2013-08-23

icon_45_b.gif『くるすの残光 いえす降臨』 読了。

三戸とか戸来とかって地名が出てきたから、
もっとトンデモなナニャドラヤ的何かが展開されるのかと
恐る恐る読んでしまったじゃないの。杞憂。

<その力は本物か、それとも――>
天草四郎の遺志と力を継ぐ心優しき忍者・寅太郎。“あの方”の復活のため、“聖遺物”を取り返す戦いを続ける彼らの前に"いえすの生まれ変わり"を称する少年が。その力を目にしたとき、激しい驚愕が寅太郎を襲うー(アマゾン・レビューより引用)。
仁木 英之(著)『くるすの残光 いえす降臨』

これまで、茨冠と聖槍を取り戻した寅太郎たち。
敵方の手で強大な力を発揮した聖遺物ですが、
キリシタンたちの手では本来の力を引き出せないでいます。
ちなみに、序章を読むと今回の聖遺物は「聖骸布」であることがわかります。

今作は3つの勢力がそれぞれの信念を貫くため闘っております。
ひとつは、寅太郎たち天草四郎の修道騎士、
もうひとつは天海とその配下のキリシタン討伐部隊「閻羅衆」、
最後は奥州で「神の子」と讃えられる少年・一起と隠れキリシタンたち。

高度な製鉄技術を持った奥州の山の民たちは、同時に熱心なキリシタンでもありました。
彼らを水面下で保護してきた伊達藩でしたが、
藩主・政宗の死後、幕府によるキリシタンの弾圧が本格化します。
「いえすの生まれ変わりが奥州の地に現れる」という予言を信じ、
迫害を耐えてきたキリシタンたちが一起を戴き、
神の国をつくるため蜂起する機会を窺っていました。
奥州の隠れキリシタンの噂を聞いた寅太郎と佐七は、
蜂起は無謀であると説得を試みるものの、奥州のキリシタンたちには受け入れられず、
逆に山の民と一起の力に圧倒されてしまいます。
そしてついに奥州のキリシタンの軍勢が仙台城を取り囲み、
寅太郎、一起、公儀の三つ巴の戦いが始まってしまい―。

いささか長くなりましたが、そんな展開です。
なんだかこのシリーズ、読んでいるとモヤッとしますな。
主人公である天草四郎を奉じるキリシタン側の主張が弱い、というか説得力がないんです。
いつも敵側の論法に霞んでしまっている印象を受けます。
今回は、同じキリシタンでありながら宗派の異なる者たちとの対立です。
対立した相手側のことを考えてくれないんですよねぇ。
敵の敵は味方、とはならないところが惜しい。
まぁ、たとえ共闘して幕府を相手にしたとしても、
互いに相手を認められない状態で勝てるわけもないんですがね…。

敵方の井上政重(元キリシタン)がかっこよいご老体です。
「信仰を取り戻せ」と言うキリシタンに対する返答が揺るぎないものであるのが潔い。
敵といえば、天海の過去(光秀が天海となった経緯)も明かされています。
ベタなので隠す必要ないなぁ…(苦笑)。

一方、その他修道騎士メンバーは。
寅太郎と佐七(+お雪)以外は、待機でした。
そのなかでも前作で、天海の呪術によって甦った立花宗茂に完敗した荘介。まだ落ち込んでます。
悶々とする荘介の前に萩藩の侍から仕官の誘いがかかります。
いわくつきの話ではあるものの、
キリシタンも絡んでいることもあり、荘介は仕官することを決意。
ということで、次作の舞台は萩ですね。
posted by まるひげ at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手
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