2013-09-08

icon_45_b.gif『天を裂く 水野勝成放浪記』読了。

気になってた鬼日向の本を読んでみた。

序盤から敵方さくさく殺して生首××しちゃうようなDQNだもんで、どうなることかと思いました。

藤十郎勝成、十九歳、盟友は井伊直政、好敵手は石田三成。信長が永楽銭の旗印を与え一人で一万の敵に当たる戦巧者。家康の年若い従兄弟にして三河刈谷・水野家の御曹司。切腹より重い処罰を食らい、天下人・秀吉に命を狙われ、家を捨て、名を変え、主と戦場を渡り歩いた若者が、放浪の果てに臨んだ関ヶ原の大勝負とは!?稀代の戦バカの戦国青春放浪記!(単行本帯より引用)
大塚 卓嗣(著)『天を裂く 水野勝成放浪記』

一文一文が短いのでテンポ良く読めます。ラノベ並みの読みやすさ。
文体の軽快さは読んでいて気分が良いですね。
内容は会話文が多いうえに、話し言葉も現代的です。
ネット発だったり、既存作品の台詞を連想させるような言い回しなんかもあるので
そこんとこはちょっと笑ってしまいました。
良くも悪くもネオ時代小説。年配の方には受けないだろうなぁ。

それはそうと、内容。

若き日の勝成は、
当主である父・忠重の家臣を誤って殺してしまったことで勘当され、
奉公構の憂き目に遭い、十数年の間、名と主を変え戦場を渡り歩く日々を過ごす。
途中、友と呼べる存在や多くの武将たちとの出会いと別れを繰り返し、
たどり着いた地で、勝成は命を賭して守るべきものを見つける―。


というストーリーでありまして、
好き勝手に生きてきた勝成が紆余曲折を経て己を知るまでの成長物語です。
ちなみに時代背景は、天正壬午の乱(黒駒合戦)から島原の乱まで。
婆娑羅武将として殺伐としたフリーター生活してる前半と
のちに名君と呼ばれる姿が想像できるやや落ち着いた後半部分に分かれます。
「風流尽くそうかい」が口癖である戦好きの勝成、
‟傾き者”としての性格は一生変わってないです。
しかし、放浪生活のなかで虚を胸に抱えつつ
己の生き方を掴んだことで、確実に勝成は変わっていきます。
前半と後半とでは、戦を見る目と戦場に臨む心境が異なっているところに
一人の人間として、他者を動かす者として成長した勝成の姿が見て取れますね。

最後に恒例のキャラ語り。
キーパーソンは、備中の豪族・三村親宣。
勝成の後半生に重大な影響を与えた人物として描かれます。ものすごい良い人。
・「勝成の盟友」井伊の赤鬼
まっとうにお役勤めしてる直政かっこよいです。
・何故か一方的に勝成から「好敵手」と思われてる三成
本人の登場シーンはあまりありませんが、
「政をするために生まれてきた化け物」(p.272)という家康の評価がなんかいいですね。化け物。
・ちょろちょろ出てくる又兵衛
勝成をライバル視する道化役的ポジション。基本良いとこなし。
逆に長政がなかなかな人物でした。外面はものすっごい好青年。実は計算高い腹黒さん。
posted by まるひげ at 00:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手
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