2015-04-15

icon_45_b.gif『スナーク狩り』感想。


「そう、そのスナークはブージャムだった」
確かに印象的な一文。

誰も見たことがない怪物スナークを捕まえようと、船長ベルマンのもとに集まった8人と1匹。まっ白な海図を持って出航したが…噂が想像を増幅させ、極限の恐怖に支配されるなかで起こった驚くべき結末!?(アマゾン・レビューより引用)
ルイス・キャロル(原作)/トーベ・ヤンソン(画)/穂村 弘(訳)『スナーク狩り』

幻の怪物「スナーク」を捕まえようとする人々の冒険譚です。

船長ベルマンを筆頭に、
靴磨き、帽子屋、弁護士、ブローカー、ビリヤード・マーカー、パン屋、肉屋、
銀行家、そしてビーバー。
真っ白な海図とともに意気揚々と出港した後、
伝承や噂をもとに、スナークを捕まえるための対策を練るベルマン一行。
やがてスナークがいるという島に到着し、捜索を開始するのだが…。
果たしてスナークは見つかるのか?
そしてその正体は何であるのか?


…というあらすじだけでもツッコミどころがありますが
本文読んでもやっぱりツッコむのがバカらしくなるほどナンセンスなので
ツッコむのは早々に諦めて物語に身を委ねましょう。

難解な物語内容とほんのり不気味なヤンソンのイラストがマッチしていて雰囲気はバッチリです。
歌人である訳者さんの五・七・五調の日本語訳は、日本人にとって心地の良いリズム。
原文で読んだ方がよりキャロルの仕掛けた言葉遊びを楽しめるのでしょうが…原文なんて…ねぇ?

物語は、当時の英国社会を暗示してるんだろう…とか
パン屋さんはあの呪いの言葉により、
自らブージャムを引きつけてしまったんだろうな…とかいうことはなんとなく理解できます。
でも結局「なにがなんだかわからない」ことだけがわかったというか…もごもご。

まぁ、原作者であるキャロル先生も「この話わけわかんないから」
って言うくらいだからわけわかんなさは折り紙つきですぞ。
とりあえず、読了後はwiki様の考察読んでふむふむ。
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2012-12-01

icon_45_b.gif『蒙古の波(白狐魔記2)』読了。


図書館レンタ本。
久々の児童書をチョイスしてみました。

「義経=チンギス・ハーン」ネタまで飛び出してます。

白駒山の仙人の弟子となり、修行ののち、人間に化けることができるようになった狐白狐魔丸の人間探求の物語。「源平の戦い」のあとの長い眼りから、狐がめざめたところから、本書ははじまる。時は鎌倉時代。北条時宗が執権となり、日蓮は国を憂い、いまや、元の大軍がおしよせようとしていた(単行本より引用)。
斉藤 洋(著)『蒙古の波(白狐魔記2)』

「人間ってなんだろう?」をテーマに
時代を超えて人間の世を旅するきつね「白狐魔丸」シリーズ2作目。
今作で白狐魔丸が旅するのは、
“元寇”と呼ばれる文永・弘安の役まっただなかの鎌倉時代後期。

前作で、都落ちする義経一行を助けた白狐魔丸。
その後85年にわたる長い眠りにつき、
再び目覚めた白狐魔丸は現世・鎌倉を旅しながら、
自分でも気づかぬうちに不思議な力を体得していきます。

六波羅探題の南方・北条時輔の家臣との出会いがきっかけで、
「竹崎季長」という人物を訪ねて九州の地へ赴くことになった白狐魔丸。
捜し当てた季長は、武士らしく手柄を立てることに熱心な人間だった。
しかしそれと同時に得意の絵で名を残そうと気張るこの武士の不思議な魅力が気になり、
白狐魔丸はしばらくの間、季長の様子を観察することに。
そこで蒙古の船団と武士たちの戦いを目の当たりにした白狐魔丸は、
天の「気」を動かして嵐を起こすが…。

という展開です。
白狐魔丸の視点は、当時の名も無き人々の声を代弁しているので
結構シビアというか冷めた目で世の中と武士を見ている点も面白いです。
そういや、竹崎季長って歴史の教科書に載ってる『蒙古襲来絵詞』で
元軍に向かって突撃してる騎乗の武者ですな。
うんうん、ちゃんと「絵で名を残す」という野望を叶えている(笑)。

気になるのは謎の新キャラ2名(2匹)。
白狐魔丸と同じく人間に化けることのできる狐・雅姫。
元の国からやってきた狼ブルテ・チョノ。
今後も登場するのかわかりませんが、白狐魔丸と似た存在が登場するとわくわくしますね。
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2012-04-30

icon_45_b.gif『片翼の天馬 熱砂の巨兵2』読了。


今月の積読本消化2冊目。

一番ビックリしたのは〈渦蝶〉のデレ。
この人の本当の身分よりも何よりも、デレ。

本当に自分は「最後の天馬」なのか?〈巨兵〉の力を使い、斜指の都を崩壊させたカルスはタラマ中のお尋ね者となる。潜伏先に死の都を選んだ一行だが、奇沙の傭兵隊の襲撃を受け、ジェリンが連れ去られてしまった。奇沙は舟守シーバを追放した因縁の地。カルスたちは死を覚悟してジェリン奪還に乗り込む。一方、四貴では〈白天馬〉が裏切り者として牢に繋がれていた。来るべき天馬の成熟の刻に、焦る〈白天馬〉だが…(新書より引用)。
黒川 裕子(著)『片翼の天馬 熱砂の巨兵2』

前巻の白都と北辺神殿に続き、今巻では光砂教、四貴の陣営も明らかとなったことで、
舞台に主要な登場人物が出揃った印象。
…まぁ、まだ謎キャラもおられるんですけどね。
そしてキャラといえば、前巻で何気なく登場したあの人の正体が実は…!
という展開もありますぞ。

前巻ラストで、〈巨兵〉の力を使い斜指の都を壊滅させたカルス。
お尋ね者となり放浪の旅を続けるカルス一行に更なる危機が降りかかりまくります。
逃亡中、姉・ジェリンが攫われるやら
死んだと思ってた親友・ビョルグが厄介な敵方に捕まるやら
カルス自身は力を使いすぎて体力消耗半端ないやら、ついには人外のモノに覚醒だとか…
とにかく、もう大変。

そんなこんなで、カルスの人生、波乱万丈すぎて葛藤も大きいです。
自分が伝説の天馬であることを徐々に受け入れつつも、
その破壊の力はまだ容認できなかったり。
また、周囲の人々が「天馬としてのカルス」しか見ていないことに対する
苦悩なんかも、これから克服していくべき課題でありましょう。
少年らしい青臭い正義、現実を直視できない甘さがありますがそれはそれでよし。

その他、シーバの故郷の奇沙を赤い砂の襲撃から救ったことにより
奇沙の戦士たちを味方につけたり、
光砂教のお坊さんたちからちやほやされたりと忙しいです。
ちなみにツンデレシーバの過去も明らかになってます。
カルスとシーバ、親密度上がりっぱなしです。

それにしても、相変わらず展開早いな!
ジェリンと〈渦蝶〉の牢獄越しの交流とか
光砂教とカルスの連合まではもう少しゆっくり描いても良いのになぁ…。

そしてラスト、天馬として覚醒したカルス。
どうやらラスボスになりそうな赤い砂を操る他の天馬の存在を匂わせつつ、
世界を覆う〈外殻〉の崩壊が始まり―というところで以下続巻。
この展開だと、外殻の向こうにまで行くことになりそうですね。
次巻、一族の仇であり天馬としてのカルスの「護り手」(暫定?)でもある
〈白天馬〉とどう向き合うのか…楽しみです。
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2012-04-10

icon_45_b.gif『最果ての少年 熱砂の巨兵1』読了。


キャラ的に見れば、
これは主人公のカルス少年をめぐる〈白天馬〉とシーバとの二重契約のお話だわね。

数百年の間、竜巻に閉じこめられた辺境の村で、まだ見ぬ“海”に憧れる少年カルス。大地が揺れた夜、緑の炎をかざす兵士たちが村を襲う。愛する者たちを殺され、辛くも逃亡したカルスを待っていたのは、果てしない死の砂漠だった。美貌の敵将“白天馬”への復讐を誓い、カルスは“黄金の砂”をめぐる戦乱に身を投じる。自身に、世界を救う“力”が眠っているとも知らずに…。疾風怒涛の冒険ファンタジー、開幕(新書より引用)。
黒川 裕子(著)『最果ての少年 熱砂の巨兵1』

前作と同じで、過酷な運命に翻弄される少年の成長物語です。
ツッコミどころは多数あれど大筋では面白いです。
前作の舞台が海でしたが今作は砂漠。
作品全体の雰囲気は内陸アジア(?)っぽいのですけど、
地名が中国風、キャラの名前がカタカナの人もいれば日本風の人もいたりして。
そのことが違和感を感じなくもない。
主人公が伝説として語り継がれる一族の末裔だったり、
「底のもの」と呼ばれる“魔物”的存在があったりと
ファンタジーのお約束はしっかり踏まえております。

