2014-08-17

icon_45_b.gif『妖草師』読了。

今月の積読本消化1冊目。

敵さんが独り言多いので、読者が「?」ってなった部分を
律義に解説してくれるのがなんか面白い。
聞いてないのに答えてくれるよ!

江戸中期、宝暦の京と江戸に怪異が生じた。数珠屋の隠居が夜ごと憑かれたように東山に向かい、白花の下で自害。紀州藩江戸屋敷では、不思議な蓮が咲くたび人が自死した。はぐれ公家の庭田重奈雄は、この世に災厄をもたらす異界の妖草を刈る妖草師である。隠居も元紀州藩士であることに気づいた重奈雄は、紀州徳川家への恐るべき怨念の存在を知ることに―。新鋭が放つ時代伝奇書下し!(文庫より引用)
武内 涼(著)『妖草師』

本来は常世に存在するという妖草。
人の強い念に呼ばれてこの世に芽吹いてしまったそれらの植物のなかには
人々に災いをもたらすものもあるという…。
ということでありまして、
妖草を研究し、必要とあらば駆除することを生業とする‟妖草師”が主役の伝奇バトル小説です。
ちなみに、紀州徳川家の御家騒動が物語に絡んでおります。

今作も、作者の得意分野である草木の情報がてんこ盛りです。
ある時には生活家電として、またある時には武器として機能する妖しの草々。
それら妖草アイテムを駆使したバトルは緊迫感あって引き込みも強いです。
所々ややご都合的展開が見て取れたり
後半がちょっと駆け足なのもいつも通りです(苦笑)。

主人公の重奈雄、一見クールに見えながら
初恋時(当時8歳)の狂恋っぷりがなかなかにキモ…強烈でありました。
クスリはいけません、ダメ、絶対。
武内さん、ヒロインの淡い恋心を描くのはとてもうまいのになぁ…。
この重奈雄、敵方に論破されたり武芸からきしだったりするので
相棒的キャラが欲しかったところかな。
相棒とは違うものの、ヒロインの椿ちゃんは良い女房になりそうですぞ。

んでもって武内さん、
出自に謎の多い歴史上の人物を物語に絡ませるのも上手いですよね。
今作では、池大雅と曾我蕭白という江戸時代の画家たちが脇役として登場します。
個人的には蕭白が面白い人物でした。
おおらかでユーモアのある、奇想的なキャラで重奈雄を助けて(というか
首を突っ込んでくるというか巻き込まれて)くれます。
蕭白が自身の画風や思想を語るシーンがあるので、
彼の作品を思い起こしながら読むとこの人物のキャラ造形に納得します。

妖草師として、なにより人としてまだまだ成長途中の主人公。
シリーズ化してもおかしくない雰囲気を漂わせながらのEDでした。
posted by まるひげ at 23:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手
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