2012-02-29

icon_45_b.gif『忍びの森』読了。

今月の積読本消化4冊目。
実は昨日の日記で挙げた本より先に読了してたり。

いやぁ、面白かったです。
ニンジャのサバイバルアクション………ホラーではないです。伝奇モノです。
この血湧き肉踊る感、良いですな。

時は戦国。織田の軍に妻子を殺された若き上忍・影正は、信長への復讐を誓い紀州をめざす。付き従うは右腕の朽麿呂、くノ一の詩音ら、一騎当千の七人。だが山中の荒れ寺に辿りついた彼らを異変が襲う。寺の空間が不自然にひき伸ばされ、どうしても脱出できないのだ!さらに一人が、姿の見えない敵によって一瞬で屠られる。それはこの寺に棲む五体の妖怪が仕掛けた、死の五番勝負だった―(文庫より抜粋)。
武内 涼(著)『忍びの森』

キャラが立っていて人間味が滲み出る伊賀忍びの皆様。
戦闘時には冷酷な観察眼、生き残るための戦略が瞬時に組み立てられるところなど、
平時とのギャップがたまりませんです。

あらすじをちょこっと補足。
天正伊賀の乱が背景です。
戦場から逃れた影正ら伊賀の8人の忍びのうち、阿保(あお)党が6人。
残り2人は紀州へ落ちる途中に合流することとなった田屋党の姫とその守護忍。
あやかしの手により封印された空間のなかでの死闘、
一人また一人と殺されていく忍びたち。果たして生き残るのは誰か?

…という展開です。
冒頭から妖怪登場まで時間がかかるのですが、
それ以降は先が気になりスイスイ読み進められます。
面白いのはいわずもがなのメインパート「忍者 VS 妖怪の死闘」。
…妖怪っていうか化物っていうか怪獣っていうか。
鍛え抜かれた忍びの技(たまに超能力)を駆使した肉体戦はもちろん、
時には知略を尽くした頭脳戦も繰り広げられます。
スピーディーな緊迫感があるので、手に汗握るハラハラ感満載。
戦闘がトーナメント形式となっているのが面白いです。律儀な妖怪さんだなぁ。
ちなみに戦闘は、なんでもアリ、というわけではなく
それぞれの妖怪との戦いで忍びたちに課せられる制限が様々あり、
そのことが戦闘シーンにリアリティを与えております。
山風的「忍法」じゃなくてあくまで「忍術」ね。
結構真面目にバトルしてました。

気になるところは、過剰とも言える情景描写。
紀伊の植物についての緻密な記述、その膨大な情報量には圧倒されます。
しかし、あまりに説明が長いせいで、
読むテンポが一時中断されてしまうきらいがあるんですよね。
あと、仇敵の織田信長、そして伊賀攻めを先導した甲賀忍びの頭領・山中竹宗。
彼らの描写がラスト少ししかないのがやや残念。
例えば冒頭にこの2人(特に山中の方)に関わる物語があれば
もっと忍びたちとの繋がりが出来たかな、という感じです。

間違いなくB級エンターテインメント作品でありながら、
状況描写と物語を支える設定がしっかりしているので軽い印象は受けませんでした。
次回作も読んでみようと思います。

以下、どうでも良いネタバレ感想文。
影正、なにげにモテるな(笑)。
女性キャラに嫌味がないのは良いですね。詩音も鵺も可愛いよ!

振り返ってみると、忍びの皆様、死亡フラグ回収してるわー。
なんつーか、草姫戦が迫力で…朽麻呂の死に様も「これだけは勘弁して」って感じ。
痛い痛いこれは痛いぞ。
個人的には3番目の妖怪・蛇苦鷺が好きです。
あの怪鳥が律儀に果たし状である多羅葉の葉っぱを届けにきたのがね。
わざわざ石化させてるところ想像すると非常に愛しくなってくる不思議。
posted by まるひげ at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時代・歴史モノ | edit | web拍手
icon_45_b.gifこの記事へのコメント
icon_45_b.gifコメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。