序章と呼べる第1巻ですが、展開は早め。
中盤までがかなり主人公・カルスにとって残酷な仕打ちです。
物語が本格的に動き出すのはそれからで、
世界観の説明、カルスにかかわる(あるいはまだ無関係の)キャラが多く登場。
今後、カルスがキーアイテム(?)である「黄金の砂」をめぐる
世界の諸勢力の抗争に巻き込まれていく…という流れになりそう。

そしてシリーズ1巻目なので、やはり謎が多いです。
カルスの出自の謎とその身に潜む「底のもの」の気配、
仲間となった元・渡り戦士のシーバの過去、
カルスの故郷を壊滅させた〈白天馬〉との絡みはどうなるのか…。
次巻も楽しみです。

以下、既読の方向けのつぶやき。
シーバのツンデレっぷりが良いですね。かわいいかわいい。
でもこの人がカルスと〈血と砂の誓い〉をしちゃうのはいくらなんでも早すぎだよなぁ…。
そして黒川さんの描かれる「腐れ縁」キャラは魅力的ですよね。
シーバ&イ・ジェイ、〈白天馬〉&〈篝火〉あたり。
あと、会話シーンも楽しい。
ことあるごとにシーバを勧誘する下克上坊主のビシュラン・ジンとのやりとりは、
軽妙な会話の裏に潜む緊張感が良い感じ。
一番出番少ない勢力の光砂教。
能天気な上官・シャルマと苦労人の下官・カーンの組み合わせがツボでした。
カーン、心の声ダダ漏れw
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2011-11-08

icon_45_b.gif『夢のまた夢−決戦!大坂の陣−』読了。


又兵衛と左近との会話が美味しかったです。和むわー。
左近さぁ…年若の主に仕えるのってこれもう趣味でしょ。
同じような苦労を何度味わえば気が済むの!

戦乱で親を失った少年・庚丸は、大坂城に上がり、秀頼の奥小姓となった。折から迫る徳川の重圧。秀頼に取り立てられ若武者となった庚丸は、関ヶ原の戦いを生き延びた島左近を軍師に迎え、戦場に向かう。わたしは、この少年に注目して、綿密な検証を始めた。この「大坂の陣」に至るまでに何があったのか、そして戦いの帰結はどこに!?(単行本帯より引用)
森岡 浩之(著)『夢のまた夢−決戦!大坂の陣−』

タイトルうまいですね。
確かにこれは「ゆめのまたゆめ」のお話。
時代小説でもありif小説でもあるのですが、根本的にはSF小説でした。

とりあえず最初から疑問なのが、あらすじにもある「わたし」の存在かと。
主人公たちの行動を神の視点で観察するこの「わたし」の正体とは?
さらに、
メタフィクション的仕掛けがところどころ挿入されていたり
史実と異なる事件や出来事が作中では純然たる事実として発生していたりします。
実は序章、秀吉臨終のシーンからすでにifってるんです。
「ん?おかしいな?」と違和感を感じつつも読み進めていくと
終章にてすべての謎が判明します。

ちなみに、サブタイに「決戦!」とありますが
戦闘シーンは終盤にちょこっとあるくらいです。
しかもそれが主人公の初陣&夜襲なので派手なものではありません。
物語は慶長19年、秀頼の奥小姓たちの日常がメイン。
徳川と豊臣が手切れとなり、大坂の陣へと至るまでの戦仕度の情景が描かれます。
戦らしい戦がないため、
大坂の陣で活躍する武将さまたちはほとんど名前だけのご出演でした。
あ、重成は別格。秀頼とセットでよく出てきます。

時代小説を箱庭として描いたこのSF作品。
個人的には、読者の立ち位置が揺らぐようなこういった話は好きです。
が、なにかが惜しい。
SF小説としても時代小説としてもなんとなく物足りない印象を受けました。

SFという点では、終章で暴かれる設定(夢紡のシステム)をもう少し詳しく知りたいところ。
設定の説明自体は綺麗にまとめられているので、
もっと詳しく!ということなら続編待ちってことになるかしら。
戦国ヲタ的には有名どころの武将との絡みが読みたかったです。


以下、既読の方向けのネタバレ感想文。
神の視点での描写だからこそ気づけたところも多い物語の外枠の気配。
でも、もしこれが人の視点で記述された物語だったら…
と話をさらにややこしくすると山内のセリフの状況(読者=夢見官)になるわけですね!
なんという入れ子式構造w

疑問点がひとつ。
夢紡において「世界が壊れる」というのはどういう状況になるんでしょう。
つまりラスト1ページのように接続が強制解除になるってこと?
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2011-07-31

icon_45_b.gif『大陸の王 四界物語3』読了。


いやいやいや、なんなのその無駄なSッぷり。
ウィゴネールの王族みんなそうなの。何それ素敵。
しかも側近がMだなんて、なんとしっくりくる主従なのでしょう。
あぁでもSと言えば黒竜公の所業がさらりと非道。

帝国軍と西海で激突した最中、離ればなれになった二人と一匹。リンゼイ・ヴォーは反乱軍の旗印に祭り上げられ、ファティオータはオハリオ二世に捕らわれてしまう。一方、シルッカはひとり海中の第四界に落ちていた。それぞれに強大な敵―オハリオ二世の姿を知り、闘う決意を固めるが…。シルッカはファティオータを解放し、リンゼイ・ヴォーと父の因縁をほぐせるのか!?壮大なファンタジー、堂々完結(新書より引用)。
黒川 裕子(著)『大陸の王 四界物語3』

はっ!
最終巻なのにいきなりSとかMとか失礼しました。

さて改めまして最終巻。
よくまとまっているけど駆け足、と言えばいいのか
駆け足だけどよくまとまっている、と言えばいいのか悩みます。
強力すぎる切り札投入のおかげで、最終決戦があっさり終わってるんですよね。
ここはもう少し長く読みたかったような。全5巻くらいで。
とりあえず、あらすじをちょいと補足したもの+感想文を以下に。

前巻ラストにて、ルドゥリア帝国と敵対することを決意した
南海国、西海国、サクォーリアンの連合軍。
ファティオータは敵味方を問わない皇帝の攻撃から身を挺して人間を護りますが、
ついに力尽きて帝国に捕らわれてしまいます。
一方、ファティオータと離ればなれになった竜騎士シルッカ。
ファティオータを救うために海底の第四界を訪れ、
女王竜と対をなす存在である「黒竜」の力を借りることに成功します。
他方、これまでの経験を通して未来の王としての素質に磨きがかかったリンゼイ・ヴォー。
そしてついに父王と対峙することに…。

という展開です。
竜を強大な戦の道具として利用しようとする連合国それぞれの思惑、
シルッカとリンゼイ・ヴォーの決意あたりが読みどころかと。
(…でも正直、シルッカ最後まであんまり印象に残らんかったのだが…)
ラスボスの皇帝、なんだか残念な小者でございました。
皇帝の真の狙いが明らかになりましたが…これは引くだろう…(周りの人が)。
それでも最後まで父親として見ていた皇子、普通にえぇ子や…。
いや、ほんとに変わったよね皇子!
傲岸不遜が服着て歩いてるような1巻とは別人だよ!!

脇役キャラも見てみましょう。
復讐の鬼騎士ラルファン、実の娘との邂逅も上手くいきません。
冷静に考えれば、敵対勢力にいきなり「これ、アンタの娘だから」って
ずずいと赤子差し出されても信用できんわな…。
妻の死の真相を知った後の行動と、その後の彼の処遇はちょっと意外でした。
まぁ平和で良いっちゃー良いのですがね。
あ、あと一旦退場してた王騎士ワルンスラが復活。
ネタバレになるので詳しいことは言いませんが、この人やっぱり真面目だわぁ(笑)。

それぞれがそれぞれの道を歩むラスト。
本当の意味で対等な存在となったシルッカとリンゼイ・ヴォー。
最後には重要キャラとの別離もありました。
ということで、
一抹の寂しさが残るものの、希望を感じさせる終わり方でした。

しかし未消化部分もあります。
ネルとヴァーリとネシカの過去、
そして謎の女バスィスタとの因縁がわからないまんまです。
この部分、結構引っ張ったので分からず仕舞いだとモヤモヤするな。

今後書く予定があるかもだそうですので、気長に待ちます。
そして来月には早くも新シリーズ『最果ての少年 熱砂の巨兵1』が発売ですよ。
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2011-05-15

icon_45_b.gif『異玉の騎士 四界物語2』読了。


虎はいいね!
モフモフしたくなる…まぁモフモフする前にガブガブされること必至なわけですが。
そして竜も皇子もデレ全開でございました。
ご馳走さまです。

第四界から帰還し、二人と一匹を囲む環境は激変した。海賊ネルヴァーリは西海の覇者たらんと、竜を旗印に決起する。竜騎士として、帝国と戦うことを求められ戸惑うシルッカと、何かに懊悩するファティオータ。そして利敵行為と知りつつも帝国艦を救ったリンゼイ・ヴォーは、牢に入れられてしまう。それぞれの立場がすれ違いを生む中、シルッカたちは皇帝の力の源―式石を生む“鳥の墓場”破壊に向かった!(新書より引用)
黒川 裕子(著)『異玉の騎士 四界物語2』

うーむ…
内面描写が少ないせいもあって、
登場人物たちの行動の裏づけがちょっと弱いんですよね。
それぞれが悩んでる状況だというのはわかるのですが、
いつの間にか決断しちゃってて「いざ行動!」というところだけ見せられてるような…。
キャラと展開は良いと思うんだけど。
あとやっぱり表現がわかりにくい文章がところどころ。
…とりあえず文句はここまで!

