたよ。
どれも怖くはないのですが。
個人的には、乙一さんぽい口当たりだなぁという印象を受けました。

まるひげ的に一番好みだったのは「昨日公園」。
ラストが良いのです。
やるせないんですがほのぼのホラー。
過去に遡って出来事を変える、というのが
ちょうど『ノルンの永い夢』とダブる設定でした。
まぁ、「昨日公園」の方は過去を変えられないンですけどね…。

ということで、引き続き不思議切な系の作品を探してみたいと思います。
なにかオススメありましたら、是非ご一報をw
posted by まるひげ at 03:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2006-05-18

icon_45_b.gif『サーカス市場』読了。



―迷い込んだら抜けられないブラックホール―
焼き肉屋の特別メニュー用に臓器売買が行われている。
1杯で3日間酔いが続く特別な酒を飲ませるバーがある。
天秤であなたの"裏切り"の重さを量ってくれる質屋がある。
いつ始まるのか誰も知らない"死者のためのサーカス"をやっている。
江戸川乱歩賞受賞の気鋭が描く、ちょっぴり怖くてミステリアスな街の物語。(単行本より抜粋)


三浦明博(著)『サーカス市場』

いつから始まってたのかもう忘れましたが、
ここいらで思い出したように「未読作家さんを攻めよう祭り」本をひとつ。

あらすじだけ読むと『夜市』系なのかな?
という気が致しますが
読んでみたらそれほど不思議な感じでもなく。
いかがわしい場末の居酒屋街「サーカス市場」で起こった
様々な出来事がオムニバスで語られてます。

短編が全6編収録されております。
以下、簡単なあらすじを。

・「毛鉤女」…地下鉄で見かけた美女のあとをつけた高杉&浮田。彼女の片耳には毛鉤がピアスとしてつけられていたことが気になる高杉だが、辿り着いたサーカス市場で浮田が何故か拉致られてしまう。

・「面妖屋」…大学進学を機に街を離れることになった晶太郎は何気なくサーカス市場を訪れるが、そこで数年前命を落とした父親の意外な一面を知ることに。

・「裏サーカス」…暴漢に追いかけられたOL・雪乃が逃げ込んだ先はサーカス市場。そこでは奇妙な祭りが行われていた。そこで雪乃は自分が人違いで襲われたと知らされる。

・「黒白天秤」…失踪した妻の手がかりを探しに、サーカス市場を訪れた男を待っていたものとは―。

・「袋小路軒」…サーカス市場の居酒屋にスパイとして潜り込んだ男女と、彼らが遭遇した市場の派閥争いの行方は―。

・「膝折男」…高杉&浮田ペア、再び。高杉のかつての恋人がひき逃げ事故に遭った。彼女が通っていた自己啓発セミナーには怪しい噂があったという。調べていくうち、セミナーとサーカス市場との関係が明らかになってくる。



程良い長さで非常に読みやすかったです。
ほとんどの話はサーカス市場に足を踏み入れた一般人が
エライ目に遭う姿が描かれているのですが、
「裏サーカス」と「黒白天秤」だけはちょいと毛色が違います。
なんか境界線越えてあちらの世界が顔を覗かせている感じで。
「裏サーカス」では生者と死者の交流があるし
「黒白天秤」では人間の嘘や裏切りを質草として扱う質屋があったり。
この2つだけが異質なんですよ。
これらがなければ普通のミステリーというか人間ドラマというか
時にハードボイルドというか…
まぁそんな感じの作風で統一されるのになぁ。

でもこの雰囲気は好きですよ。
繁華街の一角に置き去られたようにぽっかりと在る居酒屋街と
不思議なものをそれほど不思議と思わない市場の「内」の住人たち。
こちらの世界とあちらの世界の境界線上にある「サーカス市場」という空間が魅力的です。

登場人物がなかなか良いです。
すべての話に登場する「ノーネーム」のヒゲオヤジ店主・石神と
ミステリアスな美女双子のかたわれ・深春がお気に入りでした。


posted by まるひげ at 01:24 | Comment(2) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2006-04-24

icon_45_b.gif『夜市』読了。



妖怪たちがさまざまな品物を売る、この世ならぬ不思議な市場、「夜市」。そこでは望むものが何でも手に入る。しかし、何かを買わずして夜市を出ることはできない。小学生の頃夜市に迷い込んだ裕司は、自分の幼い弟と引き換えに「野球の才能」を買ったが、それ以来ずっと罪悪感に苛まれていた。そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れるのだが―。
恒川 光太郎(著)『夜市』

先日購入した単行本を読了。
第12回ホラー小説大賞受賞作。
表題作「夜市」と書き下ろし「風の古道」が収録されています。
どちらもある刻、どこかでこの世と繋がるもうひとつの世界を描いた作品です。
バリバリのホラー小説というよりは、
ちょっぴり和風ホラー調の幻想小説とでも言いましょうか。
どこか懐かしく、ほの哀しい雰囲気に満ちておりました。

