2013-12-30

icon_45_b.gif『光秀の定理』読了。

いい加減この本の感想文書かねば。
図書館レンタ本。

確率論の話があちらこちらに展開されており、
解説読んでもド文系頭にとってはモヤリとした思いが残りましたね。
でも読了感は悪くないです。ちょっと寂しさの残るさわやかさというか。

永禄3(1560)年、京の街角で三人の男が出会った。食い詰めた兵法者・新九郎。辻博打を生業とする謎の坊主・愚息。そして十兵衛。この小さな出逢いが、その後の歴史の大きな流れを形作ってゆく。光秀はなぜ織田信長に破格の待遇で取り立てられ、瞬く間に軍団随一の武将となり得たのか。彼の青春と光芒を高らかなリズムで刻み、乱世の本質を鮮やかに焙じ出す新感覚の歴史小説!!(単行本帯より引用)
垣根 涼介(著)『光秀の定理』

物語は1560〜1597年まで。
メインの登場人物は光秀、生臭坊主の愚息、そして兵法者の新九郎です。
この物語は、あらすじにあるような
「なぜ光秀が信長に高禄で召し抱えられ、織田家随一の武将となったのか」
という点を突き詰めるのではありません。
光秀の不遇の時代から織田家で出世していくまでの光秀の人となりが語られます。
語り手は、光秀の親友となった二人の男、愚息と新九郎。
釈尊しか尊敬せず、位階や血統、名誉、財力などとは無縁に生きると豪語する僧侶・愚息と
食い詰め浪人ながら、のちに独自の剣技を拓くこととなる純朴な兵法者・新九郎。
この二人の「頑固な先生と叱られてばっかりの生徒」的な掛け合いも読みどころです。

責任感が強く、不器用で人見知りで泣き虫な光秀は、現代で例えるならば
会社での出来事を妻に逐一報告するサラリーマンのようです。煕子大変。
自分の弱さも迷いもさらけ出す光秀は、
ややもすればどうしようもない人物に見られそうですが、
不思議とそんな印象は受けませんでした。
長い不遇の時期を経て、ついに光秀は織田家に高禄で召し抱えられることになります。

ちなみに、クライマックスは六角氏が籠る長光寺城攻めです。
―この山城に至る山道は四つあり、そのうち三つには伏兵が潜む。
光秀は忍びの報告により二つの道に伏兵がいることが分かった。
残るは二つにひとつ。だがその確率は、本当に50%だろうか?―

わざわざこう書くくらいですので、50%じゃないんですよ(笑)。
ここで確率の仕組みが、愚息が行う辻賭博と似通っていることに気づいた光秀は
長光寺城を落とし、以降、織田家での地位を確かなものにしていくのですが…。

終盤は本能寺の変を直接描くのではなく、
穏やかな気質を持つ光秀が精神的に徐々に追い詰められ、
最終的に主君殺しにまで至った経緯を愚息と新九郎が推察するという形をとっております。
そして、タイトルの意味もここで判明します。

ちなみに登場人物のなかで存在感があるのが、藤孝ですね。
この人の悪党っぷりは、初対面で愚息に見抜かれてます。
本能寺の変後、光秀を貶めたことを許せない愚息と新九郎の殺気を封じ込めた藤孝が、
何というか…最後まで本当に策士でした。
posted by まるひげ at 23:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手
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