2巻になってさらにキャラが増加しました。
ネルヴァーリの幼馴染で喰えない商人ネシカ、
皇帝に仕え、サクォーリアンの滅亡を望む女バスィスタ、
南海の国「ウィゴネール」の王フェルイルムと側近イルウェ。
その他にも、ちょりと登場する脇役キャラ数名様。
フェルイルムは皇子の良き友人になって…つーか友達出来てよかったね皇子!
シルッカは友達とは違うからなぁ…相棒という名の下僕だからね!!

地上にサクォーリアンの国を興すことを悲願とするネルヴァーリとネシカ。
そんな彼らにとって重要な戦力である竜のファティオータと竜騎士シルッカ。
戦場でシルッカは、自身の右腕に宿した竜の秘宝のあまりに強大な力を恐れ、
さらにはファティオータが戦の道具として扱われることを危ぶみ、
ファティオータと別れることを決意します。

一方、父である皇帝に裏切られ、自身の存在を抹殺された皇子リンゼイ・ヴォー。
心はまだ帝国にあり、祖国を想う気持ちは変わらないものの、
間違った道へと向かう帝国を止めようと動き出します。
苦悩しながらも常に毅然とした態度を失わない皇子に
「オファン(相棒)として認められたい」とシルッカは願うのですが…。

ということで、三角関係のまっただなかの二人と一匹。
中盤でシルッカが竜ではなく皇子を選ぶわけです。
ところが。
その後シルッカはずっと皇子の側で行動していくというのに、
自らの戦う理由が「竜を護るため」っていうのはちょっと酷いんじゃないかな。
これじゃティーが可哀想です。
そら泣くわー。

外野サイドは
復讐の鬼騎士ラルファンと重傷ネル様がちょびっと登場。
ラルファンと実の娘イーリの邂逅も一瞬だけで次巻に持ち越しです。
レイフィンの皇子に対する複雑な感情の行方も気になります。
あ、あと弓で射られたワルンスラが一時退場です…戦場でボーッとしてんじゃないよ!

皇帝の最強兵器である六式戦艦のお出ましにより、
再び離ればなれになったティーとシルッカ。
さぁどうなる―!?
というところで、最終巻へ続く。
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2011-04-25

icon_45_b.gif『金翅のファティオータ 四界物語1』読了。


去年の夏に「気になる」と呟いてた作品、
図書館で見かけたので借りてみました。

これはさ…主人公がパッとしないせいか、
相棒役の凶悪&傍若無人な美形皇子のキャラがより引き立ってますな。

弦楽器演奏以外に取り柄のない、波頭馬騎士の青年シルッカ。凶暴な海獣トゲウオ殲滅戦の夜、その幼生を拾ったがために、凶悪で美貌の第一皇子に斬りかかられるはめに。不思議な力で難を逃れたシルッカだが、幼生の帝都移送への同道を命じられる。知らぬうちに四界の命運を担わされた見習い騎士と残虐な皇子、気まぐれな大食い幼生―二人と一匹の奇妙な旅が始まった!第6回C★NOVELS大賞受賞作(新書より引用)
黒川 裕子(著)『金翅のファティオータ 四界物語1』

公式あらすじがいまいち良くない。
これだと青年というよりは少年騎士くんのドタバタ珍道中を想像しちまうでねぇか。
しかも「二人と一匹の奇妙な旅が始まった」のは終盤だし。
あ、ちなみに二人と一匹の明細は以下のとおりです。
生まれ故郷を海獣「トゲウオ」に襲撃され、天涯孤独の身となった少年シルッカ、
大陸を統べる帝国の第一皇子である、シルッカの相棒リンゼイ・ヴォー、
伝説の女王竜(の幼生)ファティオータ。

基本的にはシリアスなファンタジーです。
読み始めしばらくは、文章にかなりひっかかりを感じました。
この作品だけの固有名詞がいきなりサラリと初登場し、
説明がなされないまま話が進むことが多いのでちょっと戸惑います。
…まぁ、でも慣れると感覚で読めるようになるんですがね(読み飛ばした…?)
中盤以降、キャラも増え、おもしろい展開になります。

そしてこの作品、なにより世界観が良いのです。
透明度の高い海中にそびえる巨大な海嶺や海上を走る「波頭馬」の騎士、
対立する2つの異種族、竜の墓場、海底の第四界など…
物語に入り込みやすい描写がなされています。
ファンタジー好きなら心惹かれる光景ですな。

以下、既読の方しかわからんような感想文でごめんなされ。

読んでてちょっと困ったことがひとつ。
第四界(海底)に独自の国を築いた海の民「サクォーリアン」
第二界(陸地)を支配した「アリシャーラン」
…時々どっちがどっちだったっけ?? てなる。紛らわしい…!

あと、個人的な好みで申し訳ありませんが、ティーの口調は
ひらがな&カタカナ混同じゃなくて普通に喋ってもらいたかった。

いやそれにしても、注目すべきは皇子ですね。
衝撃的事実発覚後の、らしくないしょぼーん具合と可愛さにはどうしたもんかと。
ここまで皇子皇子言っててナンですが、
まるひげ的には真面目系騎士のワルンスラが好きです(聞いてない)。

帝国に弓引くこととなった二人と一匹の運命のほか、
絶望のあまり「一夜で白髪化」という最近あまり見なくなった現象を体験したラルファン、
王都で無双状態になったであろうシルッカ&リンゼイの師・ネルの安否、
なんかも気になるところです。

次巻につづく。
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2010-04-15

icon_45_b.gif『敵は海賊・A級の敵』読了。


海賊は海賊でも、こっちは宇宙の海賊。
そういえば自分、2月頃に「SF読みたい」とか言ってたよなぁ…
とぼんやり思い出しまして積読本を消化した次第でございます。

ところが読んでる最中、困ったことがひとつ発生。
ヨウメイのね…脳内ビジュアルがGA●KTになってるんだが…(狼狽)。
おかしい!前作まではそんなことなかったのに!この人カッコ良いはずなのに!
何故にガックン…。

星から星へ渡り歩き、どの星系にも属さない宇宙キャラバンのひとつマグファイヤ・キャラバンが破壊された。居住船を兼ねた司令船を中心に数十から数百という動力付コンテナをほとんど破壊しつくすというのは、並大抵のものではない。海賊課は宇宙刑事セレスタンに遭難原因の究明を命じた。―新キャラクターを加えて、シリーズますます快調(文庫より抜粋)。
神林 長平(著)『敵は海賊・A級の敵』

1人と1匹と1艦のドタバタSFシリーズ、6作目。
ということで(?)、今回も前作の感想文同様「読んだ人しかわからない」感想文になりました。

まずは何より注目なのが
面白いくらいにラテルが外野に成り果てとる(笑)。
という点ですかね。
サポート役というか裏方というか。

あらすじにもありますが、
「新キャラ」として新たに海賊課ボケ要員・セレスタン、
そしてセレスタンに追い回されるケチな中堅海賊・ラクエシュを追加。
この両者の追いかけっこは今後も見れそうですね。
セレスタンは、ラテルチームと違って派手な戦闘に参加するのではなく、
地道にコツコツ調査するタイプの刑事です。
このセレスタンが海賊課のチーフによって命じられた任務は
「ある宇宙キャラバン船の遭難の原因究明」という事件で、
当初はそれほど重大なものとみなされなかったのですが、
調査が進むうちにこの事件の裏に伝説的海賊・ヨウメイの姿がチラつき―という展開になります。

今回の敵はかなりの強敵で、
流石のヨウメイもアプロも非常に危ないところでございましたよ。
…と言っても、カバー表紙にあるようにこの強敵、
姿かたちが「巨大ニワトリ」なので傍から見たらなかなかにシュールな画です。
このニワトリの正体は、
人工知性体としてAAA級を誇るラジェンドラやカーリー・ドゥルガーすら凌駕する
野生化したコンピュータ、なのですが。
うん、これがまた可愛くないんだ…憎まれ口多くてね!
まぁ具体的にどんな奴だったのかは実際読んで頂くとして。