以下、微妙にexclamationネタバレ注意exclamationです。

posted by まるひげ at 02:21 | Comment(2) | TrackBack(1) | ホラー? | edit | web拍手

2006-03-23

icon_45_b.gif『旅芝居怪談双六』読了。



“さて、この腕の由来だが、これは女の義手じゃねぇ。水白粉を塗り込んだから、こんなに白くなっちまってるが、男の、いえ、女形が舞台で使っていた腕なんだよ”―マウンテンバイクで一人旅をする青年が、ふとしたことから知り合った老骨の旅役者。その昔語りは、七十年の時空を超え、怪しく恐ろしく、やがて哀しい愛と業のドラマだった!
(アマゾン・レビューより引用)

長島槇子(著) 『旅芝居怪談双六』

あー、最近本読むペース激落ちです。
タダでさえ遅読だっつーのに。
忙しくなったから、というのがもっともな理由なのですが、
ゲームに時間とられてるから、というのも
軽視できない問題であります。
休み…欲しいなぁ…。

ハイ、本題。
今は休止状態らしいですが、
第3回のムー伝奇ノベル大賞優秀賞をもらった作品。
この賞が出来た時、

「ムーかよ!?うっわ、ぜってェキワモンだ・・・」

と思っておりまして、
イマイチ読む勇気が出なかったものです。

ところが、読んでみたらこれがなかなかどうして。
…でも他の賞から出てた方が確実に売れたって(←嫌な見方)。

posted by まるひげ at 01:08 | Comment(2) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2006-02-04

icon_45_b.gif『曾根崎比丘尼 新・雨月物語』読了。



九代将軍・家重の治世。大坂の街中で奇妙な死体が発見された。はたして猟奇殺人事件か、それとも物の怪の仕業か!? 仙次郎こと、「雨月物語」の作者、若き日の上田秋成が真相を追う! (アマゾン・レビューより引用)
富樫倫太郎(著)『曾根崎比丘尼 新・雨月物語』

ギリギリ生活終わったはずなのに、時間がないとはどういう了見でしょう。
いや、時間の使い方が下手なんだってことは重々承知の上ですが。

…先程、「酔いを覚まそうと〜」とかブログに書いておきながら
結局寝コケてしまって気がついたら2時過ぎてました。
ゲームもできず仕舞いです。
ここまできたら、そのまま寝れば良いんですよね。
寝るのもったいない!とか体に悪いこと言わないでサァ…。
私の睡眠の質は劣悪です。


はい、告悔したところで本題です。

富樫さんの本は初めて読みます。
以前から、表紙の左上にいらっしゃる貞子ばりの妖怪図に惹かれ、
気になってはいたのです。

ストーリー紹介文にある通り、
『雨月物語』の作者・上田秋成の若き日の話です。
表題作だけかと思ったら、3作収録されてました。

バリッと伝奇モノですね。
主人公は、世の中を斜めに見るひねくれた性格の仙次郎。
根は良い奴です。
なんだかんだ言って人助けばっかりしてます。
彼と俳諧仲間の茶狸(さり)、そして同じく俳諧仲間であり、
十手持ちでもある梅吉の三人組が主要キャラです。

人の手によるものとは思われない怪奇な事件、
まことしやかに流れる怪談話…と言えば、
京極さんの『巷説〜』シリーズみたいな話かと思って読み始めましたらば…

posted by まるひげ at 04:17 | Comment(0) | TrackBack(1) | ホラー? | edit | web拍手

2005-12-19

icon_45_b.gif『怪談集 花月夜綺譚』読了。




『怪談集 花月夜綺譚』

怪談10本を収録したアンソロ本。
装丁がおサレです。
どの話も大体20ページ弱なので遅読の私でもスラスラ読めました。

作家陣が、豪華ぴかぴか(新しい)
ですが、中身は…うーん(悩)。
どの作品も、一昔前…江戸〜昭和初期あたりが舞台になっています。
怖い話はないンですけど、
生理的に受け付けない人もいそうな読了感。
人の念って怖いわ

収録作品は以下の通り。
・「溺死者の薔薇園」(岩井志麻子)
・「一千一秒殺人事件」(恩田陸)
・「一節切」(花衣沙久羅)
・「左右衛門の夜」(加門七海)
・「紅差し太夫」(島村洋子)
・「婆娑羅」(霜島ケイ)
・「ついてくる」(藤水名子)
・「水神」(藤木稟)
・「長屋の幽霊」(森奈津子)
・「長虫」(山崎洋子)

以下、超いい加減な感想文。
posted by まるひげ at 21:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手

2005-10-03

icon_45_b.gif『呪の血脈』読了。



大学の研究生として民俗学を学ぶ宮地紀之は諏訪信仰の謎を追い、北アルプス山中で奇妙な神木を発見する。打ち付けられていた鎌を持ち帰った紀之は村人に発見され、奇妙な祭りの儀式に参加させられることになったが…。(アマゾン レビューより引用)
加門七海(著)『呪の血脈』

