2014-02-19

icon_45_b.gif『神剣の守護者』読了。

見どころは神剣を携えた正具が信長を前に啖呵を切るシーン、
ここの舞台がとても映像的で絵になる場面でした。

しっかし、改めて表紙イラスト見てみたら…「神剣を探せ!」的レイアウトになってて神剣涙目。


智本 光隆(著)『神剣の守護者』

とても読みやすいです。
信長の伊勢侵攻については、これまで北畠家だったり
忍び連中がメインの作品がいくつか頭に思い浮かびますが、
楠木一族にスポットが当たってるのは初めて読みました。
歴史改変があるif小説とは異なり、
この作品では伊勢侵攻を題材として、史実の裏にフィクションを添える構成となってます。

神器強奪事件「禁闕の変」から物語が始まります。
この作品の重要アイテムである「草薙剣」にまつわる事件をまず描くことにより、
主人公である楠木一族の使命の始まりがここで語られるだけでなく、
登場人物の人間関係まで縮図として表されているのがうまいですね。
公式あらすじがちと長いですが、重要なので貼っておきます。

天下を統べるにふさわしき人物が現われるまで、この剣を守護せよ」
神器「草薙剣」の守護者となることが、楠木家の使命となって百余年。
伊勢に侵攻してくる織田軍を視察するため
津島にいた若き楠木の当主・正具は、猿顔の奇妙な男の命を救った。
織田との戦がもはや避けられないところまで来たある日、
正具の前に織田家の使者がやってくる。
その使者の名は中村藤吉郎。以前に命を救ったあの猿顔の男だった。
藤吉郎の使命は「神剣とともに楠木正具を岐阜へ連れて来ること」。
第六天魔王を名乗る織田信長とは、天下を託せる人間なのか?
正具はそれを見極めるべく「草薙剣」とともに信長のもとへと向かった―。(単行本より引用)


ということでありまして、物語が大きく動くのはこの直後です。
ボリュームでいえば全体の半分を過ぎたあたり。
秀吉覚醒もここ以降。

伊勢侵攻がメインではあるものの、
戦闘シーンはあまり多くありません。
終盤、少数で織田勢を迎え撃つ正具は、
軍神と呼ばれた楠木正成の末裔にふさわしい軍略を発揮し
ゲリラあり詭計あり夜襲ありの戦で散々に織田勢を苦しめます。
そしてラストは伝承系の締めでありました。
史実のとおりに正具のその後を描くのではないところに
この物語の神秘的要素(というかファンタジー要素?)が出ていて余韻が残ります。

以下、どうでもよいキャラ語り。
主人公の楠木正具、飄々とした雰囲気をまといながらも
一族の使命を胸に抱える強い信念を持った青年です。
智本作品主人公によく見られる、ちょっと皮肉屋さんでもあります。うむ、かっこよい。
幼馴染(と言っても一回りほど離れてますが)のヒロインは
正具の主家である北畠の一の姫・雪姫。
凛としたお姫様で、正具とは若干似た者同士のような雰囲気をお持ちです。

脇役キャラとしては
正具の手足となって働く甥っ子&姪っ子、家臣も頼もしい。
大概良いとことなしの北畠家一族。
ちなみに敵方の織田家武将たちのなかでは、
やはり楠木との因縁つながりで土岐氏の光秀が注目されますが、
それほど出張ってなかったです。うっそりしております。
雑草根性で頑張ってる秀吉は、
上役のいじめに屈せず命の恩人の正具を庇ったりする非常にきれいな秀吉です。
若干きれいすぎるような…。
posted by まるひげ at 00:46 | Comment(4) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手
icon_45_b.gifこの記事へのコメント
はじめまして。
『神剣の守護者』を書きました、智本光隆と申します。いつもご愛読いただきまして、ありがとうございます。
まるひげさんのブログの記事を私のブログ、
雪欠片 http://blog.goo.ne.jp/m-chimoto
で紹介させていただきました。

これからも『神剣の守護者』を、
そして智本光隆をよろしくお願い致します。
Posted by 智本光隆 at 2014年03月23日 23:53
はじめまして、智本先生。
新刊が出るたびに楽しく拝読しております。
このたび、原作者さまからコメントをいただいただけでなく、
貴ブログにご紹介くださったことに大変恐縮しております。
ありがとうございました。

今後のさらなるご活躍を、陰ながら応援させていただきます!
Posted by まるひげ at 2014年03月24日 22:12
まるひげ様、こちらこそいつもありがとうございます。
新刊ではありませんし、歴史小説でもないですが、「小説すばる」誌にコラムを書かせていただきましたので(4月号)、よろしければご覧になって下さい。

また、昨日の書き込むでは見落としていたのですが、群馬においでだったとのこと、風の強い我が郷里へようこそw
ちょうど、そんな話題をブログに書いたところですが、私は赤城団だけなったことがありません。浅間団、白根団というのもあります。

なお、、コートの下はとくに全裸ではなくw

話が逸れましたが、これからも智本作品をどうぞよろしく。ご健勝に!
Posted by 智本光隆 at 2014年03月24日 23:43
智本先生、情報ありがとうございます。
「小説すばる」、早速チェックしてみたいと思います。

群馬には、初めてお邪魔致しました。確かに風が強かったです。
それにしましても、
あの温かさでダウンコートとは…津軽人にとっては衝撃でした。
あっ、NO全裸でございましたか。了解です!

貴ブログ、美味しそうな群馬のソウルフードとともに拝見致しました。
運動会の組(団)分けには、さらに浅間と白根があるのですか!
これはコンプリートしたくなりますね(笑)。

そして、先ほどコメント欄にて、過去作品の裏話を読ませていただきました。
(と、こちらで報告するのもあべこべですが…)
『関ヶ原群雄伝』では、やはり吉勝の出生の秘密の設定が存在していたのですか?!
深読みであったかと半ば諦めていた要素だったので、いま判明してとても嬉しいです。
さらに、『豊臣蒼天録』のラストシーン案。
2作品を続けて読みますと、
秀吉が目指した世を守る豊臣サイドの人々の想いがより強く伝わってくるので
吉勝エンド(?)を想像したらなんだか胸が熱くなります…。
貴重なお話をありがとうございました!!

それでは、末筆ながらご講演の成功をお祈りしております。
季節柄、無理をなさらずご自愛ください。
Posted by まるひげ at 2014年03月25日 23:59
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