今回もいつもの通り、戦闘シーンが良いです。
結構ヨウメイが出張ってましたねー。

読みどころは何と言っても終盤の宿敵同士の共闘です。
ヨウメイとアプロ、そしてラジェンドラとカーリーがタッグを組むなんて
今後見られるのかわかりませんが、非常に美味しい場面でございました。

あ、そんなレアな場面でも、やっぱりラテルは蚊帳の外です。

そして参ってしまったのが、ヨウメイとカーリー・ドゥルガーですよ。
もうね、この2人(1人と1艦)、かなりラブラブでどうしたものかと!
気に入っていた女海賊に想いを馳せたヨウメイに対して
カーリー・ドゥルガーが嫉妬し、ヨウメイに窘められる(そしてその後お互いにノロける)
度に、「なんだお前ら痴話喧嘩か」とツッコミたくなるくらいですわ。
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2010-03-06

icon_45_b.gif『源平の風(白狐魔記1)』読了。


なんだかもう、読書感想文作成順序なんてあったもんじゃない…。
でも多分、そんなこと気にしてる人なんていないだろうからオラ気にしない!(自己完結)

ということで、珍しく児童文学を読んでみました。
さらりと読めます。
行間読みマスター・きろくさんが紹介なさっていたのを拝見しまして。

きつねが賢くて可愛くてもうね…!(悶)


白駒山の仙人の弟子となり、修行ののち、人間に化けることができるようになったきつね、白狐魔丸の人間探求の物語。第一巻にあたる本書では、世にいう「源平の戦い」にまきこまれたきつねが、兄頼朝に追われ落ちゆく源義経一行に同行、武士の無情を目のあたりにする(アマゾン・レビューより引用)。
斉藤 洋(著)『源平の風 (白狐魔記1)』

ということで、主人公はきつねです。
あらすじにある通り、「人間ってなんだろう?」と疑問をもったきつねの物語です。

母親のもとから自立したばかりの若いきつねが、
危険だと分かっていながらも人間に興味を持ち、人里近くに住みながら
人間を観察し、人間の言葉を理解できるようになります。

ある村で「きつねは人間に化ける」というお坊さんの話を聞いて
本当にそんなことが可能なのか、
“白駒山に住む仙人”がその答えを知っているということで
白駒山へと旅するのですが、
途中、一ノ谷の戦いの直前で義経に命を助けられます。
(このときはまだ義経であると分からないのですが)

その後、修行を終え、一旦仙人のもとを離れたきつねは
偶然、頼朝に追われる義経一行と再会し、
佐藤兄弟のうちの弟くん(忠信)と仲良くなります。
命を助けられた恩返しに追っ手から義経一行を守る白狐魔丸だが―

という展開です。

結論から言いますと、
ものすごーく良い子です、このきつね。
目上の者には礼儀正しく、恩を忘れず、
疑問に思ったことをよく調べ、真面目にこつこつ努力し、
こうと決めたらつらい修行だって厭わない。
でもちょっとドジなところもあり…ともう完璧です。

白駒山の仙人さまもツボですね。
よく笑うおちゃめさんです。基本的にゆるい人。
登場シーンはモロ様キター!(ものの●姫)って感じの迫力なんですけどねぇ…。
きつねの名前を決めるときに、
「白駒山の仙人の弟子」だから「白駒丸」にするときつねが言うのに対し、
なんだかフツー…ということで
字面的にカッケェ(笑)「白狐魔丸」にしちゃえ☆と仰います。
仙人さま、そのノリはまるで厨二…。

高畠純さんの挿絵も素朴でほっとします。
修行の末、人間に化けられるようになった白狐魔丸ですが、
物語の終盤までは、しっぽだけはどうしても消せないのです(笑)。
しっぽ生えてるお坊さんの挿絵がシュールでとても可愛い。

シリーズは現時点で5作出てるそうなので、
まったり読み進めていきたいと思います。
きろくさん、紹介まことにありがとうございました!!
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2009-06-02

icon_45_b.gif『黄金の王 白銀の王』読了。


忘れた頃に、かつくらネタ投入。
唯一の理解者が宿敵、という設定てすごく萌えるものがあると思うのですよ。


百数十年にわたり、国の支配をかけて戦い続けてきた鳳穐一族と旺廈一族。生まれた時から「敵を殺したい」という欲求を植えつけられていた二人の王。だが、彼らは過去のしがらみを断ち切った。そして、争いのない平和な世の中を作りたいという思いを理解し、陰で協力し合う道を選んだ。しかし、それは想像以上に厳しいものだった…。敵に捕われの身となった王と、混乱する二つの国をなだめて統べる王。二人が思い描いた理想は、はたして実現することができるのか(アマゾン・レビューより引用)。
沢村 凛(著)『黄金の王 白銀の王』

かつくら春号で紹介されてて気になったファンタジー本。
読んでみたら、ファンタジーというより架空の島国の歴史物語、という印象。
甘損さんでも評価が高いですねー。
自分としては、「面白れぇ!」とテンション上がる感じではなかったです。
結構、語り口が淡々としているので、自分も淡々と読み進んだ感じがします。
登場人物の名前が独特で読みにくい…という意見もありますが、
自分はそれほど気になりませんでした。
うん、いいんじゃない?
ちなみに、櫓は名君、薫衣は英雄、というイメージ。

敵対し合う血族の王2人が為そうとしている大事が、
まわりの人々には理解されずに悩み、苦しむ姿がとても重いです。
途方も無い困難を乗り越え、新しい運命を創ろうとした2人の闘いの行方を描いた物語です。

物語序盤から優位に立っていた「鳳穐」一族の王・櫓(ヒヅチ)は
政の綺麗な面も汚い面も捌ける、非常にしっかりした人物なので読んでいて不安はないです。
時々、魔が差したように薫衣(クノエ)に対する殺意が湧き上がる以外は(笑)。

それより大変なのは、「旺廈」の王・薫衣の扱われ方です。
鳳穐の監視下に置かれ、櫓に協力するようになってからは
鳳穐はもとより、同族からも憎まれ、蔑まれることとなります。
薫衣は基本、性根が素直で頭が良い人なんですが、
まわりにいろんな罠が仕掛けられる展開になるので、読んでる側としてはハラハラです。
国のために為すべき大事を第一に考え、
ひたすらに本心を押し殺し、耐え続ける姿が印象的でした。
それにしても薫衣、本当に心が強い人でね…!!(涙)

時代が違い、立場が逆であったとしても、きっと同じ運命を辿ったであろう、という
終盤の2人の語らいが非常にグッときますね。グッと。
それだけに、あのラストは寂しいな…ハッピーエンドなはず…なのに。
2人揃って天寿を全うして欲しかった。
posted by まるひげ at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2009-05-19

icon_45_b.gif『紺碧のサリフィーラ』読了。


今日はもう1冊感想文アップしちゃうー。

これは確実に女性向けですね。
別にそうした描写があるわけではないんですが、雰囲気がね…。
…主人公くんは確実に受け臭いよ!(腐発言自重)


海神の怒りに触れて海中に没し、12年に一度、姿を現すといわれる幻の島シェイン―彼の地を求め、訳ありの青年サリフは船を探していた。なんとか潜り込んだのは、そんな島は存在しないと嘯く、不遜な男ワディムが率いる商船“花の乙女”号。しかし、なぜか海軍が執拗にサリフを追いかけてきて…。紺碧の海を舞台に繰り広げられる冒険譚、登場!第4回C・NOVELS大賞特別賞受賞作(新書より引用)
天堂 里砂(著)『紺碧のサリフィーラ』

途中までは、主人公の出自や幻の島シェインを目指す理由、
彼が海軍に追われる理由など
謎ばっかりで先が気になり、ページをめくる手が進むんです。
が、読み進めていくと、主人公の正体は唐突に判明します。しかも何気なく。
「え!そうなの!?」と思わず該当箇所を2度読み3度読みしてしまいました。
さりげなさすぎです…。
バラす前にもう少し上手に伏線張っておいてくれたらなぁ…。
良い設定使ってるんですが、まるひげ的には「いまひとつ…」な印象でした。
あ、でも文体は読みやすいので読了するのに時間はかからなかったです。

それにしても愛されてますな、サリフ青年。
なんだかんだ言って世話する船長ワディム、
厳格ながらも温かく見守る父、
過保護なほどにサリフを心配する兄、
変態気味な親友。

…あれ?
なんかおかしげなのが1体居ましたね。
まぁ、こいつが食わせモンだったんですが…。

ラスト、結局、サリフは実年齢が600才以上で、
これからは人として普通に生きていく、ということなんですよね?
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2008-11-09

icon_45_b.gif『〈本の姫〉は謳う(4)』読了。


そういえば書くの忘れていました〈本の姫〉最終巻感想文。
今読み返して気づいたんですが、
〈俺〉くんの名前、「アゼザル」じゃなくて「アザゼル」だったわ。
そうだよね!
彼も一応、天使族なんだから語尾は「〜エル」なんだよね!