休日、ブログカスタマイズでもしよかと思いましたが、
途中で面倒臭くなって
結局この寒々しいテンプレートのまま、ネット落ち。
色気のねぇブロガーだなぁおい。
さぁ何すっか暇だなぁ本でも読もう、という流れになりまして。
目についたこの本手に取り、一気に読了。
加門作品、第2弾です。
ラノベ文庫の割に…厚いなぁ。458ページて…。
どーりで読み終わるの5時間くらいかかったわけだ。
以下、ソフトにネタバれってます
posted by まるひげ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | ホラー? | edit | web拍手

2005-09-07

icon_45_b.gif『天帝妖狐』読了。



行き倒れそうになっていた謎の男・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかった。やがて、夜木を凶暴な事件が襲い……。ホラー界の新星・乙一の第2作品集。(アマゾン レビューより引用)
乙一(著)『天帝妖狐』

電車の中で読む本、なんかないかと思って
発車5分前に買ってしまった。
家から積ン読本持ってきゃいいものを…。
「今時、400円台で買える本なんてそうそうないぜ〜?」
とか思いながら買った気がする。

これ、表紙がいいですよね。
ちょっと昔風の田舎のお稲荷さん。

『天帝妖狐』
幼い頃に夜木が交わしたある契約。
それは死から逃れようとして
自ら選んだことであったものの、
実際は死よりも残酷な運命を夜木に課すことに。
じわじわと自らの体が人外のものに変わっていく恐怖。
孤独、絶望、憎悪、後悔、かすかな希望。
それらすべてが夜木がしたためた
長い手紙のなかにつめこまれています。

ひたすら、夜木が悲しく、哀れで可哀想で。
唯一、心を通わせた杏子との別れのシーンが
とても切なく描かれています。
読み手としては、杏子となら夜木が人間の心を持ったまま
生きていけるのではないか、と思ってしまいますが、
じゃあ、杏子が死んだ後夜木はどうするのか、
永遠の時のなかで、さらに深い孤独に
囚われてしまうのではないか、とも考えてしまうのです。
夜木はそのことを感じていて
あえてひとりの道を行く、行かねばならないと
決意した部分もあったのではないかと。
とにかく、切ないよ夜木ィ!!
の一言に尽きます。


ここまで書いてナンですが…。

乙一さん、微妙に私と合わない気がします…(大汗)
「天帝妖狐」はまだしも、同時収録の「A MASKED BALL」は…バッド(下向き矢印)
posted by まるひげ at 10:36 | Comment(2) | TrackBack(1) | ホラー? | edit | web拍手

2005-09-02

icon_45_b.gif『白いへび眠る島』読了。



高校生の悟史が夏休みに帰省した拝島は、今も古い因習が残る。十三年ぶりの大祭でにぎわう島である噂が起こる。【あれ】が出たと…。悟史は幼なじみの光市と噂の真相を探るが、やがて意外な展開に! (アマゾン レビューより引用)
三浦しをん(著)『白いへび眠る島』

電車の中で読む本を、と思って
朝のクソ忙しい時に机の上にあったこの本ひっつかんで
家飛び出しました。
まさか、今日一日で読了できるとは…。やったな自分。

三浦さんの作品は、まだ『月魚』しか読んだことなかったのですが。
場面の雰囲気がいいですね。
においまで分かるような。
人物を取り巻く空気の描写がとても上手い作家さんだと思います。

exclamation以下、ネタバレ注意exclamation

物語中盤までは、島に古くから語り継がれてきた怪物“あれ”の存在
が、果たして本物なのか、その正体が気になるところ。
「おや、これは『ヴィレッジ』(映画)的展開??」(怪物=村人の仮装)
と疑いつつも、主人公の悟史と幼なじみの光市が
島の神社の息子・荒太や彼の友人だという犬丸の謎めいた
人物と関わっていくさまに興味がわいてきます。
悟史君。島に馴染めない自分、父との確執、不思議な能力…など、
「おぉ少年よ、悩むがよい」という気になります(何様)。

終盤は…
え、ほ、ホラーですかっあせあせ(飛び散る汗)
結構ねっとりとした水ものホラー。
いや、怖いもんではないンですけどね。
そんな展開微塵も思ってなかったもんだから
びっくりしましたよ。
島の「位相」とか「ひずみ」とか、人外のモノとか…。
しかし、乱暴に言ってしまうと、ひと夏の青春物語ぴかぴか(新しい)

萌えって感じではありませんが、
荒太と犬丸の関係が良い感じ。
文庫用書き下ろしの掌編が、また良い。
神様とひと、という関係ではあるものの、契約や約束という
しがらみで一緒に居るのではないところがなんとも。
posted by まるひげ at 01:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー? | edit | web拍手
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