![]() | あと3年で世界が終わるなら、何をしますか。 2xxx年。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。犯罪がはびこり、秩序は崩壊した混乱の中、仙台市北部の団地に住む人々は、いかにそれぞれの人生を送るのか? 傑作連作短編集。(アマゾン・レビューより引用) 伊坂幸太郎(著)『終末のフール』 |
伊坂さんの本を読んだのは『死神の精度』以来です。
今年は『陽気なギャング〜』映画化、
『チルドレン』ドラマ化ということで、
ますます注目が高まる作家様でございます。
正直言うと、いまいちハマりきれなかった今回の伊坂作品。
ラスト2作品でようやくノれた感がありました。
途中でラノベに浮気し、一時放置してしまいましたが、
再開した後が最も面白かったという、因果な一冊でした。
・「終末のフール」
10年前、長男の自殺が原因で家を出た娘が帰省するという
連絡を受けた熟年夫婦の話。
父、不器用な人だなぁ。
ポロッと爆弾発言した後、動揺するダンナに向かって
サラリと「嘘ですよ」とかわす奥さんがおちゃめで可愛らしいおばさんでした。
いやしかし、気の強いダンナや娘よりも、最強なのはこの人だと思う。
・「太陽のシール」
あと3年の命、という時に「子供が出来たかも、どうしよう」という若夫婦の話。
優柔不断な弟とそれを励ます姉、というような関係な2人が微笑ましい。
最後の短編「深海のポール」にも登場するダンナの先輩・土屋さんの言葉に胸を突かれます。
・「籠城のビール」
ストックホルム症候群の話(え、それだけ?)。
・「冬眠のガール」
両親が亡くなって1人で健気に生きる女の子のある決意の話。
…絶対、この娘はヲタクだ。やや不思議系はいっておりますが。
会話の端々にヲタク臭が漂ってます。
・「鋼鉄のウール」
キックボクサー目指しつつも、大いに悩む少年の話。
(段々解説が乱暴になってきましたよ…)
ストイックなファイター、苗場さんがカコよいです。
・「天体のヨール」
「ヨール」って何だ…?的なタイトル。
天文ヲタクと自殺未遂の友人同士の、
かみ合ってるようなかみ合ってないような会話が面白い話。
天体ヲタクさん、鋭い観察眼をお持ちです。
この人、眼鏡くいっと上げるのがクセな小太り30代というイメージ。
・「演劇のオール」
孫娘、姉、母親、彼女、飼い主を演じる元俳優志望の女性の話。
ラストの集束が見事です。
・「深海のポール」
奇異な父親を持つレンタルビデオ店店長の話。
このおやっさんがめさくさ面白い人で。
世が世ならB29に向かって竹槍突き出して
「オノレ○唐ども!!」と叫んでいるのがまざまざと目に浮かぶような、
そんなガッツのあるお人です。
息子の前で、堂々と「俺の一番大事な人間は政子(亡妻)」と告げます。
「息子のお前よりも」とトドメ。
変人だけど凄くカコよい人だと思います。
伊坂作品の特徴である、それぞれのストーリーに
別のストーリーのキャラが関わってくるという構造は健在です。
キャラのその後がわかったりしてお得(?)ですよね。

私もこの本は後半の方が楽しめました。
TBさせていただきましたのでどうぞよろしく。
後半の方が作品の世界観にも慣れてくるせいか、すんなり物語に入っていけるような気がしました。
キャラが魅力的、というのもかなり大きいのですがね…(汗)
そういえば、『陽気な〜』の続編が出るとか…。
伊坂さんが続編執筆って、珍しいですよね。