姫とともに文字を回収する旅も終わりが近づく。しかし世界の滅亡を望むレッドはバニストンに災厄の種をまき散らした。懐かしい街、恩ある人々の危機に必死に闘うアンガスに彼は言い残す。「オレを殺す覚悟が出来たら第七聖域まで来い」追い詰められていくアンガスは「希望」を捨ててしまうのか?そして〈俺〉という語り手によって紡がれたもう一つの物語が交錯する時―!多崎礼の手で繊細に織られた世界がここに完結する(新書より引用)。
多崎 礼(著)『〈本の姫〉は謳う(4)』

今となって考えたら、このシリーズぶっ通しで読まないと
設定・展開忘れてしまいますな。
まぁ、自分の場合、ぶっ通しで読んだんですが、
世界観の細かい設定とか背景とか、きちんと理解しきれてないです。
2つの世界がリンクするところなんて、馬鹿には難しい構成ですよ!
タイムパラドクス的というかパラレルワールド的というか。

アンガスの世界とアザゼルの世界というのは…
アンガスの世界が、
アザゼルの世界でいうところの「滅亡しない世界」、
すなわち初代アザゼルが観測し得なかった世界なんですよね。
で、2つの世界は互いに影響を及ぼし合うということで…
・・・・・

とりあえず最後までガブリエル、あんたって人はーッ!!(涙)
そして最終巻で株がぐーんと上がったのが、ジョニー。
格好良いよジョニーのくせに!!
突如退場してしまったキャラもいたので、最後まで気は抜けません。

それにしても、
エマと初代アザゼル、どっちもツンデレなんですが大丈夫なんでしょうか…(どうでも良い)。

ということで、
最終巻なのにいい加減すぎる感想文で申し訳ありませんでした。
ラストの駆け足展開に、少々追いてかれ気味になりましたが、面白く読ませて頂きました。
次回作も楽しみです。
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2008-10-27

icon_45_b.gif『〈本の姫〉は謳う(3)』読了。


ゲームやってたら読書感想文がおろそかに…!
さっさと書かないと忘れる。
そしていささか「覚えてることだけ」感想文っぽい気が…(汗)。

声と記憶を取り戻したセラと、文字の呪縛から解かれたウォルターを加え。旅を続けるアンガス一行。歌姫だったセラの無事を伝えるべく、彼女の故郷カネレクラビスへ向かう彼らだが、ついにそこにも文字禍がおよんでしまっていたのだった!!いっぽう、文字の回収が進み、記憶が戻るにつれ、姫の表情は曇る―この私が文字を撒いた張本人なのか、だとすれば、私は何者なのだろう、なぜ世界の滅亡を望んだりしたのだろう―(新書より引用)。
多崎 礼(著)『〈本の姫〉は謳う(3)』

前巻では天使族とアンガス達の際どい接触がありましたが、
一難去ったと思いきや、休むまもなく新たな災難が舞い込みます。
困難に対するアンガスの無抵抗主義は
若干うまく行き過ぎな感も否めませんが、
まぁそこは良いとしましょう。(何を偉そうに)
世界の破滅とアンガスの幻視の謎も、なんとなーく先が見えてきました。

アンガスとセラの恋模様は、なんつーか、
一昔前の中学生みたいなノリで、
恥ずかしいというよりは、オバちゃん目線で応援したいですね。
だっておせっかいしないと遅々として進まんぞこの二人ッ!!(イラッ)

一方、どんどん破滅に向かって進んでいくアゼザルパート。
ついに大地の人と天使族の戦いが始まってしまうわけですが。
…ラジエル(笑)。
うん、この人ならどこでも生きていけると思う。
ラピス族の「来世でまた会おう!」(p.213)はたまんないですね、アゼザル…。
そしてアンガスの世界とのリンクがかなり核心的なところまできてます。
アークとガブリエルの繋がりは…、
この後何かやらかしそうです。怖いなぁ。

ラストでついに<真実(ウェリタス)>が姿を現しました。
この人が次巻で物語の背景を明かしてくれるんでしょう。
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2008-10-12

icon_45_b.gif『〈本の姫〉は謳う(2)』読了。


1巻では物語の世界観を把握するのに戸惑いましたが、
2巻はそれが無い分、すいすい読めますね。

病に倒れた母のため、一度は捨てたはずの故郷へ、七年ぶりに〈姫〉と帰るアンガス。記憶を失い、やがては死に至るという〈忘れ病〉は、母だけでなく、すでに町全体を蝕んでいた。初めて見る不吉な病に文字の気配を感じる二人だが―!?一方、バニストンで彼の帰りを待つセラに、エイドリアンは語り始める。アンガスの過去を、そしてその背負う運命を…。シリーズ急展開!(新書より引用)
多崎 礼(著)『〈本の姫〉は謳う(2)』

旅先にて出会ったジョニーと天使族の遺産・自動人形のアークを伴い、
さぁ次のスペル回収すっぞー!という矢先に、
アンガスが一人故郷に帰ってしまうところから2巻がスタートです。

まぁ、ね、「ハハキトク スグ カエレ」の電報(違)もらってしまったんじゃ
仕方ないと言えば無いんですが…。

ということで、
あらすじにもありますが、この巻ではアンガスの過去、
そして故郷に帰ることで、その過去との確執に決着がつきます。
しかしそれが解決したと思ったら、またひとつ問題が…。
あぁもう、アンガス…なんて苦労人。

一方、もうひとつのパート。
1巻ラストで〈聖域〉から堕ちた天使族の「俺」くんは、
地上にて暮らすことになり、“アゼザル”という名前をもらいます。
ですが、その地上にも天使族の手が回り…。
こっちも大層な苦労人っぷりです。
てーかガブリエルが大変なことに…!!!!!
やっぱりこの人も一緒に堕ちるべきだったよ(涙)。

そんな感じで(わかりませんよ)、さらに続きが気になるこのシリーズ。
アンガスの世界とアゼザルの世界が、
ただの過去と現在というだけではないような共通項が多く出てきました。
作者は、伏線というより作品構成そのものが見事なので、
物語が進むにつれ、徐々にその姿が現れるのを見るのも楽しみであります。
posted by まるひげ at 23:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2008-10-06

icon_45_b.gif『〈本の姫〉は謳う(1)』読了。


自分、今日何回更新する気だ自重しろ!
…これで最後です。

本のかけらを発掘、とかいう設定には、
「戦う司書〜」シリーズをふと思い浮かべてしまうわけですが。

「滅日」によって大陸中に散らばった、世界を蝕む邪悪な存在―文字。天使の遺跡を巡り、本を修繕する少年アンガスは、文字を探し回収するために、〈本の姫〉と旅を続けている。ある日、無法者たちから救い出した少女に、文字の気配を感じた彼は―。圧倒的な筆力と緻密な世界観を持ち、第2回C★NOVELS大賞受賞作『煌夜祭』で話題騒然の多崎礼が満を持して放つ新シリーズ、堂々開幕!!(ノベルスより引用)
多崎 礼(著)『〈本の姫〉は謳う(1)』

主人公・アンガスが、本に閉じ込められた〈本の姫〉の実体と記憶を取り戻すために
はるか昔に失われた、強大な力を宿す“文字(スペル)”を探し求めて旅をするパートと、
アンガスの時代より遡った、
滅びの日が近づく〈聖域〉で“文字”の力に依存しながら暮らす
天使族のパートが、交互に展開していく形式となっております。

アンガスの世界は西部劇っぽいアウトローな雰囲気なのに対し、
〈聖域〉の世界は、無機質な近未来的で…
なんとなく、イメージがPS『ゼノギ●ス』(わぁ懐かしい)。

これら2つのパートの場面の切り換えが早いので、
慣れないうちはちょっと戸惑いますね。
中盤まで読んでくともう気にならなくなりますが。

文字が存在しないアンガスの世界においては、
本はまず呪文を唱えてから読むものであり、
「本を読む」という行為は、
本に記録された情報が頭の中でリアルに再現されるような…
いわば「本が綴る幻影を視る」、そんな設定となっています。

苦労人・アンガス少年と、彼を下僕としてこき使う〈姫〉とのやりとりがまず
面白いんですが、
物語が進行するに従って増えていく旅の仲間たち皆さんが
それぞれ重い過去を背負ってます。
ヘタレ美形のジョニーもやればできる子なんですが、
基本やれない子なんで当分はお笑い担当っぽいですね。

そしてアンガスの世界よりも気になるのは〈聖域〉。
滅びの日が近づくなか、異質な力を持った悪魔の子として
生まれた瞬間から忌避され続けてきた「俺」に、
ガブリエルが何故長く付き合い続けていられたのか、その理由が哀しいですよ。
当人の意思じゃないところが、なんともね…。
もう、アンタら一生一緒に居ればいいさばかやろう!!
てーか、あんなとこで終わらないでー!!

