2013-04-23

icon_45_b.gif『戦都の陰陽師 迷宮城編』読了。

今月の積読本消化2冊目。

ラストがあんなに甘酸っぱサワヤカな幕引きだとは想像できませんでした。
疾風と光子の微妙な関係がずっと繋がっていると良いなと思う。
それにしても光子は当初から結構攻めてるよね(笑)。

破魔の霊剣・速秋津比売の剣を奪還した、陰陽師の土御門光子と、疾風ら7人の伊賀忍びたち。だがその剣は妖術師・果心居士の施した蠱物におかされており、それを運ぶ光子の力をどんどん奪っていく。果心居士に操られた“虫憑き”の妖忍や、松永久秀の軍勢、魔性の天狗らの襲撃を撃退しながら、光子は果心居士を討つため信貴山城へと向かう。だが霊剣に最後まで纏わりついた、とてつもなく邪悪な蠱物が、ついにその正体を現した―(文庫より引用)。
武内 涼(著)『戦都の陰陽師 迷宮城編』

緩急自在な物語展開に、やっぱり一気読み必至な完結編でございました。

前巻にて霊剣を奪還した光子一行が多聞山城から脱出するところからスタート。
今巻は、シリーズ最終巻にふさわしく
陰陽道の戦いも忍びたちの戦いもヒートアップしてます。
人妖入り乱れたバトルが緊迫感を煽りまくり。
敵方は天魔の天狗、果心居士、ラスボス“夜刀の神”という三段構えで光子たちを苦しめます。
そして、戦闘の合間に挿入される一時の平穏な日常。
木賃宿で過ごした仮の生活や旅の途中に一息吐く場面等は
読んでいて本当に心和みます。そしてちょっとニヤニヤしちゃう。
これまでの過酷な旅を通して深まった光子と伊賀忍びたちの絆に胸熱でありますよ。
また、出雲編と異なり、この奈良編では
伊賀の皆様から脱落者が出てないのが良かったです。
疾風と光子の仲を見守るというより野次馬根性丸出しな飛鳥をはじめ、
個性の強い伊賀忍びたちの強い連帯感が頼もしい。
お色気担当じゃないのに今回も全裸で戦う羽目になった蘭…お疲れ様です。

特にツボなシーンは
藤林一党の秘技・もぬけの術が破られたところ。
すべてが終わった後の疾風の告白と合わせて印象的な出来事です。
しっかし、光子は疾風の立場を考えてやるべきでしょう。
…まぁ、17歳の公家の姫様ということを考慮すると無理のないことなのかもしれません。
敵味方の区別無く、すべての者を救いたいという光子の願いは
崇高ではあるものの、あまりに理想的。

脇役サイド。
葦姫と新次郎はつらい展開になってしまいました。
葦姫を失い、自暴自棄になった新次郎ですが、
光子と伊賀の忍びたちに接したことで彼が下した決断が
その後の妖との戦いに大きな影響を与えることとなります。
新次郎といえば、ちょっとしか出てこない左近の記述がムダに格好良くて正直ずるいと思った。
贔屓目ではないはず。

ひとつ文句を言うとすれば。
毎回言ってることでありますが、物語の構成配分の問題。
終盤の信貴山城ステージ(ステージ言うな)にもっと時間かけるのかと思ってた。
中盤が長かったこともあるので、余計バランスが悪く感じるのかもしれません。
でもなんだかんだ言っても非常に楽しく読ませていただきました。

次の文庫化(単行本?)は「デジタル野生時代」に連載中の『秀吉を討て』でしょうか。
楽しみです。
posted by まるひげ at 22:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手
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