2012-04-28

icon_45_b.gif『赤刃』読了。

今月の積読本消化1冊目。

とりあえず「活劇」という単語が好きなら読んで損はしないかと!
なかなかに凄惨というか流血描写が多いので、苦手な方はご注意…って
活劇好きで流血苦手な人ってあんまいないか。

江戸初期、徳川家光の治世。百を超える<辻斬り>の災禍に、江戸の町は震撼していた。殺戮集団の主犯は、戦国の英雄、元津藩士の赤迫雅峰とその一党。幕府が送る刺客は次々と返り討ちにあい、老中・松平伊豆守は切り札となる<掃討使>に旗本・小留間逸次郎を任命する。赤迫対逸次郎、血塗られた闘いは連鎖し、やがて市中は戦場と化す―。無惨にして無常。これぞ、新時代の剣戟活劇! (アマゾン・レビューより引用)。
長浦 京(著)『赤刃』

江戸の町を騒がす辻斬り集団と幕府の捕り方との、血で血を洗う闘いの物語。
読了直後、「凄いもん読んだ…」というのが素直な感想です。
人情や色恋といった甘いところがひとつも見当たらない、
殺伐とした、まさに「新時代の剣戟活劇」でした。
文章のリズムが良く、しかも先が気になるので一気読み必至です。
登場人物の心理描写がほとんどなく、
その闘い方や動きで人物の思惑が察せられる点が特徴でしょうか。
実際に読んで頂かないと、この作品の血湧き肉踊る感は伝えられそうにありません。
「優れ過ぎて常軌を逸している」(p.274)とまで言われる主人公の狂気と
敵方である戦国の兵・赤迫雅峰の狂気がぶつかり合うさまを、どうぞお楽しみ下さい。

…といったところで感想文終わっても良いんですが、もう少し。
以下、ネタバレなしの読みどころ紹介です。
一番の読みどころは、やはり戦闘に次ぐ戦闘。
様々な条件下で繰り広げられる戦闘シーンは緊迫感が半端ないです。

物語のなかには生と死の価値、狂気を抱えたまま生きることの意味といった、
正解のないテーマがいくつか投げかけられてあります。
けれども、純粋に娯楽時代活劇として楽しめる作品でした。

正直、もっとおおっぴらに「民衆を味方につけた敵方 VS 主人公ら幕府側」
という厄介な構図になるかと思ったんですが、それほどでもなかったですね。

個人的に一番好きな点。
主人公の逸次郎の戦い方が正攻法ではないんですよ(苦笑)。
自分の身体でさえ道具として使う、武士らしくないところが良いですね。
平時においては沈着冷静でまとも(?)な青年なので、
戦闘スタイルとのギャップが非常に魅力的でありました。

脇役として一際目立つのが、逸次郎の祖父・得知昌。
故人でありながら、その存在感は異常。
むしろこの外道の祖父のせいで
逸次郎が厄介ごとに巻き込まれているといった感がなきにしもあらず。
あと、忘れちゃいけない、知恵伊豆。
逸次郎さえも手の上の駒として扱う知恵伊豆の鬼謀というか
目的のためなら手段を問わない手腕が素敵です。黒い知恵伊豆良いなぁ。

続編があってもおかしくないラストなので、是非にも期待したいところです。
ちなみに次回作は、
大正時代にリボルバーをぶっ放すヒロインの話だそうでなにそれ面白そう。
posted by まるひげ at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手
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