何にせよ、まだ1巻なので、アンガスの過去や〈本の姫〉の正体、
〈聖域〉の「俺」とアンガスの繋がり、世界の破滅を望むレッドの思惑など、
ワケわからんことばっかりです。
と、いうことで2巻に続きます。
posted by まるひげ at 23:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2007-08-02

icon_45_b.gif『ダウン・ツ・ヘヴン』読了。


暑い…なんだこの気温。
室内30度超えは勘弁してくれ。
とうとう我慢できずにエアコンスイッチ怨。

そして自分は相も変わらず本読まずにエースコンバってます。
5、長いな…まだ中盤です。
メビウスT気取りで始めたら、イロイロと痛い目に遭いました。
はい、近況でした。

つーことで、
この暑さで忘れてましたが、
5日くらい前に読み終わった活字の感想文です。

真っ黒な澄んだ瞳。その中に、空がある。そこへ堕ちていけるような(単行本より引用)。
森 博嗣(著)『ダウン・ツ・ヘヴン』

ティーチャがなぁ…
いつ死ぬかいつ死ぬかとハラハラしながら読んでるんでが、
ハタと気づきました。
この人、第1作でも出てんじゃないですか!
つーことは・・・

大丈夫だ。死にやしねぇ!
これで安心して読み進められます(←単純)。
クサナギとは、男女の仲つーより師弟て関係しか感じられませんね。
子どもに関して一言も触れないティーチャがカコ良いです。

ラスト、クサナギとティーチャによる空中戦デモンストレーションが見所。
…といっても、
ちょっと考えたら街中で空中戦なんてありえないわけですよ。
クサナギなら気づきそうなことですけどね…。
ティーチャとの一騎打ちに舞い上がって、気が回らなかったっぽい。

う〜ん、それとも彼女にとっては神聖なものと言っても
過言ではない戦闘機でのバトルで、
まさか形だけの戦闘をさせられるとは考えられないことだったんでしょうかね。

そうそう。
1作目の主人公、カンナミが出てきます。
いわばクサナギの男の子バージョン。
この頃から不思議な少年だったんですね。

まぁ、こんな感じでちんたらゆっくりとクサナギの周りの環境が変化していくんでしょうね。

・・・
なんつー感想文だ。
グダグダですんません。
書き逃げ御免。
posted by まるひげ at 23:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2007-07-19

icon_45_b.gif『ナ・バ・テア』読了。



吹っ切れてる感じのラストが良いです。

改めて不思議に思うのですが、この物語での敵てどんな位置づけになってるんでしょうね。
ライバル企業?

僕は、空で生きているわけではない。空の底に沈んでいる。ここで生きているんだ(単行本より引用)。
森 博嗣(著)『ナ・バ・テア』

クサナギの過去話。
凄腕パイロットとしてブイブイ言わせていた(死語)頃のお話です。
空中戦の描写も割増しになってます。
前作主人公のカンナミほど大人しくもなく、
なかなかアグレッシブです、彼女。
前作での、クールな上司とはちょっと違うような、それでいて
こんな過去を持っていたことがすんなり理解できる前日譚でした。

それにしても、クサナギとカンナミの思考の違いが面白い。
キャラが違うから考え方も異なっているのは勿論ですが、
主人公の性別が違うっていうのも大きいんじゃないかと。
ま、生と死に対するドライな感情はおんなじですけど。
そして空に対する思いもおんなじ。
いつまでも、どこまでも飛んでいきたいと切望するのは
キルドレの本能みたいなモンなんでしょうかね。

前作で、コクピットに黒豹のマークをつけた敵パイロットのことを
クサナギが元上司、と言っていたんですが、
そんな一言で片づけられない関係があった人物であることも判明します。
「ティーチャ」と呼ばれ、「撃墜王」の名高い彼は、
クサナギの上司であり憧れの人でありえぇと…
そんな関係にまでなってしまった人なんですが。

この人、なかなか責任感あるじゃないか。
ティーチャに引き取られた子が前作でちょろっと登場したあの少女なんでしょうね。

そうそう、前作といえば、
謎だったクサナギ殺人容疑。
被害者の栗田はまだ出てきたばっかりなのでこの人の死因は次作にもちこみです。

このシリーズ読み始めた弊害がひとつ。
コレ、再プレイしちゃったりしてます。


エースコンバット04 シャッタードスカイ

懐かしいです。
このシリーズも4以降遊んでないので5とかゼロとか気になってたり…。
posted by まるひげ at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2007-07-12

icon_45_b.gif『スカイ・クロラ』再読了。


毎回装丁買いしてるこのシリーズ、
いい加減読み進めようと思い立ち、
とりあえずは、内容すっかり忘れてる1巻目を再読しました。
てーか、いまさら読んでる人っているんだろうか…。

僕はまだ子供で、ときどき、右手が人を殺す。その代わり、誰かの右手が、僕を殺してくれるだろう(単行本より引用)。
森 博嗣(著)『スカイ・クロラ』

なんとも言えませんよ、この透明感というか空虚感というか乾いた雰囲気というか。
前回読んだ時は状況よくわからないまま読んでしまったので
ほとんど印象に残らなかったんですよねぇ(汗)。
今回改めて読んでみたら
素直に「面白かった」と言える作品ではないのですが、
なんとも不思議な読了感が残りました。

センテンスが短く、独特の言い回しがぽえちっくです。
人の死も「それまであったものが無くなる」程度に描かれてます。
情が入り込む余地は微塵もありませんよ。
物語の背景がほとんど語られてないんですが、
そんなものは不要なんでしょう。
近未来、舞台は戦争中の日本(?)。
戦争請負企業があり、主人公はそのエースパイロット。
彼らは戦死しない限りは死なない、という永遠の子供「キルドレ」で。
このキルドレたちの日常が淡々と、あくまで淡々と描かれています。

物事にほとんど関心を持たず、生と死について考えながら漫然と過ごすうちに
戦闘シーンに突入、という展開。
地上での生活は、薄い膜がかかったような、あるいはモノトーンな印象があります。
それとは対照的に、空中戦が迫力あって良いですね。
色彩が一気に溢れかえるような感じです。
冷静に正確に戦況を判断し、目標を撃墜する場面は
キルドレが「生きている」という感じがします。
ま、これが彼らの存在理由なわけですから、当然ですがね…。

しっかし、各章のアタマにサリンジャーって…難解だよ!
意味がわからないよ!!
○潮文庫の『ナイン・ストーリーズ』、挫折した苦い思い出が蘇りましたぞ…。


以下、どうでも良いこと。
クサナギ女史が、ペルソナ3の美鶴とカブりました(ほんと、どうでも良い)。
ラスト、あれからどうなっ…ぇえ!?

気になる人はコクピットに黒豹のマークをつけた戦闘機乗りですかね。
カンナミも認める腕の良いパイロットだし。
クサナギの元・上司だし。
続編でどう登場するのか楽しみです。
posted by まるひげ at 23:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2007-02-19

icon_45_b.gif『零式』読了。


いや〜、難産難産(苦笑)
これ読み終えるのにどんくらいかかっただろう。
読みにくくはないのですが、
この作品の独特な文体で苦戦したっぽい。
作品がスピード感はあるのにてめぇの読むスピードが追いつかないという、
やきもき感に苛まれました。

大戦末期の1945年、帝国本土への遠征特攻を敢行した皇義神國は、報復の原子爆弾投下により全面降伏する。そして半世紀後、帝国統治下で鎖国状態の神國。原始駆動機《鋼舞》を駆る孤独な少女・朔夜は、己の破壊衝動をもてあましていた。しかし、運命の夜…朔夜の荒ぶる心臓と、囚われの天子・夏月の夢見る翼が出会うとき、閉塞世界の根底を揺るがす大いなる物語が幕を開ける―。(文庫より引用)
海猫沢 めろん(著)『零式』

プロローグが一番好きだったり。
特攻前夜、格納庫での猿宮と神成との会話。
本編で神成本人が出てこなかったのがちと寂しかったです。

とにかくほんと、スピード感あるんですよこの話。
映像が浮かんでくるようなシーンばっかりです。
視覚に訴える文章とでも言いましょうか。
暗闇のなか、疾駆するレシプロマシンとリニアバイクとか
猥雑なスラム街とか右翼集団とか。

戦後、帝国<LEV>に植民地化された神國。
終戦直前に決行された帝国本土への特攻「神武作戦」、
成功したとされるその作戦の真相とは。
そこには歴史の闇に葬られた真実が―。
という感じ?(聞くな)
んでもまぁ、身もフタもなく言ってしまえば、少女2人の脱出劇です。
現状に対する焦燥感を持て余す朔夜と
崩御したはずの<神國>天子と瓜二つの顔を持つ夏月。

ちょっとボケた感じの無者(サイボーグ武者)と夏月の会話が面白い。
ラストの忌三と夏月がなんだか雰囲気良いです。
序盤で出てきたイカレ系雑魚キャラのアフロやらJKやらが
中盤まで絡んでくるとは思いませんでした。
てっきり朔夜登場シーンの引き立て役だけかと見てましたよ。

おっと、忘れちゃならないのが忌三。
朔夜や夏月をいじめてばっかりの元戦闘機乗り。
ケタ外れに強いです。
とりあえず中盤までは、凄腕のキ印の人という印象が強いのです。
間違いなく狂ってる人なんですけど、
どこか憎みきれないのです。
一途過ぎたんでしょうねぇ、天子に対する想いが。
終盤、着流し・野太刀1本で5000体もの無者を
ばっさばっさと斬り進んでいくシーンがカコ良いです。

うあ〜…ダメだ、うまく説明できないやこの本。
キャラ紹介だけで終わってやれ(逃)。

あ、世界観を覆すようなラストも良いです。
「気になってたら序章だけでも読んでみてはどうでしょうか」
とおススメしようかと思いましたが、本編と雰囲気違うんだわ序章…。
あとがきも大層面白いです。
執筆生活ぶっちゃけすぎ。
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2007-01-10

icon_45_b.gif『象られた力』読了。



惑星“百合洋”が謎の消失を遂げてから1年、近傍の惑星“シジック”のイコノグラファー、クドウ円は、百合洋の言語体系に秘められた“見えない図形”の解明を依頼される。だがそれは、世界認識を介した恐るべき災厄の先触れにすぎなかった…(文庫より抜粋)
飛 浩隆(著)『象られた力』

ミステリ読みたい、とか警察モノ読みたい、とか正月に言っておきながら
読了したのはSF。

いや、積ン読本が目に入ってね…。
つい手が出てしまったのよ。

つーことで、『象られた力』読了です。
2005年度「SFが読みたい!」国内作品1位だったっけか。
ちょいと調べてみたら第26回日本SF賞、2005年度星雲賞なども受賞だそうです。
4本収録の短編集です。
もうね、『デュオ』、これですよ。
個人的には、これ読んだだけでも買って損したという気分にはならないです。

以下、たいしたこと書いてませんが、ちょこっとだけネタバレありの感想文。

posted by まるひげ at 02:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2006-09-06

icon_45_b.gif『聖者の異端書』読了。



―弱きもの。汝の名は女―
わたしの目の前で、夫となるはずだった人が消えた。しかも、結婚式の最中に。「死んだと思え」と言われても、納得などできない。彼を取り戻すため、わたしは幼馴染の見習い坊主を連れて城を飛び出した―。封印された手稿が語る「名も無き姫」の冒険譚!第一回C★NOVELS大賞特別賞受賞作。(ノベルスより引用)

内田 響子(著)『聖者の異端書』

ちょっと前から気になってた作品に手ェ出してみました。
飾り気のない表紙イラストがかえって目立つ。

世界観としては中世ヨーロッパあたり。
いや、魔法とか出てきてるのでちゃんと(?)ファンタジーです。
女が生まれると「○○国××の娘」、嫁ぐと「○○国××の妻」などと
呼ばれるような時代。
主人公は名も無き一国の王女である「わたし」。
この王女様が冷めてるは一言多いは理屈っぽいは
封建的なご時世に、合理的かつ現実主義的な思想の持ち主です。
そんなあまりお姫様っぽくない娘、挙式中に姿を消した夫を探しに旅に出ます。
手がかりを探しに様々な国を歩き回ります。

無茶です。
逞しいです。
漢らしいです。

なので、読んでてもそれほど悲壮感が無いのですよ(笑)。


とにかく淡々と進むストーリーです。
固めな文体で、いまいち盛り上がりに欠ける印象がありました。
終盤、南の国で王女が「真理とは何か」について
問答する場面ではその後どういう展開になるのか不安になっちゃいましたよ。
ちょっと早足な終わり方な気がするんですが、
まぁそれなりに問題が解決して大団円というシメに。
…う〜ん、何か物足りない…。

主人公を助ける脇役たちもそれぞれしっかりした個性を持っているのですが
飛び抜けて目立ったキャラがいるというわけでもなく。
まして「○○萌え〜!」という雰囲気ではないです。

アルジュナ良いねアルジュナ(舌の根の乾かぬうちに…)。
自分、彼のような「民族集団のなかにひとり混じった異邦人」という設定に弱いかもしれない。

聖者の異端書、というタイトルについて。
「異端書」であるということはプロローグで述べられているのですが、
「聖者」は誰か、というのがエピローグで判明します。
こういう構成はスキだなぁ。
タイトルの意味を実感できます。
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2006-08-03

icon_45_b.gif『煌夜祭』読了。



語り部の生業は、世界各地で話を集め、他の土地へと伝え歩くこと。年に一度の語り部の祭り「煌夜祭」が行われる冬至の夜、彼らは、人を喰らう恐ろしい、だが儚くも美しい魔物たちの物語を語り出した…。 (アマゾン・レビューより引用)
多崎 礼(著)『煌夜祭』

先日購入した第2回C★NOVELS大賞受賞作を読了しました。
素晴らしい作品でした。
「私はこういう話が好きなのだ!!」と主張したい1冊です。

ヘタにストーリーを話すとネタバレになりそうなので
以下に、支障無さそうなあらすじだけ。

ひとつ所に身を落ち着けること無く、世界各地を放浪して物語を集め、
他の地に伝える「語り部」。
冬至の夜、彼らは自分の聞いた物語を「煌夜祭」で語る。
今年の煌夜祭の舞台はかつて島主の館であった廃墟。
語り部は2人だけ。
炎の焚かれた火壇を囲み、いよいよ煌夜祭が始まる―。

読み始めの第1話と第2話が関連なさそうな話だったので
これはずっと1話完結のオムニバス形式なのかと思いましたが…。

とんでもねぇ。

最初から張り巡らされた伏線が後からじわじわ効いてきます。
途中、表現に疑問を感じるところもありますが、その謎も後から解けます。
ラストでそれまで語られてきた物語が収斂していくさまはもうお見事としか言いようが無い。
良いものを読ませてもらいました。
ファンタジーOKな方なら読んで損は無いかと。
問答無用でオススメです。

この作品は感想文なぞ読まないでトライした方が面白いと思われます。
もう読んだから大丈夫!という方は以下をどうぞ。
posted by まるひげ at 02:34 | Comment(4) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2006-07-25

icon_45_b.gif『よろづ春夏冬中』読了。



希いを叶える貝殻細工の小函から、朝顔市で購った夕顔の鉢植えから…。思いがけないことから、彼らの運命は動きはじめる。或るときは異界と混じり、或るときは時空を超え、妖しく煌く14の極上ストーリーを収めた玉手函。 (アマゾン・レビューより引用)

長野まゆみ(著)『よろづ春夏冬中』

「ヤングガン〜」シリーズ頼んだついでに借りた1冊。
ほんとは新刊の『あめふらし』を読みたかったのですが貸し出し中でございました。
タイトルは「よろづあきないちゅう」です。

はい、表紙も長野さん画ですね。
便箋か絵葉書にでもついてそうな可愛らしい絵柄だこと♪ 
短編集ということなのでスラリスラリと非常に読みやすかったです。
この文体はまさに長野さん特有の美しさ。
こういう作家さんの本を読むと、日本語って素晴らしいなと思います。
と、まぁここまではベタ褒めなんですが、
肝心のストーリーはといいますと…
posted by まるひげ at 00:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2006-07-16

icon_45_b.gif『マーダー・アイアン 絶対鋼鉄』読了。



前世紀末のバブル景気をいっそう発展させ、歪な経済大国としての繁栄を続ける日本。しかし、先進国としては唯一、自前のサイボーグ部隊を持たないため様々な局面において外交上の不利を忍び続けていた。そんな中、米軍サイボーグ部隊「UNDEAD HEROES」に対し、日本のハイテク公安「封鎖技研」の長、臀壮一の暗殺指令が下された。首都・新東京への潜入を果たした彼らの前に、臀は、戦闘アンドロイド「タケル01」を伴って現れる。そしてここに、サイボーグvsアンドロイドの壮絶な戦闘がはじまる!
タタツシンイチ(著)『マーダー・アイアン 絶対鋼鉄』

久しぶりにしっかりした感想文書いた気がします。
いや、「気がします」じゃなくてさ。
事実、7月初の読書感想文じゃねーか。

ということで、楽しみにしてた『マーダー・アイアン 絶対鋼鉄』読了しました。

B級のにほひが漂うこの雰囲気はなかなかに好みです。
テンションについていけなかった部分がチラホラありましたけど。
前半部分では、個々のシーンで盛り上がってきたところで場面転換、というのがありまして
「あぁもうちょっと先まで読ませてよ」的情況が歯痒かったです。
その分、後半は勢いがあって良いですね。

「UNDEAD HEROES」というアメリカのサイボーグ戦士たちの物語です。
彼らが日本製のアンドロイド「タケル01」とバトル、という流れになるのです。

作中、リンクとレオがオープンに○モってますが、
ノーマンとアイヴァンも裏でホ○ってるのがなんだか可笑しい。
誰かマレッタかまってあげようよ…紅一点なんだからさぁ…。

どーでもいいけど気になること。
表紙のイラスト、リンクとレオはどっちがどっちですか。
黒いのがリンク、白いのがレオと見ましたが。
posted by まるひげ at 01:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2006-05-23

icon_45_b.gif『ノルンの永い夢』読了。



いかなる過去からも、いかなる未来へも接続しない現在はありうるのだろうか?
2001年秋、新世紀SF新人賞を受賞したばかりの作家・兜坂亮は、新興出版社ハイネマン書房の時野から、数学者・本間鐵太郎をモデルにした小説の執筆を依頼される。
小松左京賞受賞作家が拓く時間SFの新地平(単行本より引用)

平谷美樹(著)『ノルンの永い夢』


前回に引き続き、積ン読本消化。
そして久しぶりの平谷さん本。
初めて読む「ハヤカワSFシリーズ Jコレクション」ですが…

けっこう高いんですのね、このシリーズ。

装丁がノベルスっぽいんで1000円くらいかと思ってましたよ。
いやいやお金の話はどうでも良いとして。
本題いきましょう、本題。

時間旅行…タイムトラベルものになるんでしょうかね、コレ。
タイムトラベルっても、どデカイ装置つくってなんやかんや…
というもんではありません。
脳内の意識転換で時空をぱぱっと移動。
すたいりっしゅです。

posted by まるひげ at 22:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2006-03-03

icon_45_b.gif『敵は海賊・海賊課の一日』読了。



きょうはアプロの666歳の誕生日。ラテルはいやな予感がした。あんのじょうチーフからアプロともども苦情処理係勤務を命じられた。苦情映話を受信しはじめたディスプレイの上に、時を超えたラテルの叔父が現われた。ラテルの家族の宇宙キャラバンを襲撃した真犯人を捜してほしいというのだが…人気シリーズ第5弾(アマゾン・レビューより引用)。
神林長平(著)『敵は海賊・海賊課の一日』

積ン読本消化。
なんてことはない、『円環の孤独』読んでSF読みたくなっただけ(単純)。
読了してから一週間以上経ってるので
ちょっと忘れかけてますが。
ダメダメです。

これ、連作の第5作目にあたるので
シリーズ未読の方にはエライ不親切な感想文となりました(謝)。

広域宇宙警察海賊課の一級刑事、ラウル・ラテル・サトルと
同・黒猫型異星人、アプロ、
対コンピュータ戦闘用の宇宙フリゲート艦、ラジェンドラ。

この「1人と1匹と1鑑で一人前」のトリオが主役の
ドタバタコメディ、時にシリアスとでも言いましょうか。

神林さんの他の作品に比べると軽快なノリで楽しめますv

「海賊課の一日」というタイトルですが…
なっげぇ一日だなぁ、ヲイ。
海賊課の皆様、お疲れ様です。
ラテルにとってはヘヴィな一日だったでしょうね。

文中、人間とは、意識とは、時間とは、という
小難しい論題も絡ませつつ、相変わらず読ませてくれます。
「SFは哲学」という言葉を改めて実感。


posted by まるひげ at 14:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2005-12-17

icon_45_b.gif『ダーク・タワーT ガンスリンガー』読了。



なにもかもが奇妙に歪んだ地、この世ならぬ異境で<黒衣の男>を追いかける孤高の男がいた。最後の<ガンスリンガー>、拳銃使いのローランド。幾多の謎を秘めた壮大な探求の旅、ダーク・ファンタジーの金字塔が、いま開幕する!(文庫カバーより引用)
スティーヴン・キング(著)風間賢二(訳) 『ダーク・タワーT ガンスリンガー』

頑張ったよ、おっかさん。でもやっぱりダメだった。
訳が…訳がぁッ!

読んでいて引っかかるんです。
ぎこちないというかなんというか。
あくまでも訳者さんは翻訳家であって小説家ではないので
表現の仕方に限界があるのはわかってるんですけど…。

訳本特有の不自然さがどーにも。
そんなに気にならない訳者さんも確かにいらっしゃるのですが。
今回はダメでした…。

「ダーク・ファンタジー」とのことですが
いやいや、これくらいのダークさじゃこの銘はいただけねぇ
「何もかもが奇妙に歪んだ」ってほどじゃないし。
3つ目・6本足の牛、両生類系ミュータントくらい。
生態系がおかしくなってるだけじゃあ…。

本編読んでる時は、イマイチ時代背景がピンと来ないのです。
とりあえず雰囲気は西部劇ぽい。
んで、ハードボイルド風アウトロー調(なんだそれ)。
高度ハイテク文明後の核戦争の影響で
こんな荒廃した環境になってしまった、という設定なんですが。
異世界なんだろうと思って読んでたら、
宗教がキリスト教だったり。
現代アメリカから飛ばされたと思われる少年が登場したり。
パラレルワールドものですか?

いっちばんわかりやすいのが、巻末の訳者のあとがき。

<暗黒の塔>とは、すべての時間と空間、
そして全宇宙と次元を支配し、
調和と均衡を保っている軸。
いまや、その軸=塔が何者かの悪意によって崩壊の危機にある。
ローランドは悪の根源を突き止めて倒し、<暗黒の塔>を修復して
保全するために、あてどのない探索行をしている。


へ〜、そうなんですか。初耳です。
で、黒衣の男は何者ですのか。
posted by まるひげ at 19:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2005-10-10

icon_45_b.gif『迷宮百年の睡魔』読了。






世間では、『τになるまで待って』が旬ですが。
淡々とマイペースな私は着々と積ン読消化です。
とゆーか、森作品、第1作で萌絵にムカついて以降、
S&Mシリーズは読んでません…。
勿体ないとは思うのですが、萌絵がッ!(怒)
なにかきっかけがあったら読むかもしれません。
四季4部作を読んだ友達が、
「4作目でウォーカロン出てきたよ〜」
と教えてくれたので、四季だけでも読もうかと思います。
うん、読もう。気になる。

課題でヤバイ中(現在進行中)、隙をついて読み終えた一冊。
SFファンタジーミステリ?
今回も、ミチルとロイディが良い関係です。
2人の会話がシリーズの大きな魅力のひとつですね。
原作読了後、すぐにスズキユカ氏のマンガも読んでみましたが、
コレは単体で読むモノじゃないなと感じました。
ストーリーがかなり省略されています。
前作のマンガよりもはしょわれた気が…。
雰囲気やキャラ設定などは文句ないのですが。
原作読んでからじゃないとわかりにくいだろうなぁ。
原作あってのビジュアル化。
そして何より、前作あっての今作。

森作品は今まで「数学ミステリ」「理系ミステリ」
などと言われてきたと思いますが、
それはトリック(=物理的な仕掛け)でもって
そう呼ばれているのではないかと。
森さんの経歴も多分に影響されていますよね。
この仕掛けには計算された精密さと、揺るぎない説得力が
あるようなにおいがします。
(訳:謎解きされてもイマイチわからない)
むしろ事件の内容や犯人の動機などは、不安定で曖昧なもので。
普段は考えないのにふとした瞬間感じた疑問、
あるいは指摘されないと気づかないようなことを
そのまま文に表したような。
長い文章や、難解なことばで書かれているわけでも
ないのに、答えるのがとても難しい問題です。
非常に哲学的だなぁと改めて感じました。
長くなりましたが、以下ネタバレ気味の感想。
posted by まるひげ at 23:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手

2005-09-28

icon_45_b.gif『常世桜 地神盲僧、妖ヲ謡フ』読了。



世界は物の怪に満ちている…。三宝荒神の力を頼み、姿無き神霊・精霊と交感する。時を超え、異界を行き来する青年琵琶法師十六夜清玄の怪奇幻想連作小説。(アマゾン レビューより引用)
加門七海(著)『常世桜 地神盲僧、妖ヲ謡フ』

加門さんの作品は、あるもんはどっぷりハマり、
またあるモンはハマりもしない、自分のなかでも
当たりはずれが激しいのです。
…これ、2年前のかつくらにCLAMPが投稿してたことに
ものすご驚いた記憶があります。
かつくらってば、時々プロのマンガ家さんが
投稿なさるから油断できん。

いいですねぇ、主人公の琵琶法師・清玄。
自分妄想でビボーズ(=美坊主)。
何年か前に昼メロ(『ピュア・ラブ』)でやってた陽春さん
みたいなビボーズ希望。

*『ピュア・ラブ』とは…
ボーズが女人に惑う話
と書いてしまえば元も子もねぇンですがね。
実際そうなんですから仕方なし。
「駄目だろ、ボンノー捨て切れてねぇだろソレ」
ツッコんだら、それは言っちゃいけないよ、と
友にたしなめられました。
すんません。


あの役者さん、
何より頭の形がすげぇ綺麗だったなぁ…。
それはそうと。
以下、ややネタバレ気味です。
posted by まるひげ at 01:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | SF ・ ファンタジー | edit | web拍手
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